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谷森雅彦選手特集
 
Rd. 開催コース 成 績
第2戦 名阪スポーツランド(Cコース) 2位
第3戦 TS-タカタサーキット 3位
第4戦 スポーツランドスナガワ 優 勝
第5戦 スポーツランドSUGO(西コース) 4位
第6戦 ツインリンクもてぎ(北コース) 優 勝
第7戦 モビリティおおむた 3位
第8戦 本庄サーキット 優 勝
 
「あ〜、ホッとした」

最終戦の本庄、2本目を走り終えて優勝を決め、同時にチャンピオン獲得が確定した斉藤邦夫選手が発した第一声は、偽らざる心境だったことであろう。
FFのスペシャリストとしても知られるベテランドライバーは、ホームコースの本庄で三つ巴のチャンピオン争いを制して、自身5回目となる全日本タイトルを手中におさめた。

「今年はシビックと私にとって得意なコースが多かったんですよ。具体的に言うとCR-Xはパイロンコースが圧倒的に速くて、シビックはハイスピードなカートコースやミニサーキットが得意なんです。今年は残念ながらフルパイロンコースが無くなっちゃったこともあって、シビックに有利とまでは言わないものの、CR-Xに対するハンデはかなり無くなっていたという感じでしたね」

今シーズンを、まずはこのように振り返った斉藤選手。しかし得意なコースが多いカレンダーではあったが、結果としてはチャンピオン争いが最終戦にもつれこむ大激戦となった。

「カレンダーの中でも一番得意としていた鈴鹿が、震災の影響で中止になりました。あそこは絶対に勝てる自信があったので大切なポイントだったのですが、それが無くなったことはちょっと苦しかったですね。
ジムカーナでは有効得点制度が導入されているので、結局のところは1回や2回勝ってもダメじゃないですか。それが3人が2勝ずつという、見ている方は面白いでしょうが、やっている方は非常に辛い状況になって(苦笑)。
最終戦は私の地元で開催されるから有利だ、という見方もあるでしょうけれど、やっぱり何が起きるかわからない。だから最終戦までチャンピオン争いを持ち越したくはなかったのですが、結局は3人がほぼ横一列で来てしまい、最後までドキドキした一年でしたね」

最終戦の本庄で3勝目を飾って、2年ぶりのチャンピオンに輝いた斉藤選手。王座奪還の過程において、もっともポイントとなった一戦はどの大会なのだろうか。

「やはり今季初優勝を飾ったスナガワですね。ここでは去年も速かったのですが、自分のミスでパイロンにタッチしてしまって。それが今年は確実に勝つことが出来ました。
昔のA車両の頃は勝っていたのですが、ここしばらくは勝てないことが続いていました。去年くらいからタイヤのマッチングも良くなった感じがあって、今年はきっちりと勝てたのでシーズンの戦い方を組み立てやすくなりましたね。
その次は得意なもてぎだったのですが、ここでも勝てたことを思えば、やはり北海道での一勝目はとても重要なものでしたね」

もちろん斉藤選手の走りを支えたのはADVAN A050。三つ巴の激戦を制したことで改めて優れたポテンシャルが実証されたかたちになったが、斉藤選手はADVAN A050の優位性について次のように語る。

「まず言えることは、中温域以上のところで絶対的なマージンがライバルに対してありますね。
春先や夏場の暑い時期には、G/Sコンパウンドに圧倒的なマージンがあるんですよ。そして、暑くなればなるほど、どんどんタイムを出せる、それこそがADVAN A050のメリットですね」

最後に今シーズンを100点満点で自己採点していただいた。

「そうですねぇ……、ドライバーの立場で言うと85点かな、90点はやれないような気がします。
ただ、私はドライバーだけではなく、チームとしてのマネージメントから監督からエンジニアからと、基本的に全てを一人でやっているので、ドライバーとしては85点ですが、メカニック的な立場で言えば90点をあげたいですね。
今シーズンは2戦ほどミッションを痛めたままで走らなければならなくてキツかったのですが、最終戦の本庄に向けてはしっかりオーバーホールを行ってきて、とても良い状態になりました。なので、"メカニックの斉藤君"は良い仕事をしてくれたな、と思います(笑)」
 
