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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.95 News Index
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競技会の現場で各チームへと引き渡されたレーシングタイヤ。
いよいよ戦いに臨むレーシングタイヤは、ドライバーはもちろん、マシンとのセッティングなどを詰めていくチームのエンジニア、そしてピット作業でタイヤ交換を行ったりタイヤの管理全般を行うタイヤ担当メカニックなどによって、持てるパフォーマンスを最大限に引き出されていきます。

このコーナーではSUPER GTをADVANとともに戦うチームから、ドライバーやエンジニア、タイヤ担当メカニックのみなさんにお話しをお聞きしました。またADVANの開発エンジニアからは、SUPER GTならではのマーキングタイヤ制度を解説します。
 
■SAMURAI Team TSUCHIYA・土屋武士 選手

僕は生まれた時からADVANが身の周りにあるような、例えば和田孝夫選手の乗っていた、アドバンTS B110サニーが庭に置いてあるような環境で育ったので、『ADVAN』というのは僕にとって『日常』のなかにある一つなのです。

今シーズンのSUPER GTにはポルシェ997で参戦しているのですが、ポルシェはリヤにエンジンがあるリヤ駆動なので、タイヤにとって難しいクルマなんですよ。特にSUPER GTはタイヤに対しての要求がとても高いカテゴリーなので、そういう意味でも凄く負担がかかる部分なんですが、僕らにとっての開幕戦となった第3戦富士では予選で2位に入ったり、決勝でトップを走ったりと、ポテンシャルの高さを感じました。

その後も、テスト走行がほとんどできない中で、タイヤ開発陣と細かいディスカッションをして進めてきたタイヤがSUGOラウンドでは完璧なパフォーマンスを見せてくれたし、鈴鹿700kmでもトップグループを走ることができました。特に鈴鹿サーキットはタイヤにとって負担がかかるコースですから、そこでトップ争いができたっていうことでも、技術陣、開発陣のレベルの高さを感じましたし、ユーザーとして安心感もありました。

僕はタイヤの開発に関してはすごく細かくてうるさいんです。GT500にいたときも、それ以前にGT300にいた頃も、「えっ、こんな細かいことまで?!」っていうことをバンバン言ってきたと思います。
でもADVANはそれに応えてくれたし、それに対して僕は結果で応えてきました。時にはけんか腰になることもありますが、勝ちたいがために一生懸命やってるんだっていう部分をしっかり受け止めてもらえている、そういうレースが一緒にできて、僕は本当に幸せです。

タイヤはどのクルマにも当然装着されているものですけれど、車種やサイズによって、本当に全然“もの”が違います。僕たちがレースを戦うことで積み重ねてきた結果が、一般車にフィードバックされる。ADVANの技術陣はそういったあくなき挑戦を常に続けているということ、僕が保証しますので、ぜひそれを感じ取って、皆さんのカーライフにつなげてほしいなと思います。

■RACING PROJECT BANDOH・織戸 学 選手

レーシングタイヤって、皆さんが知っている以上にナマモノなんです。お寿司でいうネタみたいなもの。それぞれのコースや、レース時の気温、状況にあったタイヤを、ADVANの開発者はそれまでのデータをもとに考え抜いて、作ってきてくれるんです。それは本当に、ナマモノというよりも、「生きているもの」っていう感じかな。非常に素晴らしいタイヤを、いつも用意してくれます。

開発陣の皆さんは本当に情熱がありますよね。ADVANスピリットを昔から継承している人が今も一緒に戦っている。ADVANの皆さんのことをどう表現しようって考えた時、「頼もしい」っていう表現がピッタリきます。

いつも素晴らしいタイヤを作ってくれる皆さんにも、さらにそのタイヤをサーキットでサポートしてくれるサービスの皆さんにも、感謝の気持ちしかありません。

今シーズン、僕たちはディフェンディングチャンピオンとしてSUPER GTを戦っていますが、悔しいけれどあまり結果を出せていない。
だけど、各チームのポテンシャルはすごく上がって接戦になっているから、僕たちも当然狙うけれども、もし僕たちが獲れなかったとしても、ADVANのユーザーチームどこかにチャンピオンを獲ってもらいたいですね。
 
 
■R&D SPORT・澤田 稔 さん

ADVANというのは、幅広く対応できているタイヤだと思っています。

これだけの数、これだけの車種にタイヤを提供しているにも関わらず、どのクルマにも適したものを持っている。すごくいいタイムが出るけど、このクルマでなければ出ないということではなく、このクルマでもここまで行ける、他のクルマが履いてみてもここまで行けるというレンジの広さはさすがですね。
エンジニアが思った通りのタイムが出たり、クルマの動きになるということを考えても、とても扱いやすいタイヤです。

うちは、昨年AWD(全輪駆動)だったレガシィをFR(後輪駆動)に変更して今シーズン臨んでいますが、今のところセッティングに大きな違いは出ていません。それは、どちらのタイプのマシンにも対応できるタイヤを、ADVANが作ってくれているということなんですよ。

■JLOC・宮田雅史 さん

ADVANからは、常に安定して同じものを得られるので、エンジニアとしてはすごく使いやすいタイヤです。
同じタイヤを履けるのでセッティングも出しやすく、また3台違うセッティングにした場合その違いも明確に出ますから、純粋にクルマの比較ができます。

