2008年に公開された映画「エスエス -SS-」。ラリーを題材としたこの作品への出演をきっかけに、自らもラリードライバーとしての活動を開始した、俳優の哀川翔選手。
映画でも使われたフォード・フィエスタSTを駆り、2008年のRally JAPANをはじめ、全日本ラリー選手権やパイクスピークスなどへの出場を重ねるとともに、出演したテレビ番組などでもラリーの魅力を大いに語り、今では俳優とラリードライバーという二つの顔を持つことで広く知られています。
2年ぶりの参戦となった今回のRally JAPAN。惜しくもトラブルにより目標としていた完全完走は果たせなかったものの、スーパーラリーでの再出走で三日間を走りきり、最終日には多くのファンが待つセレモニアルフィニッシュを迎えました。
−今回のRally JAPANをふり返ってどんな戦いでしたか?
哀川選手 :
「トラブルはありましたが、自分なりにはとても充実した戦いでした。路面が悪い割りには良く走ってきたな、という感じがしますね」
−2年前のRally JAPANから今回までで自分の成長を感じる部分は?
哀川選手 :
「自分では判らないのですが、なんというか"あるモード"に入ると身体が勝手に車を走らせているようなところがあるみたいですね。本来ならそれが頭で理解出来て、身体が反応した結果なら良いのですが、正直なところまだ頭はついていっていないんですよ(笑)。
ただ、コ・ドライバーの安東選手から指示を受けて、それに対して身体が反応することが、ある程度は出来ていると思います」
−前回のRally JAPANより走っていて楽しいですか?
哀川選手 :
「楽しいというか、変な固さが無いというか。自分でも分かるのですが、いつも前半は固いんですよ。力がはいちゃっているな、って。特に30kmを超えるような距離の長いステージではそうで、10kmを過ぎたあたりから良い感じに走れるんですよ」
−特に注意したステージなどはありましたか?
哀川選手 :
「NAEKAWA(17.86km)はかなり危ないので気をつけました。危ないポイントがたくさんあって、ミスすると落ちちゃう。今回のラリー中には片側の2輪が浮いちゃうような場面もあって、ヒヤリとした場面もありました」
−怖いからラリーをやめよう、と思うようなことは?
哀川選手 :
「自分的には、一回転がったりすれば、ひとつそれも自信になるのではないかと思っています。でも色々なことを考えるとクラッシュはやってはいけない。
ラリーを初めて今年で3年経ちました。スタートが40代後半からで、自分も来年は50歳。そこでラリーというものに新たなチャレンジを始めたことを考えると、やはりまずテーマとなるのは完走。完走をテーマにしてれば速くなるのは当然として、そこから先どうするのか?ということも出てきます。
今の目標は完全完走。今回も残念ながらトラブルが出てしまって成し得なかったのですが、今の自分にとっては完全完走をしっかり果たすために、まだまだチャレンジを続けていきます」