Rd. 開催コース 成 績
第2戦 名阪スポーツランド(Cコース) 優 勝
第3戦 TS-タカタサーキット 11位
第4戦 スポーツランドスナガワ 優 勝
第5戦 スポーツランドSUGO(西コース) 6位
第6戦 ツインリンクもてぎ(北コース) 優 勝
第7戦 モビリティおおむた 7位
第8戦 本庄サーキット 3位
 
今季も8つのクラスを制して全日本ジムカーナ選手権で強さを見せているADVAN勢。中でもSA2クラスはADVANを装着した選手同士が激しく優勝を競い合っている激戦区であり、同時にユーザー同士の結束ももっとも強いクラスであると言える。

そんな中で最終戦、逆転でシリーズチャンピオンの座を獲得したのは森嶋昭時選手。2007年からRX-7でSA2クラスに移籍、翌'08年に初の全日本タイトルを獲得すると、'09年にはシリーズ二連覇を達成。しかし昨年は惜しくもタイトルを逃し、今季は奪還に成功した。

「今年は3勝してシリーズを優位に進めてはきたんですけれど、第7戦のおおむたで藤本(泰則)さんに勝たれてランキングを逆転されてしまいました。そして最終戦は本庄というハイスピードコース、自分も相当頑張らなければならない状況になって、正直なところ『かなりヤバイ』という思いもありました。
ただ、ここまで来たらもう難しいことは考えないで、自分の出来ることは100%の準備をして、力を全て出し切って走ろう、そんな思いで最終戦のスタートにつきました」

最終戦ではADVAN A050のG/Sコンパウンドがコースとのマッチングに優れ、マシンのセットアップも決まって公開練習からフィーリングが良かったと振り返った森嶋選手。では一年を通して振り返ったときに、チャンピオン獲得において鍵になった一戦とは、どの大会なのだろうか。

「昨年も同じ本庄での最終戦で、新井(大輔)選手に大逆転をくらってチャンピオンに届かなかったんです。その悔しさを今年は事実上の開幕戦となった名阪にぶつけて、ブッチ切りで勝つことが出来ました。それがキッカケになって、浮き沈みはありましたが波に乗ることが出来たんだと思っています。
オフシーズンの間から開幕戦はシリーズを占う意味でとても重要だと思っていました。だから震災の影響で中止になってしまった鈴鹿が開催されていたとしても、地元ですから万全の準備を整えていたんです。もっとも鍵になった一戦、それはいずれにしてもシーズン最初の戦いということになりますね」

森嶋選手を筆頭に、今シーズンもSA2クラスで強さを見せたADVAN勢。この点について森嶋選手は次のように分析する。

「2008年に私がチャンピオンを獲ったことが、周りの方々にとっても自信になったと思うんです。言い方は変ですが『森嶋が行けるんだったら、自分も行けるはずだ』という感じで。
こうして切磋琢磨をしてきた中で、同じタイヤ、同じ後輪駆動同士でデータの交換だとか、テストや公開練習でも互いに情報を共有してやってきましたので、それぞれの情報量と皆さんのドライビングスキルの高さ、選手層の厚さといったものが、結果としてADVAN勢の強さにつながっているのではないでしょうか」

自身3回目のチャンピオン獲得で、再び追われる身として2012年シーズンを迎えることになった森嶋選手。今季の自己採点と来季に向けた意気込みを最後にお聞きした。

「今年はちょっと波が激しかったと思っています。それが結果として3勝をしていながら、チャンピオン争いが最終戦にもつれ込むという展開につながった要因になってしまいました。これだけ経験を積んでいながら、タイヤ選択のミスだったり、自分自身のコンディションの持っていき方などで失敗したことも多かったので、これは反省すべき点だと思っています。
ただ、今までは苦手意識もあったツインリンクもてぎや、スナガワといったハイスピードコースで勝てたことは、自信にもつながりました。
今シーズンは決してブッチ切りで勝ったわけではないと思っていますので、来年に向けてはまた自分も挑戦者の立場という思いで頑張っていきたいと思っています」
 
