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日程・レポート・結果表 2012年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
PREVIEW
WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は、6月初旬に行われたポルトガル戦でヨーロッパでの転戦スケジュールを消化した。その後はやや長めのインターバルに入っていたが、いよいよ来週末には海を越えて遠く南米大陸に渡り、ブラジルのクリティバ戦が開催される運びとなる。

2007年以降は開幕戦の舞台としてお馴染みだったブラジルであるが、今年は初めてWTCCが行われた2006年以来の7月開催となった。シリーズはこのブラジルを終えると、再び約2ヶ月という長いインターバルに入る。これは例年どおりの“夏休み”であるが、前後の間隔が大きく開いた特異な日程となる今年のクリティバ戦、その勝負の行方を占ってみたい。


まず、いつものようにデータを紐解いてみると、最多優勝回数についてはイヴァン・ミューラー選手(写真・右)とガブリエレ・タルクィーニ選手(写真・左)が3回ずつでトップ。ともに2008年から2010年にかけて三年連続で、ミューラー選手が第1レースを、一方のタルクィーニ選手が第2レースを制してきた。なお、タルクィーニ選手は3回ともにセアト、ミューラー選手は2008年と2009年がセアト、2010年はシボレーでの優勝である。

ドライバーとして2回以上の優勝を飾っているのは、この二人しかいないのは意外なところ。更にいえば2006年と2007年に優勝を飾った選手は今年のWTCCに参戦をしておらず、2011年はシボレーのロブ・ハフ選手とアラン・メニュ選手が優勝を分け合っているので、今年のドライバーズタイトルを争っている上位陣の中でトム・コロネル選手以外の顔ぶれが優勝経験者ということになる。

車種別に見るとセアトが6勝、シボレーが3勝、BMWが3勝という結果になっている。駆動方式で見れば幾分FF(前輪駆動)が有利、かつセアトが得意としてきたコースであると言えるだろう。
さらに第1レースは、2006年の初開催を除いて、5年連続で予選トップを獲得したドライバーがポール・トゥ・ウィンを飾っていることも特徴のひとつ。長めのストレートに代表されるコースレイアウトは、パワー勝負的な要素が強く反映されている。
ポルトガル戦を終えて長めのインターバルに入っていたWTCCだが、この間に注目すべきニュースが3つ発表された。

まず6月20日付で発表されたのは、ヨコハマタイヤがワンメイクタイヤ供給の契約を3年延長し、2015年までオフィシャルタイヤサプライヤーをつとめることが決定したという内容である。
WTCC発足2年目の2006年から世界最高峰のツーリングカー・スプリントレースを足元で支えてきているADVANレーシングタイヤは、FIA(国際自動車連盟)や各主催者、参加しているドライバーやチームから厚い信頼を寄せられている。

そして、それぞれが求めるハイレベルな性能に対する要求を十分に満たしていることが改めて評価されて、2015年までの供給継続が決定した。これによりヨコハマタイヤは10年連続で、WTCCのオフィシャルタイヤサプライヤーという重責を担うこととなった。


次に6月末に「Touring Car Times」が、今シーズンの日本ラウンドから終盤3戦に参戦した後、2013年はフル参戦を予定しているホンダのドライバー候補として、ガブリエレ・タルクィーニ選手の名前が挙がっていると伝えてきた。
ヨーロッパで販売されるシビックは、イタリアのJASモータースポーツによってWTCCマシンに仕立てられると言われているが、2009年のWTCCドライバーズタイトルを獲得している大ベテランとJASモータースポーツが交渉を重ねているというのだ。
この点についてタルクィーニ選手も交渉の事実は認めたものの、今年は引き続きセアトを駆って最終戦まで戦うことを断言。ただ、やはり本格的なマニュファクチャラー体制で長くセアトを駆っていたタルクィーニ選手にとっては、現状のカスタマーサポートに留まる状態が物足りないのも事実のようで、より強力な体制で参戦するチームへの移籍も決して噂話で留まるものではなさそうな気配である。


そして7月に入ってから飛び込んできたニュースは、非常に残念なものだった。
WTCC発足初年度から8年間にわたってワークス体制での参戦を続けてきたシボレーが、今シーズン限りでの撤退を表明したのである。ラセッティ時代は苦しい戦いも続いたシボレーだが、地道に参戦を重ねてノウハウや技術を蓄積。
そして2009年の開幕戦からクルーズを投入するとみるみるうちに戦闘力を向上させ、遂には現在に至る“黄金期”を構築。2010年、2011年と2年連続でドライバーズタイトルとマニュファクチャラーズタイトルをダブルで獲得、今シーズンも3年連続での両タイトル制覇に向けた快走が続いている。

