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GT500 Class GT300 Class =vol.1= GT300 Class =vol.2=
国内最高峰レースのSUPER GTは、2つのクラスに分けられている。
GT300はGT500に比べ、スピードこそ劣るものの、コンペティションの激しさは優るとも劣らず。むしろ車種のバラエティに極めて富んでいて、台数も多いことから、絶えずバトルが繰り広げられる、実際にサーキットを訪れた人ほど、魅了されてしまうクラスである。

ヨコハマタイヤのADVANレーシングタイヤは、そんな激戦区GT300においてシェアナンバー1。通算14回目、2009年以来となる4連覇に期待がかかる。
 
GT500とは異なり、GT300では駆動方式や排気量の統一なく、どんな車両でも出場が可能だ。しかし、限りなくイコールコンディションとするため、性能調整としてリストリクター径や最低重量を車両ごと定めているのが特徴のひとつ。GT300と呼ばれる理由は、そのリストリクター径の設定によって最大出力を約300馬力に設定しているからでもある。

もちろん、GT300においてもタイヤ選択は自由。しかしながら、ヨコハマタイヤのADVANレーシングタイヤは25台中22台に用いられており、シェアは実に9割にも。信頼性と性能が、ともに高いレベルで評価されていることの証明とも言えるだろう。

車種のバラエティが自慢のGT300ながら、たとえば排気量であれば2,000ccターボから7,000ccまで、車重であれば1,100kgから1,350kgまで、そして駆動方式もFR(フロントエンジン・リアドライブ)、MR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)、RR(リアエンジン・リアドライブ)と、それぞれ。

当然、タイヤサイズも前後合わせ7種類も用意される。少ない台数をピンポイント的にサポートできる他メーカーとは異なり、負担も苦労も絶えないものの、それだけに上位を独占してくれた時の嬉しさはひとしお。これも妥協なく開発を重ね、進化を絶やさぬことを何よりのモットーとしているからこそ、達成できるのである。
 
さて、今年のGT300には、歴史的に見ても極めて大きな変化があった。
GT300の中にもJAF-GTとFIA-GTという区分があり、それぞれの性格は好対照。JAF-GTは絶えず自由な改造が許されるのに対し、FIA-GTはメーカーが開発、市販するレーシングカーであるため、FIA(国際自動車連盟)のホモロゲーション(公認)を受けた後は、セッティングレベルの調整しか許されない。

GT500ばりの空力改善も可能なJAF-GTは多くのダウンフォースを稼ぐこともでき、コーナリングの速さを自慢とするのが一般的な傾向。逆にエンジンパフォーマンスにおいて優遇のあるのがFIA-GTの特徴で、ストレートを圧倒的な速さでJAF-GTを上回る。

そのため、これまでの全体的な傾向として岡山国際サーキット、スポーツランドSUGO、オートポリスのようなテクニカルコースはJAF-GTが有利。そして富士スピードウェイのような高速コース、ツインリンクもてぎのようなストップ&ゴーの繰り返されるコースではFIA-GT3が有利とされてきた。セパンサーキットと鈴鹿サーキットに関しては、ほぼイコールといったところか。

また、先に触れた性能調整だが、昨年まではシリーズを統括するGTAが独自に設定していたが、これがFIA-GTに関してはFIAが定める調整値、BOP(バランス・オブ・パフォーマンス)に合わせることに。これにより、特にFIA-GT3においては本来の性能を発揮できるようになった。もちろん、一方に明らかな有利不利があってはならないため、JAF-GTにおいてもリストリクター径の4ランクアップが認められた。

前回、GT500も2ランクの性能緩和が許されたと記したが、実はGT300の影響が大きい。GT300の著しい性能アップに対し、抜く・抜かれるが困難になってしまうための配慮なのである。こと今年に関してはGT300を核にしてレギュレーションが改められたことが、そのことで理解してもらえるはずだ。

実際にレースを見たことのない人からは、性能差があることからGT300の車両は、GT500の車両に対して障害物、あるいはシケインなどと揶揄されることもある。だが、実際にはGT500にしてみれば、いかにロスなく抜いていくか、逆にGT300にしてみれば、いかにロスなく抜かれるかが腕の見せどころに。さらに言えば、別のクラスの車両をうまく絡めてオーバーテイクの機会を得られることも決して少なくはないため、実はレースの盛り上げにも一役買っているのである。
[UPDATE : 2.May.2012]
           
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