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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.106 News Index
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F3ことフォーミュラ3は、その名称が示すとおり、F1を頂点とするフォーミュラカー・レースのピラミッドの中で、3番目に位置するカテゴリーだ。言うまでもなく、その間には日本のフォーミュラ・ニッポンや、2005年からインターナショナルF3000に替えて発足したGP2シリーズが存在している。

スタンスとしては、プロフェッショナル・ドライバーへの最終関門といったところ。
AF4(フォーミュラ4)やFCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)など、ステップアップカテゴリーで結果を残してきたドライバーがF3の出場を許され、さらに上を目指そうとするなら、このF3でより確固とした結果を残さなくてはならないからだ。
つまり、若手のドライバーにとっては、将来の飛躍に向けた扉をこのF3で開くことが出来るか否か、重要なカテゴリーという位置づけになる。

その全体像をイメージしたのが、次のピラミッド。
F1を最高峰としたフォーミュラ・レースのヒエラルキーにおいて、今年からヨコハマタイヤがワンメイクタイヤサプライヤーをつとめることとなった全日本F3選手権をはじめ、日本国内ではF4やSuper-FJ、ジュニアカート・FP-Jr.Cadets部門と、幅広いカテゴリーがADVANレーシングタイヤのワンメイクで開催されている。
 
ところで、F3は世界各地にシリーズが設けられているが、それらのすべてが共通のレギュレーションで争われているのが最大の特徴である。

その象徴的な大会と言えるのが、毎年11月に開催される『マカオ・グランプリ』。この大会は1983年からF3で競われるようになったが、その初年度から28年間にわたってヨコハマタイヤがワンメイクサプライヤーをつとめ、ADVANレーシングタイヤの供給を続けてきている。
マカオには、日本をはじめ各シリーズを戦ってきた強者たちが、自らのマシンに改造を施すことなく出場して激戦を繰り広げることから、“F3使い・世界一決定戦”の意味合いを持つレースとして世界中の注目を集めている。

そして2011年、ヨコハマタイヤのADVANレーシングタイヤが全日本F3選手権のワンメイクコントロールタイヤとなった。
全日本F3選手権は1988年からタイヤをワンメイクとしてきたが、ヨコハマタイヤがオフィシャルサプライヤーを担うのは今回が初めてのことである。
しかし歴史を遡ると、ワンメイクではなかった1987年までは、ヨコハマタイヤも全日本F3選手権にタイヤを供給を行っていた。そして、1984年には兵頭秀二によって、シリーズチャンピオンを獲得した経験も持っている。
 
車両の仕様を定めている技術規則(テクニカル・レギュレーション)の中で、最も重要な部分を占めるエンジン。
F3では連続した12ヶ月の間に2500基以上生産された、量産エンジンでなくてはならず、排気量の上限は2,000cc。吸気制限が行われ、吸気口の先端にリストリクターと呼ばれるリングの装着が義務づけられている。

その直径は、わずか26mmなのでエンジンが燃焼に必要とする空気の絶対量を満たせず、簡単に言えば“窒息状態”に近い状態にあると言える。その結果、最大出力は210馬力程度に抑えられることになり、参戦コストの高騰を防ぎつつ、イコールコンディションを保つことも出来ているのだ。

現在、全日本F3選手権では『トヨタ』、『ニッサン』のエンジンのみが用いられているが、昨年までは『ホンダ』も使用され、また海外では『フォルクスワーゲン』、『メルセデス』が主流となっている。
これに組み合わされるトランスミッションは、6速シーケンシャルの使用が許されている。

シャシーに関しては、全日本F3選手権に限らず、世界的にF3はイタリアのダラーラ製によるワンメイク状態にある。もちろん少数派のシャシーを用いるユーザーも海外のシリーズにはいるが、ダラーラのクオリティが突出しており、淘汰してしまった格好である。

コストの高騰を防ぐため、シャシーはモノコックを含む基本設計を変えることが禁じられ、原則として3年間と期間が定められていたが、現在は延長中。ただし、アップデートキットの装着で、改良を施すことは許されている。なお、最低重量は550kgと、F1より55kg軽い。

モノコックはもちろん、カーボンコンポジット構造で高い剛性、そして高い安全性を備え持つ。
空力的な規制としては、フロア中央に段がつくステップドフロアであることと、リヤウィングのフラップ形状がすべて共通であること。ただし、デュフューザーの装着は自由である。
 
全日本F3選手権のスタートは、1979年。したがって、既に30年以上の歴史を誇る伝統あるシリーズだ。
フォーミュラのみならず、日本でこれだけ長い歴史を誇るレースは他になく、そのことは世界共通のレギュレーションで争われ、かつ軸がぶれなかったからであるのは間違いない。

2008年から全日本F3選手権には、Nクラス(ナショナルクラス)が設けられている。これは2005〜2007年に製作された旧型シャシーを用い、エンジンは1世代前の『トヨタ3S-GE』のワンメイクとするもの。
もちろん、狙いとするのはより一層のコスト抑制だ。そのため、エンジンはライフ重視で改造され、ダンパーやブレーキ、アップデートキットの装着にも規制が設けられている。

なお、従来どおりのクラスはCクラス(チャンピオンクラス)として、2008年製以降のシャシーを用い、エンジンも『トヨタ1AZ-FE』と『ニッサンSR20VE』を使用する。

レースの開催フォーマットは、『1イベント/2レース』が主流ながら、2011年から『1イベント/3レース』も可能となり、第2大会・富士スピードウェイと第6大会・スポーツランドSUGOで実施されることとなった。
この他の舞台は鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎで、6大会・全16戦によって争われる予定となっている。

>> 2011年の全日本F3選手権・開催カレンダーはこちら
[UPDATE : 27.May.2011]
         
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