もちろん、同じ仕様のタイヤを履いていて、全く違う結果を3台が出すこともありますよ。ガッカリすることもあるけれど、クルマのどこに違いがあるのか、そこで不具合を見つけられることもあります。

ランボルギーニは重量配分的に後ろが重いので、リヤタイヤがタレやすいのです。それに、タイヤの構造の差は出やすいなと感じますね。
それだけシビアなランボルギーニを速く走らせることができるのは、タイヤの性能の良さを表していると思います。
 
 
■横浜ゴム モータースポーツ部 技術開発1グループ・石黒禎之

まずはレースウィークまでに、チームとミーティングを重ねてレース用のマーキングタイヤを選定します。どういう方向で行くかはチームとの相談によりますが、ベースは僕が決めることが多いですね。チームとの相談で選定が終わると最終の準備リストを作成し、サービス隊長にメールで送付します。

『どういうタイヤを何セット持って行って、マーキングタイヤはこの6セットになります』というリストをチームに送ってからサーキットに入ります。タイヤとホイールの組み込み作業が金曜日から始まりますので、金曜日から僕もサーキットに入ります。

レースの公式セッションで使用を認められているマーキングタイヤというのは最大で6セット用意できるのですが、その中から、土曜日の公式練習終了後に、ニュータイヤの状態で1セットを返却しなければならないルールになっています。

最初からマーキングタイヤは5セットだけ用意すれば、返却の手間も省けるように思えますが、持ち込んだ数種類の仕様の中から最終的にレースで使うタイヤを決める場合、5セットしか用意していないとリスクが高いのです。
 
 
例) A仕様のタイヤ3セットとB仕様のタイヤ3セットを用意した場合
公式練習の間に、仕様Aを1セット、仕様Bを1セット使い、感触を比べる。
「仕様Aの方が、今回の予選とレースに適している」と判断した場合、仕様Bを1セット返却し、残っている2セットの仕様Aタイヤを予選とレースに使用できる。
例) A仕様のタイヤ2セットとB仕様のタイヤ3セットを用意した場合
公式練習の間に、仕様Aを1セット、仕様Bを1セット使い、感触を比べる。
「仕様Aの方が、今回の予選とレースに適している」と判断した場合、予選には仕様Aのタイヤを新品で投入できるが、レース用の仕様A新品タイヤは残っていない。

※SL予選(スーパーラップ)やノックダウン予選3回目に出場した車両は、その走行タイヤがレースのスタートタイヤとなります。
 
 
公式練習が終わった時点でどちらのタイヤがいいか選別できるように、マーキングタイヤは最大6セットとなっています。必ずしも公式練習で比較するタイヤは2種類とは限りませんが、1チームがサーキットに持ち込めるタイヤ数もドライ用9セット(ウェット用はドライ用+1セット)に制限されているうえ、公式練習時間も短いですから、多くても3種類ほどしか比べることはできないですね。
 
 
■ハセミモータースポーツ・村上邦男 さん

これまでイベントの時やテストの時にタイヤ交換の練習をしていましたが、実際にレース本番でやり始めたのは今年が初めてです。
それまではGT-Rで練習をしていたので、今年ハセミで、フェアレディZを扱うことになって、ギャップは大きかったですね。今までの練習では通用しないこと、ホイールやナット、インパクトレンチのソケットなど、違う部分がたくさんありました。

練習では、タイヤ交換1本を4秒ぐらいで行えますが、本番では間違いの無いように余裕を持たせ、5秒ぐらいで交換しています。エアジャッキでマシンを浮かすとき、Zは後ろから浮き上がるようになっているので、まずはリヤタイヤの交換、それから給油をしている間に移動し、給油が終わってからフロントタイヤを交換します。
僕は右側担当ですが、左側を担当しているのは大先輩なので、後れを取らないように頑張っています。

タイヤ交換は、メカニックが唯一レースのポジションに貢献できる場所なので、是非僕たちの頑張りを見てほしいと思います。

■雨宮レーシング・長田圭司 さん

タイヤメカニックを始めて7〜8年になります。タイヤサービスからタイヤを受け取り、走行前には内圧調整なども行っています。
タイヤ交換は左側担当です。うちのチームはタイヤの無交換作戦をとることも多いので、タイヤ交換をしないレースも出てきます。なんとなく、『仕事しなかったなぁ』という気分になりますね(苦笑)。やりたかったなぁという思いがないわけではありませんが、それで結果が良ければ、一番嬉しいです。

うちは他のチームと違い、工具が少し古くて使い方にコツが必要なのです。昔は、ナットが噛んでしまったり、ポーンと飛んで行ってしまったりで、焦ることが多かったですね。
RX-7は、まずマシンがエアジャッキで持ち上げられるとフロントタイヤを交換します。そして給油、リヤタイヤの交換ですね。
1本のタイヤを交換するのに、6秒台を出すのが目標です。もちろん、右側担当よりも速くやってやろうという気持ちはありますが、それで焦ってミスをしては元も子もないですからね。今は、自分のペースを崩さないようにと思っています。

チームによって、工具や交換の仕方にも違いがありますから、そういった細かいところも、サーキットでは見てほしいですね。
 
 
 
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