「FUJI SPRINT CUP」で、今季の富士スピードウェイでのSUPER GT開催は3回目を数えます。しかし、この大会は規則もシリーズ戦とは若干異なっており、例えば「予選で使用したタイヤでスタートしなければならない」という規定が適用になりません。また、決勝距離も100kmと短いので、まずは予選での上位獲得に重点を置いた対応がタイヤには必要であると考えています。
決勝レースでは先行逃げきりの展開が予想されますし、11月の中旬という開催時期による気候的な要素もありますので、通常の富士ラウンドに対してハイグリップでショートライフな傾向のタイヤになるでしょう。
2011年シーズンは、それまでのGT-Rに加えてSC430にもタイヤを供給してきました。良く「GT-RとSC430では、タイヤ開発も大きく異なるのですか?」という質問を耳にすることがありますが、実はタイヤ開発における基本的なコンセプトや、構造やコンパウンドの構成については共通であると考えています。
ただし車種が違うということは、タイヤに掛かる力(荷重量や、そのバランス)に異なる部分がありますから、それに合わせたチューニングを行う場合はありますね。
同様の質問としてはGT300クラスについて、「JAF-GT車両とFIA-GT車両では、タイヤ開発に違いがありますか?」というものもあります。こちらについても、実際にはJAF-GT車両とFIA-GT車両でタイヤ開発のコンセプトに違いはありません。同一のサイズであれば、同じ仕様のタイヤをお使いいただいています。
ただし、GT500クラスと同様に、今回は予選ポジションが重要になるでしょうし、特にストレートスピードの違いでコンパウンド選択がチームによって異なる、という場面は出てくるのではないでしょうか。
今回は決勝が100kmと短く、ドライバー交代もないので、ドライバースキルが重要になるレースだと思います。
如何に100kmをマネージメントできるか。序盤で無理なプッシュをしてしまうと、レース後半でのトラクションダウンを誘発してしまい、結果としてストレートでのポジションダウンにつながってしまう可能性があります。予選ポジションと連動しないレース結果となる可能性もありますので、ファンの皆さんも目を離せない見どころの多いレースになるでしょうね。
■第8戦(もてぎ)・使用タイヤサイズ
[GT500] Fr) 330/710R18 Rr) 330/710R17
[GT300] 280/710R18、280/650R18、280/680R18、330/710R18