■荒川 淳 (横浜ゴム・MST開発部 技術開発1グループ リーダー)
「今年はGT500クラスでは3年ぶりに2台にタイヤを供給することになりました。参加車両が増えるということは収集データも増えるわけで、開発のペースも上げられると期待していますしありがたいです。
GT-RとSC430、クルマは異なりますからクルマに合わせてタイヤのマイナーチェンジはありますが、基本的な方向性は同じですね。
台数が増えたことでGT500のスタッフも若干増えました。台数が増えたということは勝つチャンスが増えるということですが、チームによって作戦の違いがありますね。
KONDO RACINGは慎重派、RP BANDOHはチャレンジャーですから勝負優先。春のテストがほとんどできなかったので戦略はこれからという感じでしょうか。
今後は国内の合同タイヤテストが数回予定されています。これまでのテストがなかなかできなかったので、タイヤ開発や選択の難しいやっかいなシーズンになると思いますが、それはチャンスだと受け止めています。開発のコンセプトは変わっていませんし着実にシェイプアップして来れています。
これまで年に1回しか優勝できていませんから、それを2回以上に増やしチャンピオン争いに残れるようなタイヤを作っていきたいです。開幕戦ではチームによって運不運もありましたが、雨のデータもしっかり取れましたし、パフォーマンスも良かったと思います。
GT500での目標はやはりチャンピオン。GT300とでダブルタイトルを獲りたいですね。そして個人的には近い将来には『Red
in Black』のADVANカラーをまとうGT500マシンを見てみたい気がします」