シボレーは今シーズンのBTCC(イギリス・ツーリングカー選手権)からも撤退しているが、マーケティングとモータースポーツの戦略を全体的に見直した結果としての苦渋の決断だったようだ。
撤退は残念であるが、ドライバーズランキングでトップ3を占めるイヴァン・ミューラー選手、ロブ・ハフ選手、アラン・メニュ選手は、それぞれに有終の美を飾るべく、ますます闘志を燃やしていると伝えられている。
 
STANDINGS
 
【選手権 ドライバー部門・ポイントランキング (第14戦終了時点)】
順位 No. クラス ドライバー 車 両 ポイント
1 1 イヴァン・ミューラー シボレー・クルーズ 1.6T 245
2 2 ロブ・ハフ シボレー・クルーズ 1.6T 227
3 8 アラン・メニュ シボレー・クルーズ 1.6T 210
4 15 トム・コロネル BMW 320TC 140
5 3 ガブリエレ・タルクィーニ セアト・レオン WTCC 134
6 74 Y ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 107
7 5 Y ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 106
8 26 Y ステファノ・ディアステ BMW 320TC 84
9 18   ティアゴ・モンテイロ SR・レオン 1.6T 45
10 25 Y メルディ・ベナニ BMW 320TC 43
11 6 Y フランツ・エングストラー BMW 320TC 40
12 16 Y アルバート・セルキ BMW 320TC 37
13 11 Y アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 28
14 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 22
15 9 リカルド・リデル シボレー・クルーズ 1.6T 14
16 14   ジェームス・ナッシュ フォード・フォーカス S2000 TC 12
17 20 Y ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 11
18 23   トム・チルトン フォード・フォーカス S2000 TC 7
19 22 Y トム・ボードマン セアト・レオン TDi 4
20 27   ガボール・ウェーバー BMW 320TC 3
※クラスの「Y」表記はYOKOHAMAトロフィー。
 
【YOKOHAMAドライバーズトロフィー・ポイントランキング (第14戦終了時点)】
順位 No. ドライバー 車 両 ポイント
1 74 ペペ・オリオラ セアト・レオン WTCC 106
2 5 ノルベルト・ミケリス BMW 320TC 96
3 26 ステファノ・ディアステ BMW 320TC 73
4 6 フランツ・エングストラー BMW 320TC 58
5 11 アレックス・マクドワル シボレー・クルーズ 1.6T 50
6 16 アルバート・セルキ BMW 320TC 50
7 25 メルディ・ベナニ BMW 320TC 41
8 20 ダリル・オーヤン セアト・レオン WTCC 28
9 4 アレクセイ・デュデュカロ セアト・レオン WTCC 17
10 27 ガボール・ウェーバー BMW 320TC 15
11 12 パスカーレ・デ・サバティーノ シボレー・クルーズ 1.6T 12
12 22 トム・ボードマン セアト・レオン TDi 8
13 7 チャールズ・カキン BMW 320TC 7
14 24 アイザック・トゥトゥムル BMW 320TC 3
15 40 アンドレア・バルレーシ SR・レオン 1.6T 3
 
CIRCUIT
クリティバ・サーキット
(ブラジル)


ブラジル南部のパラナ州、その州都がクリティバ市。人口およそ175万人という大都市で、日系人が多いことでも知られている町である。

この町の郊外に立地しているクリティバ・サーキットは、全長3,695mと中規模の国際公認コース。WTCCのようなビッグレースが開催される一方で、ブラジルの市民が愛用している車種をベースとしたマシンによるクラブマンレース、さらには二輪レースも盛んに行われている。
さらに音楽ライブの会場として使われることもあり、市民にも広く親しまれているサーキットだ。

コースの特徴として真っ先にあげられるのは、980mの長さを誇るストレート。ここではスリップストリーム合戦も展開され、その先の1コーナーへのブレーキング勝負も見どころとなる。ちなみにこのストレートでは、その長さを活かしてドラッグレースも開催されている。

WTCCには発足翌年の2006年シリーズから、カレンダーに組み込まれるようになった。2007年以降は開幕戦の舞台として定着していたが、今年は6年ぶりに7月の開催となる。
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