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WTCC Race of JAPAN 記者発表会を開催! WTCCの魅力と面白さの理由を検証! 3人の日本人選手がWTCC岡山に参戦!
ADVANエンジニアと織戸選手が語る! ドライバーを知ればWTCCはより面白い! 岡山からの直前情報&周辺観光ガイド!
開催まで三週間ほどとなった「FIA WTCC Race of JAPAN」。
昨年に続いて二度目の日本上陸となる世界最高峰のツーリングカーレースに、今年は3人の日本人ドライバーが参戦することとなりました。
 
そのうちSUPRE GTなどで活躍する荒聖治選手と谷口信輝選手が東京都内で行なわれた記者会見で、大舞台への挑戦を控えた現在の心境や意気込みについて語りました。
 
今季のSUPER GT開幕戦を制した荒選手は、YOKOHAMAインディペンデントトロフィークラスのウィッチャース・スポーツからBMW320siで参戦。

 
「まず、WTCC参戦のチャンスを与えてくれた皆さんに感謝しています。
ドライバーとして国際レースではF3以来となる久しぶりのスプリントレース。短い時間の中で、車やタイヤのパフォーマンスをフルに発揮させたいと思います。
今は高いモチベーションの中でレースを出来ることが楽しみですね。」
と所信を力強く表明。

GT300で今季は第7戦までで4回の表彰台を獲得している谷口信輝選手。
こちらはYOKOHAMAインディペンデントトロフィークラスのスクーデリア・プロチームからの参戦、マシンは荒選手と同じくBMW320siです。

 
「今の心境は、荒選手と同じということで(笑)。
いや、本当に世界選手権に出られるチャンスをくれた皆さんには感謝しています。
世界最高峰の"ハコ"のレースで、自分がどのくらい走れるのか?日本人代表として、サバイバルなレースをしっかり生き残って結果を残したいですね。」
こちらも初めてのWTCC参戦に向けて、まずは荒選手と同じく来るべきレース本番に向けての熱い思いを語ってくれました。
WTCCというレースの魅力については、これまでにもご紹介してきていますが、改めてドライバーから見たWTCCについてお聞きしてみましょう。

まず荒選手は、何よりも他のレースにはない"超接近戦"をWTCCの魅力の筆頭として挙げてくれました。

 
「周回数が少ないスプリントレースのWTCCですが、スタートから全力でいくレースという印象です。そのようなレースに出場するのは、本当に久しぶりですね。
自分はル・マン24時間などの耐久系レースに数多く参戦してきましたが、それらとは異なる接近戦、そしてバトルこそWTCCの魅力でしょう。」
 
一方の谷口選手は、WTCCならではの接近戦について猛勉強の最中だといいます。
「今、DVDを見てWTCCについて勉強中です。日本のレースではありえない接近戦は、見ていて『ペナルティにならないのか?』とか、『レース後にドライバー同士がケンカにならないのか?』と思うくらいに白熱していますね。
本番に臨む前には、チームに『ガンガン行ってもいいのか?』という点を確認しておきたいと思います(笑)。
DVDなどを見ている限りは、怯むとダメなレースという印象ですね。」
 
ドライバーの"闘争本能"をかき立てるWTCC。
「僕はもう『ガンガン行ってもいいか?』という点については確認を取りました。ある程度は自分自身の"やんちゃ"な部分を出していきたいと思っています。」
こう語る荒選手も、来るべきレース本番に向けて戦いのマインドは高まっているようです。
 
対して谷口選手は、昨年のWTCCに参戦した"先輩"からのアドバイスがあったことも披露。

「昨年WTCCに参戦した谷口行規選手から電話があり、『あんなに面白いレースはない。チームとのコミュニケーションをとって、走る環境を整えることが出来れば最高のレース』というメッセージをもらいました。
DVDを見ていると、多少つつかれながらコーナーに入っても上位の選手はスピンをしない。リカバリーのテクニックが凄くハイレベルなんでしょうね。
でも、やはり昨年WTCCに参戦した青木孝行選手からは『WTCCを経験すると、日本のレースでもついつい"WTCC走り"をしたくなるから気をつけて』というアドバイスももらいました(笑)。」
 
