前戦のスロバキアからヨーロッパ大陸での4連戦となるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のカレンダー。中でもスロバキアから今回のハンガリーにかけては二週連続開催となり、このタイトな時間の中でしっかり結果を出してくるのかはチームの総合力が試されることになると言っても良いだろう。
WTCC初開催となった前戦のスロバキアでは、遂にシボレーの連勝にストップがかけられた。しかもセアト・レオンWTCCのLukOil勢が第1レース(第7戦)ではワン・ツー・フィニッシュを飾り、3位にはアラン・メニュ選手が食い込んだものの、久しぶりにシボレー勢の存在感が薄い表彰台の風景となった。
次の舞台となるハンガロリンクは昨年初めてWTCCが開催されたコース。アップダウンもあるこのコース、昨年はシボレーのアラン・メニュ選手とイヴァン・ミューラー選手が勝利を分け合う結果となっているが、ここでは地元・ハンガリーのヒーローであるBMWのノルベルト・ミケリス選手の存在に注目してみたい。
前戦のスロバキアでは自身初のポールポジションを獲得したミケリス選手、決勝では後退を余儀なくされたものの2レースともに総合6位でフィニッシュしている。昨年のハンガリーを振り返ってみると、第1レースでは4番手スタートからスタート直後の混乱を回避してポジションアップ、トップを行くメニュ選手を猛追してサーキットを埋めた地元のファンを大いに沸かせた。
最後は一歩届かず1.047秒差の準優勝でチェッカーを受けたものの、会場のボルテージは大いに高まり、この大歓声や声援が後押しするかたちでの好走という一面もあったことだろう。
やはりホームゲームとなると、どんなスポーツでも地元の選手には強い追い風が吹くもの。自身初のポールポジション獲得で勢いに乗るミケリス選手、フィニッシュまでの安定感という意味ではまだ物足りない面が残るものの、しっかり最後まで自分のレース運びを実践することが出来れば、自身2回目のWTCC優勝で地元に錦を飾る結果を掴むことも可能だろう。