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日程・レポート・結果表 2012年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
PREVIEW
前戦・ブラジル(クリティバ)からおよそ2ヶ月。恒例のサマーバケーションを終えたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のカレンダーは再び動き出し、初開催となるアメリカ大陸に上陸する。

まずブラジル戦と振り返ってみると、ここでもシボレーが2レースともに優勝を飾った。中でも第1レース(第15戦)は表彰台を独占して、ワークス体制として一区切りを打つことが決まった中で圧倒的な強さを見せつけた。
マニュファクチャラーランキング争いでは大きなリードを築き上げているシボレーだが、ドライバーランキング争いでも、チャンピオンの行方はシボレー・ワークスの三選手に絞られたかたちとなっている。287点を獲得しているイヴァン・ミューラー選手がトップを走るが、2番手のロブ・ハフ選手との点差は17と決して大きくない。3番手はアラン・メニュ選手はトップのミューラー選手と37点差があるが、2番手のハフ選手に対しては20点差なので、まだまだポジションアップを狙える位置につけている。

一方、YOKOHAMAトロフィーはポイント制度的に最終戦で大きな加点が行われることもあり、まだまだランキング争いは予断を許さない状況にある。そしてブラジルでは、それまでランキングトップに立っていた若手のペペ・オリオラ選手が2レースともに下位に沈み、ノルベルト・ミケリス選手は対照的に第1レースを4位、そして第2レースでは優勝を飾ったことから、トップの座が入れ替わった。

さて、優勝争いの行方を予想するのは決してやさしいことではないが、過去のデータから読み解くならば、以前にも記したように初開催コースで強さを見せてきているのがメニュ選手だ。
しかし、今シーズンは初開催コースでメニュ選手を上回る活躍を見せているのが、悲願のタイトル獲得に向けてミューラー選手を追っているハフ選手だ。スロバキアリンクとザルツブルグリンク、今季4大会ある初開催コースのうち、既に開催された2コースでともに優勝を飾ることに成功している。
また、ホットなニュースとして見逃せないのが、ハフ選手は去る8月にジャスミン夫人と結婚したばかり。"新婚パワー"も加わって、ハフ選手の勢いはますます加速することも予想されるだけに、ここではアメリカ戦の優勝候補、その筆頭として名を挙げておこう。
終盤の4大会、その皮切りとなるアメリカ戦はカリフォルニア州にあるソノマ・サーキットが舞台となる。NASCARやインディカーといったアメリカで人気のモータースポーツではお馴染みのコースであり、それぞれのカテゴリーに対応したコースレイアウトを設定できるという特徴がある。

今回はWTCCにとって初のアメリカ大陸開催となり、シボレーやフォードにとっては、参戦車種は欧州ディビジョンの主力という位置づけであるにせよ、故郷となるアメリカへの凱旋レースであることも事実。今も自動車大国であることに変わりないアメリカ、この地でのWTCC開催は関係者にとって長年の悲願であったとも言える。

そのため、アメリカ大会の成功に向けて、プロモーターのEUROSPORTでは積極的に事前のPRを展開。主力選手を事前に現地入りさせてプロモーションを行うなどしている。
EUROSPORTのマルチェロ・ロッティ氏は、
「北米でWTCCのイベントを実現させることは、我々にとって近年の重要な課題のひとつでした。アメリカは自動車の巨大な市場であり、長年にわたるモータースポーツの伝統を有する地でもあります。ソノマでWTCCを開催できる運びとなったことを、本当に嬉しく思っています」
と、レースウィークに入ってから行われた記者会見で語っている。

また、現地入りした選手たちもコースに満足している旨のコメントを口にしており、同時にソノマも激しい接戦の舞台となるであろうことを予想しているというコメントが聞かれた。
 
STANDINGS
 
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第16戦終了時点)】
順位 No. クラス ドライバー 車 両 ポイント
1 1 イヴァン・ミューラー シボレー・クルーズ 1.6T 287
2 2 ロブ・ハフ シボレー・クルーズ 1.6T 270
3 8 アラン・メニュ シボレー・クルーズ 1.6T 250
4 3 ガブリエレ・タルクィーニ セアト・レオン WTCC 162
5 15 トム・コロネル BMW 320TC 150
6 5 Y ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 118
7 74 Y ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 107
8 26 Y ステファノ・ディアステ BMW 320TC 84
9 25 Y メルディ・ベナニ BMW 320TC 47
10 18   ティアゴ・モンテイロ SR・レオン 1.6T 47
11 6 Y フランツ・エングストラー BMW 320TC 40
12 16 Y アルバート・セルキ BMW 320TC 37
13 11 Y アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 36
14 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 27
15 5 Y ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 20
16 20 Y ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 17
17 9 リカルド・リデル シボレー・クルーズ 1.6T 14
18 14   ジェームス・ナッシュ フォード・フォーカス S2000 TC 12
19 23   トム・チルトン フォード・フォーカス S2000 TC 7
20 22 Y トム・ボードマン セアト・レオン WTCC 4
21 27   ガボール・ウェーバー BMW 320TC 3
22 88 Y フェルナンド・モンヘ セアト・レオン WTCC 1
※クラスの「Y」表記はYOKOHAMAトロフィー。
 
【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第16戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 5 ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 111
2 74 ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 106
3 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 75
4 11 アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 63
5 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 58
6 16 アルバート・セルキ BMW 320TC 50
7 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 49
8 20 ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 34
9 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 25
10 5 ミシェル・ニュケア シボレー・クルーズ 1.6T 20
11 27 ガボール・ウェーバー BMW 320TC 15
12 12 パスカーレ・デ・サバティーノ シボレー・クルーズ 1.6T 12
13 22 トム・ボードマン セアト・レオン TDi 11
14 7 チャールズ・カキン BMW 320TC 8
15 88 フェルナンド・モンヘ セアト・レオン WTCC 5
16 24 アイザック・トゥトゥムル BMW 320TC 3
17 40 アンドレア・バルレーシ SR・レオン 1.6T 3
 
CIRCUIT
ソノマ・レースウェイ (アメリカ)

1968年にオープンしたコースは、開催カテゴリーに応じてレイアウトを変更できるフレキシブルな設定が可能。初開催となるWTCCは、4,032mの設定で、各レース13周で競われる。

NASCARやインディといった、アメリカで人気のカテゴリーではお馴染みのコースで、カリフォルニアワインの産地として知られるソノマに立地する。
2012年の5月まではネーミングライツによって企業名を冠したコース名称だったが、現在は契約切れにともなって元来のソノマ・レースウェイという名称になっている。

コースの特徴としては、高低差の大きさが挙げられる。第3ターンと第10ターンでは実に50mもの標高差があり、上り勾配と下り勾配のそれぞれを如何に攻略していくかが、勝敗をわけるひとつの鍵になるだろう。
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