Rd. 開催コース 成 績
第2戦 名阪スポーツランド(Cコース) 2位
第3戦 TS-タカタサーキット 2位
第4戦 スポーツランドスナガワ 不成立
第5戦 スポーツランドSUGO(西コース) 優 勝
第6戦 ツインリンクもてぎ(北コース) 優 勝
第7戦 モビリティおおむた 優 勝
第8戦 本庄サーキット 優 勝
 
Dクラスはディフェンディングチャンピオンが不在という中で2011年シーズンが幕を開けた。そこでチャンピオン獲得の筆頭候補として注目を集めたのが小林キュウテン選手。それまでのピンク色から2008年の第2戦・名阪で一新されたイエローのボディカラーもお馴染みとなったスズキ隼を駆り、これまでに5回のDクラスチャンピオンを獲得してきた強者の一人だ。
しかし今季、マシンやクラスは変わらないものの、チーム体制には変化が生じた。

「長くコンビを組んでいたメカニックから、新たにSUPER GTの300クラスまでを経験しているメカニックに替わりました。体制としては十分なものを整えていただきましたが、やはりレースのメカニックとジムカーナのメカニックは基本的に違うもの。根本的にジムカーナはメカニックの担う部分に細かいことが多く、セッティングについてはドライバーからの指示が多いという特徴もあります。
レースとジムカーナの、どちらが凄いとか偉いということではありませんが、最初のうちは噛み合わない部分もあって互いに理解し合う時間が必要でした」

こうした状況で迎えた2011年シーズンだったが、チャンピオンを奪還した現在、キュウテン選手がもっとも印象に残る一戦として挙げたのは事実上の開幕戦となった名阪ラウンドだった。

「名阪は2番手だったのですが、改めて車載映像を見るとあれ以上は絶対に速く走れないという内容でした。自分の身体もしっかり出来ていたし、感覚的な自分自身のコントロールセンサーも万全だった。あのパッケージングで、あれ以上のタイムは絶対に出ないんです。
なのに、どうしてこんなタイムなんだ、と。あの状況で同じクルマに乗っていればライバルよりも絶対に速く走れたと思いましたし、僕の方がドライバーとしてのスタビリティを持っているという自信もあった。それがあそこまで負けたことで、『今年はどうなるんだろう』という船出になりましたね」

今シーズンは、新しい体制になって"産みの苦しみ"を味わうことになったキュウテン選手。しかし、そこはドライバーとメカニックが互いに経験を活かして、着実に前進を続けていった。

「タカタくらいまでは色々とありましたが、細かいことを改めてメカニックと一緒にしっかり実証しながらやっていくことで、だんだんと互いに噛み合うようになってきました。そのことは確実に結果にもつながり、SUGOでの今季初優勝、そしてそこからの連勝へとつながりました。
メカニックも前任者とは違う提案をしてくれることもあります。昨年まででマシンについては進化が鈍っていた面もあったのですが、今年になって新しい進化の方向性が出てきた部分もあります。チャンピオンを確定させて臨んだ最終戦でも新しい試みをやっていて、これは来シーズンに向けての大きな効果も生んでいることを確認できました」

こうして尻上がりに調子を掴み、最終戦を待たずしてチャンピオン奪還を決めたキュウテン選手。
ところで今年は3月に発生した未曾有の大震災がモータースポーツ界にも大きな影響を与えたが、キュウテン選手は本業の面でも震災と正面から向き合うこととなった。

