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日程・レポート・結果表 2012年のWTCC WTCCを戦うタイヤ
[LINK] 公式ウェブサイト 参戦車両の概要 主な参戦車種
PREVIEW
この週末、発足から8年目のシーズンが開幕を迎えるWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。ワンメイクサプライヤーをつとめる横浜ゴムとのパートナーシップも7シーズン目を迎え、ますますの盛り上がりを見せる一年がいよいよスタートする。

今シーズン、何といっても注目は参加チーム、そしてマシンの増加だ。
昨年はシボレー、BMW、セアト、ボルボが覇を競い合ったが、今年は残念ながらボルボの参加は見送りとなりそうなものの、開幕戦からフォード・フォーカスが姿を見せる。

フォーカスはWTCC発足初年度に参戦の実績があるものの、もちろん今回は最新モデルが開幕から2台登場。ドライバーはイギリスツーリングカー選手権のインディペンデント部門チャンピオンが名を連ね、2011年の王者であるジェームス・ナッシュ選手と2010年の王者であるトム・チルトン選手。発表されたエントリーリストでは、チルトン選手がマニュファクチャラー扱い、ナッシュ選手はYOKOHAMAトロフィー部門対象とされている。

また、開幕戦には姿を見せないものの、ロシアのラーダはニューマシンのグランタでハンガリー戦とポルトガル戦へのスポット参戦を発表済。さらに日本のファンにとって見逃せないのは、10月の鈴鹿戦からホンダが欧州で発売されるシビックで参戦することで、日本のメーカーがいよいよ本格的にWTCCに挑むことは世界的にも注目を集めるニュースとなっている。

開幕戦のエントリーリストを見ると、ニューフェイスのドライバーが多いことにも気づくだろう。
例えばシボレーで参戦するバンブー・レーシングは、21歳のイギリス人であるアレックス・マクドワル選手と、24歳のイタリア人のパスカーレ・デ・サバティーノ選手という若手をラインナップ。

BMWで参戦するROAL Motorsportは、日本でもお馴染みトム・コロネル選手に加えて、19歳のアルバート・セルキ選手(左写真)に2台目のステアリングを託した。この若きイタリア人ドライバーは、カートで経験を積んだ後に2009年から四輪に転向、F3イタリア国内選手権やV8エンジンを搭載するGTマシンによるスプリントレースのSuperstarsシリーズへの参戦を経て、WTCCデビューを飾る運びとなった。

もちろん、こうしたニューフェイスのマシンやドライバーによる挑戦を、昨年も激しくタイトルを争ってきたお馴染みの面々がどのような戦いぶりで受けてたつのかも興味深いところ。

特に“黄金期”を謳歌していると言っても過言ではないシボレー勢には、ディフェンディングチャンピオンのイヴァン・ミューラー選手と、昨年は最終戦までタイトルを争ったロブ・ハフ選手、そして初年度からシボレー一筋の“職人ドライバー”であるアラン・メニュ選手という三羽がらすに、2009年以来のWTCC復活となるリカルド・リデル選手が加わる。2005年からの5シーズンで通算5勝を飾っている実力派だけに、今シーズンはタイトル争いの台風の目になってくれることも期待できる。
開幕の舞台となるのは伝統あるモンツァ・サーキット。ここ数年はブラジルでの開幕が恒例となっていたが、2006年以来となるイタリアでのシーズン幕開けだ。

ここでモンツァでの過去の戦いを振り返ってみよう。2009年を除き毎年開催されてきた地だが、過去12戦の優勝をマシン別に見ると次のようになる。
●シボレー×3勝、セアト×4勝、BMW×3勝、アルファロメオ×2勝
このように、モンツァについては特定の車種が圧倒的に得意としている、という傾向は見られないことがお分かりいただけるであろう。

その上でモンツァの特徴と言えば、WTCC開催コースの中でも群を抜くハイスピードレイアウトであることに尽きる。

さらにデータを紐解いていくと、特に第1レースについては興味深い傾向が読み取れた。それは過去6回行われた決勝第1レースについて、そのうちの5回がポール・トゥ・ウィンで優勝を決していることである。

予選方式やウェイト制度の変更はあったものの、一貫して第1レースがローリングスタート方式であることはWTCCの変わらない特徴。
ゆえに予選でトップタイムをマークしたポテンシャルを余すところなく活かせるハイスピードコースにおいては、スタートと同時にフォーメーションから一気に爆発的な加速を見せてレースの主導権をガッチリと握っていくというのが、第1レースの戦い方になるということだろうか。

