車両の仕様を定めている技術規則(テクニカル・レギュレーション)の中で、最も重要な部分を占めるエンジン。
F3では連続した12ヶ月の間に2500基以上生産された、量産エンジンでなくてはならず、排気量の上限は2,000cc。吸気制限が行われ、吸気口の先端にリストリクターと呼ばれるリングの装着が義務づけられている。
その直径は、わずか26mmなのでエンジンが燃焼に必要とする空気の絶対量を満たせず、簡単に言えば“窒息状態”に近い状態にあると言える。その結果、最大出力は210馬力程度に抑えられることになり、参戦コストの高騰を防ぎつつ、イコールコンディションを保つことも出来ているのだ。
現在、全日本F3選手権では『トヨタ』、『ニッサン』のエンジンのみが用いられているが、昨年までは『ホンダ』も使用され、また海外では『フォルクスワーゲン』、『メルセデス』が主流となっている。
これに組み合わされるトランスミッションは、6速シーケンシャルの使用が許されている。
シャシーに関しては、全日本F3選手権に限らず、世界的にF3はイタリアのダラーラ製によるワンメイク状態にある。もちろん少数派のシャシーを用いるユーザーも海外のシリーズにはいるが、ダラーラのクオリティが突出しており、淘汰してしまった格好である。
コストの高騰を防ぐため、シャシーはモノコックを含む基本設計を変えることが禁じられ、原則として3年間と期間が定められていたが、現在は延長中。ただし、アップデートキットの装着で、改良を施すことは許されている。なお、最低重量は550kgと、F1より55kg軽い。
モノコックはもちろん、カーボンコンポジット構造で高い剛性、そして高い安全性を備え持つ。
空力的な規制としては、フロア中央に段がつくステップドフロアであることと、リヤウィングのフラップ形状がすべて共通であること。ただし、デュフューザーの装着は自由である。