昨年の日本初上陸では、ドライバーをはじめとした日本のレース関係者にも衝撃を与えたWTCCのエキサイティングバトル。
世界舞台に真っ向勝負を挑む荒選手と谷口選手の口からは、戦いに向けての期待が次々と飛び出してきます。
WTCC初参戦に向けて力強く意気込みを語ってくれた荒、谷口の両選手ですが、実は一方で少し"もやもや"気持ちで過ごしているという現在の心境も披露してくれました。
なぜなら事前のテストなどが一切なく、自分たちが乗るマシンとの初対面もレースウィークに入ってから岡山でようやく叶うというスケジュールで戦いに臨まざるを得ないからなのです。
 
荒選手が現時点の状況を次のように説明してくれました。

「今はレーシングスーツやヘルメットなどを用意したりという、基本的な準備を進めているところです。FIA世界選手権なのでカーボン素材のヘルメットが義務づけられているなど、普段から使っているものとは異なる装備品を用意しなければなりません。」
 
谷口選手も同じように準備を進めつつ、WTCCに関する情報収集をしている最中なのだとか。
「レースウィークまで自分たちが乗る車に乗れるどころか、見る機会も無いのです。
さらにWTCCに関する情報も少ない。例えば第1レースのローリングスタートは、日本ならばスタートが切られてもコントロールラインを通過するまでは他車を追い越せません。ところがWTCCでは、どうもスタート合図と同時に追い越しているように見える。
昨年参戦した織戸選手に聞いてみると、後方集団はさっさと加速態勢に移って抜き合いが始まっているのだという。
ならば自分もそうしようと思うところですが、それでフライングスタートの反則をとられたりしたらガッカリですし。」
 
このような状況ゆえ、両選手ともに自分たちが乗る車についても把握しきれていない部分が多いといいます。
「今の時点で分かっているのは、FR(後輪駆動)のBMWで、タイヤはADVANが装着されていて・・・、ということくらい(笑)。もっともタイヤについてはWTCCのタイヤは走ったことがありませんが、普段から使っているADVANレーシングタイヤの"DNA"が入っているのですから不安は全くありません。」
と語ったのは谷口選手。

谷口選手の気持ちも代弁しつつ、荒選手は

「今はとにかく、早く走りたいですね。」
と、今の率直な心境を語ってくれました。
実際にWTCCマシンのステアリングを握られずにいる荒、谷口の両選手だが、先に語ってくれたように情報収集を進めるなど着々と来るべき戦いの本番に向けた準備を進めています。

両選手ともに昨年のWTCC岡山ラウンドは現地で観戦したということですが、果たして勝負どころはどこにあると考えているのでしょうか。
荒選手は、次のようにポイントを予想しました。


「スタート直後の1コーナーから、バックストレートエンドまでのブレーキング。ここまでが大きな勝負どころで、1周目を終えて良いポジションで生き残っていれば大丈夫だと思います。
果たして1周目を終えて生き残っているか、散ってしまっているか。今は全く想像がつきませんが(笑)。」
 
谷口選手も考えは同じようで、
「とにかく1周目、オープニングラップですね。
周回を重ねて隊列がある程度整えば、そこから先は経験も交えて勝負して行けます。
しかし最初の団子状態では、見えないところから"弾"が飛んでくる可能性があります。岡山に限らずWTCCではひとつのコーナーに何台もがなだれ込んで行きますが、自分が見えている範囲の外からライバルの車がぶつかってくる場合もありますね。さすがにこれは予想出来ないし、かわすのも至難の業ですね。」
 
