前戦・ブラジル(クリティバ)からおよそ2ヶ月。恒例のサマーバケーションを終えたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のカレンダーは再び動き出し、初開催となるアメリカ大陸に上陸する。
まずブラジル戦と振り返ってみると、ここでもシボレーが2レースともに優勝を飾った。中でも第1レース(第15戦)は表彰台を独占して、ワークス体制として一区切りを打つことが決まった中で圧倒的な強さを見せつけた。
マニュファクチャラーランキング争いでは大きなリードを築き上げているシボレーだが、ドライバーランキング争いでも、チャンピオンの行方はシボレー・ワークスの三選手に絞られたかたちとなっている。287点を獲得しているイヴァン・ミューラー選手がトップを走るが、2番手のロブ・ハフ選手との点差は17と決して大きくない。3番手はアラン・メニュ選手はトップのミューラー選手と37点差があるが、2番手のハフ選手に対しては20点差なので、まだまだポジションアップを狙える位置につけている。
一方、YOKOHAMAトロフィーはポイント制度的に最終戦で大きな加点が行われることもあり、まだまだランキング争いは予断を許さない状況にある。そしてブラジルでは、それまでランキングトップに立っていた若手のペペ・オリオラ選手が2レースともに下位に沈み、ノルベルト・ミケリス選手は対照的に第1レースを4位、そして第2レースでは優勝を飾ったことから、トップの座が入れ替わった。
さて、優勝争いの行方を予想するのは決してやさしいことではないが、過去のデータから読み解くならば、以前にも記したように初開催コースで強さを見せてきているのがメニュ選手だ。
しかし、今シーズンは初開催コースでメニュ選手を上回る活躍を見せているのが、悲願のタイトル獲得に向けてミューラー選手を追っているハフ選手だ。スロバキアリンクとザルツブルグリンク、今季4大会ある初開催コースのうち、既に開催された2コースでともに優勝を飾ることに成功している。
また、ホットなニュースとして見逃せないのが、ハフ選手は去る8月にジャスミン夫人と結婚したばかり。"新婚パワー"も加わって、ハフ選手の勢いはますます加速することも予想されるだけに、ここではアメリカ戦の優勝候補、その筆頭として名を挙げておこう。