シボレーが圧勝を飾った第19戦、史上初めてYOKOHAMAトロフィー勢による総合ワン・ツー・フィニッシュとなった第20戦。2回目の開催となった鈴鹿サーキット・東コースでの日本ラウンドは、パッシングポイントが少ないというコースの特徴を表し、予選順位が大きく決勝を左右する結果に終わった。
終盤戦を迎えたWTCCのカレンダーは、日本を皮切りにアジア・ラウンドを消化していく。日本から中一週をはさんで行われる第21&22戦の舞台は中国。昨年、初めてWTCCが上陸を果たした中国本土であるが、今年はF1も開催されている上海国際サーキットが舞台となる。
昨年の中国大会は、同じ上海でも全長2,063mの上海天馬サーキットで行われた。さすがにこのコースは日本で言う“ミニ・サーキット”という雰囲気の施設であり、コース幅も狭くWTCCが戦い場としては少々物足りなさが残ったのも偽らざるところ。これが、本格的な国際格式のメジャー・サーキットへと舞台を移すのだから、その戦いはWTCCらしいチャレンジングなものとなることは間違いないだろう。
シリーズ争いはシボレーのマニュファクチャラー勢、3人のドライバーに絞られている。日本ラウンドに同点トップで臨んだイヴァン・ミューラー選手とロブ・ハフ選手だったが、鈴鹿で勝利を挙げることは叶わず。それどころか、なんと日本を終えて再び同点で両者はトップに並ぶ展開となり、タイトルの行方は予断を許さない。
さらに昨年に続いて日本で優勝を飾ったアラン・メニュ選手にも逆転の可能性は残されており、シボレーのマニュファクチャラー参戦に一区切りがつけられる2012年シーズンは、最後の最後まで彼らが主役となって推移していくことになる。
また、YOKOHAMAトロフィー争いも、ランキングトップこそ守っているものの、ノルベルト・ミケリス選手が日本でいまひとつ奮わなかったこともあり、2番手のペペ・オリオラ選手らとの得点差が縮まる結果に。
こちらのタイトル争いは、得点システムが最終戦のマカオに大きな配点となっているため、いずれにしても最終戦まで持ち越されることは間違いないところだが、初開催となる上海国際サーキットでミケリス選手が巻き返すのか、それともオリオラ選手らがさらに逆襲を続けていくのかに注目だ。