全日本GT選手権を前身として、2005年からSUPER GTとして開催されているシリーズは、国内モータースポーツカテゴリーの中で屈指の観客動員数と人気を誇るカテゴリー。トップドライバー、最先端のテクノロジーが詰め込まれたマシン、そしてワンメイク化されていないタイヤについても激しい競争が展開されており、純粋に「競い合い」として楽しめる多いことが要因かと思われる。
レースとしては基本的に二人一組となって1台のマシンをリレーしてゴールを目指す(第2戦と第5戦は最大ドライバー3人登録可)。決勝は最短でオートポリス大会の250km、その他の国内大会は300kmを基本として、大型連休中の富士大会を500km、夏休み期間中の鈴鹿大会は1000kmと特に長距離の設定とされている。
このようにセミ耐久から耐久的な戦いとなるため、ドライバーやマシンの速さだけではなく、チーム全体の総合力が勝敗を分ける鍵となる。緻密な戦略、例えば給油やドライバー交代のためのピットインタイミングにはじまり、ピット作業ではタイヤ交換を行うのか否かなど、戦略のぶつかり合いを観ることも面白い。
一方で、2010年からシリーズ最終戦終了後に開催される「JAFグランプリ」の存在も忘れられない。こちらはシリーズ戦ではないが、いつもはコンビを組む2人のドライバーが、それぞれ別個のスプリントレースに挑むスタイル。まさにドライバーの実力を試される機会とあって、シリーズ戦以上に白熱した走りも披露されることがある。
2013年はシリーズ公式戦として、すっかりお馴染みになったマレーシア・セパン戦を含めた全8大会が行われる。これに加えて前述の「JAFグランプリ」、さらに新たな試みとして第2戦と第3戦の間に韓国でのエキシビジョン大会も催されるカレンダーとなった。
また、ドイツで人気の高いツーリングカーレースであるDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)と、2014年以降の車両規則統一化を図ることも既に発表されている。この統一化はGT500マシンとDTMマシンが対象となり、車体寸法やタイヤサイズ、モノコック、空力部品などを共通化。ただしエンジンはDTMがノンターボのV型8気筒・4,000ccであるのに対して、GT500は直列4気筒・2,000ccターボという相違点がある。
この共通規定に基づいて制作されたマシンは、SUPER GTとDTMの双方に出場できるため、日欧相互交流の推進やメーカーによるレーシングマシンの販売、さらに全体的なコストダウンなどの効果が期待されている。