今年は開幕直前に東日本大震災があって、特にGT300クラスではほとんどのチームがテスト出来ず、心配の種がチームにとっては増えたと思います。実際、シーズン中に行われるタイヤテストに各チーム2回出られるのですが、昨年より増えましたね、参加チームは。
でも、タイヤ的には大震災の影響で性能が落ちたということはまったくなくて、他社と競争できるタイヤを供給することが出来ました。その結果、チャンピオンが獲れて、本当に良かったと思っています。
今年はFIA GT勢が有利になるだろうとの予想だったのですが、まさにそのとおりの1年になり、特に「初音ミク
グッドスマイル BMW」のポテンシャルの高さにも手助けしてもらって、満足のいくシーズンになりました。
正直なところ、開幕戦も勝っていれば全勝という、さらに気持ちの良いシーズンになったのですが。あの時は雨で、どちらかといえばうちは雨が苦手で、予選で前にいるということが少なくて、まだライバルと同等レベルの性能に至っていなかったというのが今まであるんですが、開幕戦の結果を見て、やっぱりまだ全然ダメだと。
そこで開発にバリエーションを増やして、いろいろ取り組んだ結果、鈴鹿の決勝では「R&D SPORT LEGACY B4」が優勝。でも、まだダメだと自分でも思っていたので、もてぎの最終戦までにいくつかアイテムを揃えて準備をした結果、僕がGT300を担当してから初めて雨の中でもポールを獲ることが出来ました。
今年はタイヤ戦争もより激しくなった中で、よりタイヤ開発も進み、結果も残った1年間でしたね。
でも、だからといって満足はしていません。
チャンピオン獲得が決してゴールではなく、どんなコンディションでも、たとえ何戦あろうと、勝ち続けるのを本当のゴールとしていますから。それに向かって、引き続き努力していきます。