一方、スタンディング方式の第2レースでは、時に大逆転劇が生じる。
2005年と2011年は2番手グリッドから、2006年はポールポジションからスタートした選手が優勝を飾っているものの、2007年と2008年は7番手スタート、2010年は5番手スタートからの逆転で優勝者が表彰台の真ん中を手中におさめた。
そして、この逆転劇が演じれた3大会は、いずれもスタート直後の多重クラッシュといったWTCCならではともいえる混乱に乗じてのポジションアップではなく、順当なコース上でのハイスピード・バトルにおけるパッシング合戦が繰り広げられた結果なのだ。

今シーズンからは予選方式が変更され、予選結果に応じたポイントも付与される。
昨年までよりも予選の重要性ははるかに高まったわけだが、開幕戦ということで補正(カンペンセイト)ウェイト制度も適用が始まらないことから、まずはハイスピードのガチンコ勝負で今年のタイトル争いの行方を占ってみたいところだ。
 
ENTRY
*2012年3月5日発表のエントリーリスト。
*クラスの「Y」は、YOKOHAMAトロフィー。
 
No. クラス ドライバー 国 籍 車 両 チーム
1   イヴァン・ミューラー フランス シボレー・クルーズ 1.6T Chevrolet
2   ロブ・ハフ イギリス シボレー・クルーズ 1.6T Chevrolet
3   ガブリエレ・タルクィーニ イタリア セアト・レオン WTCC Lukoil Racing Team
4 Y アレクセイ・デュデュカロ ロシア セアト・レオン WTCC Lukoil Racing Team
5 Y ノルベルト・ミケリス ハンガリー BMW 320TC Zengo Motorsport
6 Y フランツ・エングストラー ドイツ BMW 320TC Liqui Moly Team Engstler
7 Y チャールズ・カキン 中国(香港) BMW 320TC Liqui Moly Team Engstler
8   アラン・メニュ スイス シボレー・クルーズ 1.6T Chevrolet
9   リカルド・リデル スウェーデン シボレー・クルーズ 1.6T Chevrolet Motorsport Sweden
11 Y アレックス・マクドワル イギリス シボレー・クルーズ 1.6T bamboo-engineering
12 Y パスカーレ・デ・サバティーノ イタリア シボレー・クルーズ 1.6T bamboo-engineering
14 Y ジェームス・ナッシュ イギリス フォード・フォーカス S2000 TC Team Aon
15   トム・コロネル オランダ BMW 320TC ROAL Motorsport
16 Y アルバート・セルキ イタリア BMW 320TC ROAL Motorsport
18   ティアゴ・モンテイロ ポルトガル セアト・レオン WTCC Tuenti Racing Team
20 Y ダリル・オーヤン 中国(香港) セアト・レオン WTCC Special Tuning Racing
22 Y トム・ボードマン イギリス セアト・レオン WTCC Special Tuning Racing
23   トム・チルトン イギリス フォード・フォーカス S2000 TC Team Aon
24 Y アイザック・トゥトゥムル スペイン BMW 320TC Proteam Racing
25 Y メルディ・ベナニ モロッコ BMW 320TC Proteam Racing
26 Y ステファノ・ディアステ イタリア BMW 320TC Wiechers-Sport
27 Y ガボール・ウェーバー ハンガリー BMW 320TC Zengo Motorsport
40 Y アンドレア・バルレーシ ベルギー セアト・レオン WTCC SUNRED Engineering
74 Y ペペ・オリオラ スペイン セアト・レオン WTCC Tuenti Racing Team
88 Y フェルナンド・モンヘ スペイン セアト・レオン WTCC SUNRED Engineering
 
CIRCUIT
アウトードロモ・ナツィオナーレ・モンツァ (イタリア)

1922年、日本がまだ大正の時代だった昔にオープンした、世界でも最も古い部類にはいるサーキットコースがイタリアのモンツァ。古くは併設のオーバルコースを組み合わせたレイアウトでもレースが行われたが、安全性の問題から現在は5,793mの「モダン・グランプリ・サーキット」が主戦場となっている。

このコース長は昨年までWTCCにおいて最も長い常設サーキットであったが、2012年は新たに開催地に加わったスロバキアリンク(5,922m)に、その座を譲ることとなった。

コースの特徴は、何といっても群を抜くハイスピードレイアウトであること。
2011年のデータで見るとモンツァのベストラップは、シボレーのイヴァン・ミューラー選手が2回目のフリープラクティスでマークした1分58秒540で、平均車速は175.93KPHに達している。
対してシーズンを通じて最もベストラップの平均車速が遅かったのは中国・上海天馬サーキットで、予選2回目にシボレーのアラン・メニュ選手がマークした1分05秒555のタイムは、平均車速にして113.29KPHに過ぎないのだ。

なお、2011年のモンツァはシボレー勢が予選トップ3を独占。決勝も第1レース、さらには第2レースともにチームメイト同士が接触をも厭わないデッドヒートを展開。壮絶なバトルは2レースともにロブ・ハフ選手が制して、史上3人目となる1大会2連勝を記録した。
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