■JAF GPにスポット参戦し驚きの速さを発揮
A・バンカム選手&L・オルドネス選手がヨコハマタイヤを語る
今回のJAF GPのGT300クラスで話題を集めたのが、「NISMO ATHLETE GT-R GT3」のアレックス・バンカム選手とルーカス・オルドネス選手。ヨコハマタイヤユーザーとして登場したふたりは、ともに富士では初レースながらも予選、決勝を通じて非常に強力なパフォーマンスを発揮してみせた。
鈴鹿1000kmにもスポット参戦、これがSUPER GTに2度目の参戦となるスペイン出身のオルドネス選手は、テレビゲームであるグランツーリスモを使った「GTアカデミー」出身の異色ドライバー。しかし、ヨーロッパを中心に経験を積み、既に多くのレースで実績を残している。
一方のバンカム選手は実績のあるイギリス人ドライバー。オルドネス選手とともに、ニスモグローバルドライバーエクスチェンジ プログラムの一環として今回、日本でのレース参戦のチャンスを手にすることとなった。
だが、このふたりは練習走行もないぶっつけ本番の予選で、いきなり好タイムを連発した上、決勝でも優勝争いに絡む激走を披露。レース1を走ったバンカム選手は、縁石をアグレッシブに攻めすぎたために優勝目前にタイヤを傷めてリタイア、オルドネス選手はレース2で2番手走行中にホイールが緩むトラブルで後退と、ともに結果は残せなかったが、日本のファンの前で鮮烈な速さを見せつけた。
SUPER GTでは今回がデビュー戦ながら、8月に富士でルーキーテストに参加。
「12周くらい走ったから、このサーキットのことはある程度知っていた。ただ、ここでニュータイヤを履くのは初めてだったんだ」というバンカム選手は、「決勝ではメルセデスを大きく引き離していたし、本当にあのままレース1をフィニッシュ出来ていれば最高だったんだけれど、残念ながらコース上の石か、縁石かでタイヤを傷つけてしまったらしいんだ。それで、左リヤのパンクチャーに襲われてしまった」と決勝での不運を悔しがったが、その一方で「ヨコハマタイヤのパフォーマンスは凄く良いね。ピークグリップがあるし、落ち込みもゆっくりとしているからコンスタントなラップが刻める。良いタイヤだと思うし、僕は好きだね」とヨコハマタイヤについて好印象を持ったという。
一方のオルドネス選手も「ヨコハマタイヤはこのクルマにとって凄く強みになっていると思う。ヨーロッパでは違うメーカーのタイヤを履いているけれど、このスーパーGTでのヨコハマタイヤとGT-Rのマッチングは素晴らしく、ハンドリングも良い。できれば決勝を想定してもう少し長い距離を走り込んでおきたかったけれど、予選でのパフォーマンスも良かったでしょう? ちょっと僕が限界を超えてしまって、(四輪脱輪のペナルティーで)2グリッド下げられてしまったけれど、タイム的には3番手だったからね。来年のタイヤ開発のためにもっとフィードバック出来たら良かったんだけれど(笑)」と、こちらも笑顔でヨコハマタイヤへの高評価を語った。
惜しくも2レースともに不運な結果となった「NISMO ATHLETE GT-R GT3」だが、パドックでのライバルチームからの評価も高く、バンカム選手とオルドネス選手の近い将来の再来日を期待したい。