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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.109 News Index
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横浜ゴムは、1970年代よりこの過酷なニュルブルクリンク24時間レースにタイヤを供給し、数々の優勝を勝ち取ってきた。今年も多くの車両にタイヤを供給して4クラスで優勝を遂げることとなった。
今年の体制についてはPC・LT製品企画部 モータースポーツグループ・リーダーの関口和義が紹介する。

「レース開始以前に契約をしているだけで40台。決勝までにリクエストがあれば増える可能性もありますが、これでシェアは20%ほどと地元ヨーロッパのタイヤメーカーに次いで3位ぐらいになると思います。
サービス体制は地元の15名に日本人スタッフを入れた5名の計20名。うちエンジニアはイギリス人(アストン・マーティン担当)を含め4名ほど。サーキットに持ちこんだタイヤはトラック6台で3,500本ほどになります。ドライタイヤは構造違いで4種類、レインタイヤはコンパウンド違いで3種類です」

やはり参加台数の多さをはじめ、レース規模の大きさに改めて驚かされる。横浜ゴムがニュル24時間に参戦する意義については、

「ここで開発をすることであらゆるコンディションに対応することができ、SUPER GTへの方向性も見えやすくなります。ここで得られたデータはSUPER GT、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)といったカテゴリーに応用できますし、自動車メーカーにおさめている新車装着タイヤもここで開発をしているんです。
ニュル24時間の場合は、やはり長いレースができるという意味が大きいですね。タイヤばかりの情報だけではなく、車両とのマッチングやいろいろなシチュエーションがあるので奥が深いのです。目指しているのはオールラウンドなタイヤです」
 
 
一方、今年ニュルブルクリンクを舞台に戦われるVLN耐久レースシリーズに参戦して、奮戦しているMST開発部・技術開発1グループのエンジニア、斎藤宏之は現場の苦労について語る。

「VLNには開幕戦から24時間レース直前の第5戦までその都度現地入りしました。今年はこれまで一緒に戦ってきたブラックファルコンチームが車両をメルセデス・ベンツSLSに変更したということで、SLSに合うようなタイヤの開発を進めてきました。レースのたびに仕様を変えてライバルと同等それ以上に戦えるようにしてきました。
例えば当初280/680というサイズだったのですが、アンダーステアが強いというコメントがあったことから300/680サイズに変更して3月にフランスのポールリカールでシェイクダウン。そして直後のVLN開幕戦でクラス優勝ができました。ドライバーと共に順調にステップアップしていると感じています。

ニュルと日本で違うのは、『あのコーナーではこうだった、ああだった』という表現があまりないことです。コース全体を振り返ってざっくりとしたコメントが来ます。難しいやり方なのかもしれませんが、ベクトルが合えばレベルアップできるので問題はありません」

SP9-GT3クラスにメルセデス・ベンツSLSを3台、さらにVLNレギュラーのV5クラスに3台のBMW Z4で参戦するブラックファルコンについて、斎藤は続ける。

「ブラックファルコンと組むことでSLSの方向性が明確になりました。ドライバーのレベルもそこそこ高いしフィードバックも大きいですね。それが次のステップにつながりますし開発のサイクルを早めてくれます」

今年はブラックファルコンの22号車がSP9-GT3クラスで堂々の4位入賞。セミワークス体制で臨んだアストン・マーティンも2台のザガートがSP8クラス5位と6位に入賞し、ヴァンテージがSP10-GT4クラス5位となった他、4つのクラスで優勝を遂げている。

その優勝車は、SP10-GT10クラスの100号車・BMW M3 GT4、SP3クラスの170号車・ホンダS2000、V4クラスの218号車・メルセデス・ベンツC230、V5クラスの225号車・ブラックファルコンのBMW Z4で、V5クラスではADVANユーザーが1〜4位を独占した。
 
 
今年2年ぶりにアストン・マーティンのワークスチームからニュルブルクリンク24時間レースに参戦した、自動車ジャーナリストでありプロ・ドライバーの桂伸一選手に、今年のタイヤについて聞いてみた。

「アストンでニュルを走るのは2008、2009年に続いて3回目。2009年は他のタイヤだったんですけれど、途中でバーストしちゃうし散々な目に遭いました。ADVANの方が絶対いいのにと思っていたら、昨年ちゃんとADVANに戻していました(笑)。

今年はアストン・マーティンのワークスドライバーであるダレン・ヒューズ選手と一緒に6号車のヴァンテージ(エンジン排気量4,700cc)を走らせました。
ずっとクラス上位を走っていたんですが、レース後半に入った朝に他のドライバーがクラッシュをしてしまい、車両の移動や修復に3時間ほどを要してクラス5位。総合81位でしたが、ワークスカーの2台のザガートよりいい成績を収めることができました。

ニュルのコースはレース中に油が浮きだしたりして歩くのさえ危ないほど怖い路面になっていきますが、ヨコハマのタイヤはグリップの変化が少ないので、あの難しいコースでも安定して運転することができました。1回のスティントで1時間半ほどドライブしますが、自分の担当終盤になってもグリップダウンは少なく、すごく安心して運転することができました。品質の高さには本当に驚かされました。
あと昼前に暑くなってくる時間帯にも運転しましたが、路面温度がどんどん上がって来てもグリップには大きな変化もなく安定感が素晴らしいと感じました!」
[UPDATE : 29.Jul.2011]
       
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