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いよいよ7月14日(木)から16日(土)にかけての三日間にわたり開催されるIRC(インターコンチネンタル・ラリー・チャレンジ)の第6戦、アソーレス・ラウンド。
ADVANラリータイヤを装着したスバルWRX STI spec CのR4仕様車で、新井敏弘選手と奴田原文雄選手が揃い踏みの参戦を果たすことで大いに話題を呼んでいる一戦だ。

この戦いの舞台となるのが、ポルトガル領のアソーレス諸島。この地名を馴染み深いと感じる日本人は、正直なところ少数だろうと思われる。
ヨーロッパ大陸の西海岸から約1,000km、北米大陸からは約4,000km離れており、大小9つの島々から構成されているアソーレス諸島。周辺には他に目立った島も無く、“絶海の孤島”という表現すら当てはまりそうなロケーションである。
風光明媚なこの諸島、その中で最大の面積を誇り、首都のポンタ・デルガダがあるサンミゲル島にラリーステージが用意される。
歴史をひもといてみると、この島々が発見されたのは15世紀。1427年にポルトガル人が発見して、同国の植民地となった。世はまさに“大航海時代”、アソーレス発見から65年後の1492年にはコロンブスが北米大陸に上陸を果たした。
この時のコロンブスはスペイン王室の支援を受けての航海。ゆえに海外進出の覇権を争っていたポルトガルの支配下にあるアソーレス諸島を補給基地とすることが出来ず、航海がより困難なものになったとも伝えられている。

アソーレス諸島は大西洋の遠洋航海における補給基地として栄えた。交通の要所であると同時に防衛の面でも重要な島と位置づけられ、現在もテルセイラ島にはポルトガル海軍のみならず、アメリカ軍も基地を構えている。
そしてアメリカとヨーロッパの間という立地ゆえ、首脳会談などの舞台としてしばしば国際的なニュースの舞台にもなってきた。近年では2004年に対イラク問題を話し合うためにアメリカ、イギリス、スペインの三ヶ国首脳会談が行われたことが知られている。

そしてまたアソーレス諸島は、ヨーロッパと北米から多くの人々が訪れるリゾート・アイランドとしても人気だ。中でもラリーの舞台となるサンミゲル島は、「フルナスの谷」に代表される火山地形と湖が織りなす雄大な自然美、そして温泉などが人気を集めている。
港は大西洋横断航路の寄港地として栄え、さらにホエールウォッチングやフィッシングのベースとしてリゾート客でも大いに賑わいを見せている。
 
 
IRCの第6戦はアソーレス諸島のサンミゲル島で開催される。大会は2009年にIRCのカレンダーに加わり、シリーズ戦として行われるのは3回目を数える。
ちなみにIRCの一戦となって以降、'09年がクリス・ミーク選手組、'10年はブルノ・マガリャエス選手組と、それぞれプジョー207・S2000を駆るクルーが優勝を飾っている。

なお、IRCとしては3回目の開催になるラリー・アソーレスだが、大会そのものの歴史は古い。
第1回は今から46年前の1965年に開催され、フィアット1500を駆るルイス・トーステ・レゴ選手組が優勝。
日本勢は残念ながらドライバーやコ・ドライバーとしての優勝者はまだ出ていないが、日本車が既に何度も表彰台に登っている。その先駆者となったのが1986年のジョージ・オルティガン選手組によるトヨタ・カローラGTでの優勝。また、スバル勢はインプレッサが1999年から3年連続で優勝を飾って強さを見せている。


今回のラリー、その走行距離は743.61km、17のSS(スペシャルステージ)が用意されて合計距離は205.09kmというアイテナリーが発表されている。現地時間の14日(木)・16時45分にSS1がスタート。この日の締めくくりとなるSS3は2台が並走するコースを同時に走るSSS(スーパー・スペシャル・ステージ)として行われる。
ステージは変化に富んだ設定で、幅の狭いコーナーの連続する道が多いものの、中にはSS10(REMEDIOS / AGUA DE PAU・7.15km)のように比較的直線主体でハイスピードなものも用意されている。

路面についてはグラベル(非舗装路)ステージとなるが、奴田原文雄選手は「アソーレスは火山島なので、火山灰を含んだ土壌ではないかと予想します。これは特に雨が降ると滑りやすいので注意が必要。おそらくイメージとしては日本でいえば北海道の道に似ているのではないでしょうか」と語っている。
北海道に似ている、というのは事実のようで、'10年のWRC(FIA世界ラリー選手権)「Rally JAPAN」に参戦したポルトガル出身のベルナルド・ソウザ選手は、「この道(Rally JAPANのステージ)は、IRCにあるアソーレスのコースにとても似ている」と記者会見でコメントした。

ちなみにこのラリーの正式名称は「SATA RALLYE ACORES(サタ・ラリー・アソーレス)」。SATAとはポンタ・デルガタに拠点を置く航空会社を中心とした企業グループで、航空路をポルトガル本土やヨーロッパ各国はもちろん、北米との間にも開設している。このアソーレスを代表する企業グループがメインスポンサーとして大会を支えている。
[UPDATE : 8.Jul.2011]
         
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