「僕は東海地震の可能性も高い静岡市の公務員。ですから仕事の関係で東北にも何度も足を運びましたし、地元についても防災体制や福祉体制のことなど大忙しでした。建築技師でもあるので、耐震に対する市民の皆さんからの相談を受けたり、応急危険度の判定について携わったりと大変でしたね。
そんな中で被災地の東北にあるスポーツランドSUGOでも全日本戦が行われましたが、僕たちが行って元気づけられることがあれば、微力でも何かお手伝いしたいという思いがありました。2012年は仙台ハイランドで全日本戦が開催されることになりましたが、震災で大きな被害を受けたハイランドに僕たちが行って戦うことで、ハイランドや東北のモータースポーツが元気になっているということを伝えられれば良いな、と思っています。また、ナンバー付のクルマであればこちらから被災地に出向いて子供たちと触れ合ったり、参戦と合わせてボランティア活動をしていったりと、何かそういった活動を継続していければ良いですよね」

シリーズ後半の連勝で、来季に向けた弾みもついたキュウテン選手。2012年、そしてこれからの活動についてお聞きした。

「来年も、今年と同じようにやっていきたいですね。ただ、自分もこの歳になって中間管理職になると、活動に時間的な制約が生じてくる可能性もあるんです。今はとても理解ある上司に恵まれていますが、この先は仕事の関係で金曜日や土曜日から会場に入ることが出来なくて、時には決勝ブッツケ本番ということがあるかもしれません。
でも、それはそれで言い訳無しで、決して引退という方向ではなく、やれる範囲で走れるうちは極力走っていきたいと思っています。何らかの形で、アマチュアの美徳としてジムカーナやモータースポーツには関わっていきたいですね」
 
8つのクラスを制して今年も強さを見せたADVAN。ADVAN A050、ADVAN NEOVA AD08、そしてADVANスリックというラインナップで、それぞれに優れたポテンシャルを見せた一年となった。
横浜ゴムでジムカーナを担当しているエンジニアが、MST開発部・技術開発2グループの三戸有資。最終戦を終えて、この一年について振り返ってもらった。

「今年は未曾有の大震災が3月に発生して、沈んだ気持ちの中でシーズンインを迎えることになりました。震災の影響で当初予定されていた鈴鹿での第1戦が中止となり、開催数が減ったこともあって取りこぼしの出来ないシーズンとなりました。
そんな中で、全日本ジムカーナの競争は年々激しさを増していますし、マシンのセットアップやドライビングで詰めて行ける部分についても、ある程度は煮詰まってきている感があると思います。それだけにタイヤに求められることが増えてきているので、色々なシチュエーションに対応出来る幅広いポテンシャルが、より顕著に求められているという実感がありますね」

ジムカーナに限った話ではないが、モータースポーツにおける"進化"のスピードは想像以上に早い。新しい車種の登場はもちろん、既存の車種でもドライバーやチームがノウハウを注ぎ込むことで絶え間なく速さには磨きがかけられ、タイヤもその走りをしっかり受け止めるポテンシャルが常に求められる。

2009年に7クラス、2010年は6クラス、そして今年は8クラスを制したADVAN。この結果について三戸は次のように語る。

「8つのクラスを制したことで、ADVAN A050とADVAN NEOVA AD08、そしてADVANスリックと、それぞれの持つ高い実力を見せることが出来ました。
ただ、今年は本当に勝つためのノウハウというか、これまでの常識が通用しない厳しい一年だったことも事実。決して来年も簡単に勝てるとは思っていませんから、さらに上を目指していかなければならないと気持ちを引き締めているところです。
モータースポーツの仕事は、成績が数字や順位として明快に現れますが、エンジニアとしてはとてもやり甲斐のあるものです。今年もADVANの強さを十二分にPR出来たのは、本当に選手のみなさんのお蔭だと感謝しています」


世界選手権からB級ライセンスによる参加型モータースポーツまで、国内外で幅広いモータースポーツ活動を展開している横浜ゴム。今年も多くの栄冠を勝ち取ったADVAN、その進化は留まることなく2012年に向けた第一歩を既に歩み始めている。
[UPDATE : 04.Nov.2011]
           
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