YOKOHAMAのホイールブースでは、今年発売予定の新作を装着した2台の展示車両が来場された皆さんの目を惹く存在となっていた。
ポルシェとシルビア、2台のスポーツモデルが装着するのは、それぞれADVANの名を冠したホイール。
横浜ゴムでアルミホイールをプロデュースしているのは、自らもレーシングドライバーとして活躍、往年のグループAにR32型スカイラインGT-Rで参戦して優勝した経験も持つ、萩原修。
コンセプトワークからデザイン、製造品質の確保など、ユーザーの手元に高いクオリティとセンスを届けるべく、妥協を許さないスペシャリストだ。
自らを"クルマ好きの極致にある"と称する萩原は、今回出展したそれぞれの新商品についてコンセプトなどを次のように説明した。
■ADVAN Racing RZ-DF × Porsche 911 GT3 RS
ポルシェはPCDが130mmと大きな値で、これをターゲットとする商品開発は難しいものがあります。デザイン的にはホールの"股"にあたる部分を食い込ませることが出来なくなり、足の短いホイールしか作れなくなってしまうのです。
そのためポルシェはアルミホイールの選択肢が限られてしまい、その点を不満に思っているユーザーさんは少なくありません。
そこで今回はポルシェユーザーさんに"欲しい"と思っていただける商品として、このADVAN
Racing RZ-DFを開発しました。
ADVAN Racingブランドとしては初めての鍛造ホイールであり、軽さ・細さは今までご好評をいただいているこれまでのシリーズの良さを受け継いでおり、納得いただける出来ばえを実現しています。
自分としてはADVAN Racingというブランドは人気・実力ともに現時点で充分なものを持っていると思います。ここに鍛造の商品を投入するにあたって、従来と同じ車種をターゲットとするのは何か芸が無いような気がしました。そこで、ポルシェの格好よさを更に引き立てる存在として、ADVAN
Racingシリーズ初の鍛造ホイールが合致するのでは、という結論に達したのです。
ポルシェ向けというホイールは先程お話ししたPCDのことに加えて、テストしなければならない荷重値が物凄く高いのです。ポルシェ自体は軽い車ですが、PCDの130mmという数値に対してクリアしなればならない荷重値は114.3mmなどと比べると数十%高いところに設定されているのです。
その値をクリアしつつ、デザインをスポイルさせられないという、二重の苦しみを超えて生み出したのがこの「ADVAN
Racing RZ-DF」です。
今回のオートサロンでもポルシェユーザーの方から「こんなホイールを待っていた」と仰っていただきました。5月の発売を予定していますので、全国のポルシェユーザーの皆さん、ぜひご期待ください。
■ADVAN Racing RG-D × Silvia(S15)
実はADVAN Racing RS-Dを造るときに、"双子"の関係でこの「RG-D」の企画も描いていたのです。そこで、まずはディープリムで20インチまでのラインナップを持つRS-Dを先行して市場に投入していたのですが、あれから一年を経てより"走り"に振った17インチから19インチのラインナップとしている「RG-D」を、今回満を持して投入することになりました。
今回のオートサロンには試作品を展示していますが、実は市販品では少し変えようと思っている箇所があります。それは試作品ではリムの一部を光輝タイプとしているのですが、市販品ではマット仕上げにしようと思っています。
RS-Dと比べてスポーク本数も少なく、より"硬派なスポーツ感"を持っているRG-Dに対しては質実剛健さを打ち出していこうかと。
人気のRS-DとRG-Dでは、少しきらびやかなRS-Dと、無骨な感じのRG-Dといった感じの違いになるでしょうか。
ブースを訪れたお客さまも、ご自身のカーライフスタイルなどによってRS-DとRG-Dを見比べて「こっちがいい、いやあっちの方がいい」と話題にしてくださっていました。こちらも2010年5月に発売開始予定なので、お楽しみに!
【LINK >> 「YOKOHAMAが贈るアルミホイールの世界」 (2007年掲載)】