昨年の岡山ラウンドも、やはりスタート直後の1コーナーやヘアピンでは激しいバトルが演じられ、その末にレースを終える結果となった選手もありました。
日本のレースではお目にかかれない超接近戦がWTCCの魅力。しかし、それは魅力であると同時にドライバーにとっては大きな罠が潜んでいることにもなるのです。
およそ3週間後となった「FIA WTCC Race of JAPAN」。
荒選手と谷口選手の活躍に期待はますます高まるところですが、日本人ドライバー同士のバトルも注目を集めるところです。

この点について谷口選手は、

「荒選手とはスーパー耐久でポルシェをともに駆るライバル同士として戦って以来の同車種対決。もう僕と荒選手の間にも、戦いの火花はバチバチ散っていますよ(笑)。」
と、やる気満々。

一方の荒選手については、谷口選手に加えてもう一人、注目のライバルが参戦を果たすことが決まりました。
そのドライバーこそ、SUPER GTでコンビを組んでいるJ-P・デ・オリベイラ選手。サンレッド・エンジニアリングから、ガソリンエンジン仕様のセアト・レオンを駆っての出場です。


「J-P(オリベイラ選手の愛称)も参戦するので、見ている人はより面白いのではないでしょうか。
電話では『お前には絶対負けない!』と言ってみたり、『俺もFR(後輪駆動)がいいから、車を換えてくれ』と言われてみたり、まるで子供みたいな会話をしていますが(笑)。」

日本人ドライバー同士の対決に加え、SUPER GTの相棒同士の対決と、見どころ満載の「FIA WTCC Race of JAPAN」。

最後にお二人に、この一戦での目標をお聞きしました。

まず荒選手は、

「WTCCでは第2レースでリバースグリッドが採用されています。以前、フォーミュラ・ニッポンで同様のリバースグリッドを活かして優勝を獲得したこともありました。規則も味方につけて表彰台を獲りたいですね。
とにかくWTCCは世界選手権というプライオリティの高いレース。その舞台で自分がどこまで行けるか全力でチャレンジします!」
と語ってくれました。

続いて谷口選手。

「目標は、YOKOHAMAインディペンデントトロフィーのトップに立つこと。もちろん理想をいえば総合のナンバーワンを獲りたいですね。
個人的には昨年のように雨が降るのも面白いかと思います。岡山のコースは雨が降ると走行ラインが変わってくるので、地元の有利さも活かせるかと。
でも、お客さんのことも考えれば、やはり良い天気の下で良いレースをして、皆さんに楽しんでいただきたいですね!」
 
既に観戦チケットの販売も始まり、日増しに注目が高まっている「FIA WTCC Race of JAPAN」。
世界最高峰のツーリングカーレースで、お馴染みの日本を代表するドライバーが活躍する姿を、ぜひサーキットでご覧になり応援してください!
「FIA WTCC Race of JAPAN」には、荒聖治選手と谷口信輝選手という初参戦組の日本人ドライバーのみならず、昨年の日本ラウンドにも参戦した加納政樹選手も出場します。

海外のレースで主にキャリアを積んでいる加納選手は、昨年に引き続きリキモリ・チーム・エングストラーからの参戦で、マシンは荒/谷口両選手と同じく現行モデルのBMW 320siです。

加納選手は先に速報をお伝えした在日フランス大使館で行なわれた発表会で、次のように語ってくれました。

「去年もWTCCを経験はしているので、雰囲気的なものは理解しています。
マシンも去年はアジアのツーリングカーシリーズを戦っていた旧型(E46)のBMWだったのが、今年は現行型(E90)のBMW320siになりました。
テスト走行も終えて好感触を得ています。新旧の違いとしてはエンジンの差異による動力性能面もありますが、それ以上にブレーキの性能が大きく向上しています。コーナーの突っ込み勝負ではかなり攻めて行けますね。

WTCCのピリピリ感は去年経験して慣れた部分もあるので、今年は車にしっかり慣れて良い戦いをしていきたいですね。

チームのボスであるフランツ・エングストラー氏とはテストの場でも会いましたが、選手として参戦するエングストラーさんとはチームオーダーなしの"ガチンコ勝負"をさせてもらえるので楽しみです(笑)。」
 
 
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