早いもので、今年もWTCC・日本戦ウィークがやって来た。ヨーロッパ&アフリカ、南北アメリカと各大陸を転戦してきたマシンは、前戦・アメリカを終了すると貨物機で空路日本へと運ばれてくる。ドライバーたちも中にはヨーロッパでの来季に向けたテストをはさんで、この週明けには続々と日本入りする運びとなっている。
前戦・アメリカではガブリエレ・タルクィーニ選手が今季2勝目を飾り、ティアゴ・モンテイロ選手やノルベルト・ミケリス選手も表彰台を獲得したことから、ホンダのマニュファクチャラータイトルが確定した。今年はマニュファクチャラー登録を行っているのがホンダとラーダのみという少々寂しい状態ではあったが、本格参戦初年度でのタイトル獲得は大きなニュース。鈴鹿は凱旋レースとなることから注目度が高く、伊沢拓也選手の参戦も話題を集めている。
なお、伊沢選手のマシンはレギュラーの3選手が駆るマシンとは、同じシビックでも概要が少々異なる。レギュラー選手の駆るマシンは2013年のWTCC参戦に向けて仕立てられたものであるのに対して、伊沢選手のマシンは昨年の鈴鹿でモンテイロ選手がデビューさせてマカオまでを戦った個体。このマシンはスカンジナビア・ツーリングカー選手権のホモロゲートに準じたものであり、よって3選手の駆る車両とは別個に扱われる。具体的には最低重量が異なり、日本ラウンドではレギュラー選手の車両が1,170kgであるのに対して、伊沢選手の車両は20kg軽い1,150kgと定められている。
さて、今シーズンで圧倒的な強さを見せている存在といえばシボレー。マニュファクチャラー登録はされていないものの、これまでの18戦で12勝を飾っている。そして、世界選手権のドライバーズタイトルに向けて独走状態にあるのが、RMLのイヴァン・ミューラー選手だ。アメリカ戦では第1レースを3位、第2レースは4位という戦績で、チャンピオン確定は日本戦以降に持ち越しとなった。現時点でアメリカを終えてランキング2番手に浮上したタルクィーニ選手との得点差は144。日本戦を終えて2番手との差が110点となれば、自身4回目のチャンピオン獲得となる。
しかし、である。
日本戦も岡山国際サーキット、そして鈴鹿サーキット・東コースと今回で6回目の開催を迎える。その勝者を一覧にして以下に掲載するが、これを見ると意外なことに気付かれるだろう。