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日程・レポート・結果表 カテゴリー&タイヤ解説 クラス区分 SUPER GT 2011
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Preview|次戦のプレビュー
全8戦のカレンダーとなっている2011年のSUPER GT。3月に発生した東日本大震災の影響で序盤戦の開催日程が一部変更となったため、今季の実質的な開幕戦となったのが5月の大型連休に開催された富士ラウンドだった。
この大会、雨の決勝で「WedsSport ADVAN SC430」が3位表彰台を獲得、GT500デビュー戦で堂々たる結果を残したことは記憶に新しい。

あれから4ヶ月。今季2回目となる富士スピードウェイを舞台としたレースはこの週末に行われ、既にサーキットでは各チームが戦い本番に向けて準備を整えているという状況だ。

世界屈指の長いストレートを持つ富士スピードウェイ。リニューアル以降はテクニカルな要素も加わったために一概に「高速型サーキット」と表現するのは語弊もあるところだが、やはり高速セクションが勝負を大きく分けるポイントであることは変わらない。

そしてGT300クラスで見ると、高速型コースに強いとされるのがFIA-GT勢。
激しいシリーズポイント争いはシーズン終盤に入ってますます熱を帯びてくるが、ランキング2番手につける「初音ミク グッドスマイル BMW」がADVAN勢ではまず注目の一台となる。第3戦のセパンで優勝を飾り、そのほかの大会でもコンスタントに上位を獲得してポイントを重ねてきているが、この富士はチャンピオン獲得に向けて重要な一戦となる。
ただ、気になるのは「初音ミク グッドスマイル BMW」に対して9月1日付けの発表で適用された性能調整。リストリクター径の縮小が行われてしまったため、この影響は決して小さくないと予想される。

GT500クラスは前述の通り、5月の大会で「WedsSport ADVAN SC430」が表彰台を獲得しているだけに、その雄姿を再び見たいというファンも多いことだろう。また、「ADVAN KONDO GT-R」は今季これまでは4位が最上位となっているが、この富士で待望の表彰台を獲得することが期待される存在だ。
 
COURSE GUIDE|コースガイド
COURSE GUIDE DRIVER
土屋 武士 選手 =Takeshi Tsuchiya=
今シーズンは「ZENT Porsche RSR」でGT300に参戦。
ドライバーとしてはもちろん、マシン造りやチームマネージメントの面でも、幅広く手腕を発揮している。
富士スピードウェイは2005年のリニューアルまでの「旧富士」と、それ以降の現在に至る「新富士」を分けて考えることが出来ますが、両方に共通しているのが長いストレートを有していることです。1.5kmにも及ぶストレートというのは、世界中のサーキットを見てもなかなか無いものなんです。
そんな長いストレートという特徴はそのままに、「新富士」になって最も変わったのは安全性の面です。特に旧富士では300Rなどはハイスピードなコーナーで、雨が降ったらとてもリスクが伴うところでしたが、改修されてからはとても広いランオフが用意されて、万一コースを外れてしまってもほぼ無傷で帰ってこられるという安全性の高いコースに変貌を遂げました。

その上でハイスピードからフルブレーキングを要する低速コーナーまで、あらゆる要素が詰まったレイアウトのコースになりました。
特に新富士の新しい特徴とも言えるのが終盤のセクター3、峠のようなくねくねしたワインディングは、道のアップダウンやブラインドコーナーなどという要素も持っている難しいセクションです。旧富士の頃はただ全開でずっとBコーナーからストレートまでという単調な感じでしたが、今ではリズムがとても変わるレイアウトになりました。セクター3は攻めるだけでは全然タイムを削れなくて、抑えるところは抑えてリズムを崩さないで走ることが求められます。

こうした多様な顔を見せる富士を攻略するには、ドライビングもセットアップもとても難しくて、悩み所満載なコースであると言えますね。レースでは、やはりタイムを出すには全てのバランスを高いレベルに持って行って走る必要があります。しかもストレートスピードがとても重要になるので、ドラッグとダウンフォースのバランスも重要なポイントになりますね。
こうしたコース事情の中で、パッシングポイントの代表的な存在となるのはやはり1コーナーです。長いストレートでトップスピードに至ったマシン同士のブレーキング勝負。ここはまず一つ目の見どころになりますね。
あとはセクター3のワインディングでも、最終コーナーの飛び込みはひとつのパッシングポイントになりますし、プリウスコーナーの飛び込みでもインをさしていくことは出来ます。タイヤが苦しくなってきたスティントの後半とか、GT500クラスとGT300クラスが絡んだ瞬間なんかにパッシングが起こりやすいですね。

その上で観戦ポイントをお薦めすると、セクター3の入り口が面白いのではないでしょうか。300Rを過ぎてワインディンク区間への入り口、この周辺ではテントを張りながら観戦している“通なファン”の方も多いようですね。
ブレーキング勝負では速いスピードを一気に殺す時のエネルギーというか、その迫力をエンジンブレーキの音などと合わせて間近で体感できるのがこの場所だと思います。ここはツーワイド、時にスリーワイドにもなることのあるコーナーなので、特にGT300クラスをGT500クラスが抜いていく時には、「そこに入っていくんだ!」という妙技を見られると思いますよ。
 
ENGINEER'S PREVIEW|エンジニア・プレビュー
ADVAN TIRE ENGINEER
荒 川  淳 =Jun Arakawa=
横浜ゴム MST開発部 技術開発1グループ・リーダー

SUPER GTのタイヤ開発において、500クラス/300クラスの全体統括役をつとめる。
富士スピードウェイは1,475mという世界的にも屈指のストレートを有する高速型のサーキットコースです。ここではストレートのタイムと最高速を確保するために、他のコースと比べて低いダウンフォースセッティングがマシンに施されます。そのためタイヤについては、低速のテクニカルセクションとなるセクター3でのグリップ確保と、100Rに代表される高速コーナーでの高いコーナーリング性能を両立させることが開発のポイントとなります。さらにトップスピードは280km/hにも達しますので、十分な高速耐久性を確保することは、安全なレースを足元で支えるタイヤにとって必要とされる部分ですね。
富士でのSUPER GTは5月の大型連休以来となりますが、この間に実戦やタイヤテストを通じて、よりハイグリップなコンパウンドと高いコーナーリング性能を有する構造へと、タイヤは大きく進化しています。

少し具体的にお話しすると、ダウンフォースの低いセッティングになっているマシンは、特にセクター3のテクニカルセクションで如何にグリップを確保するかという課題が生じます。そこでタイヤの働きも重要ですが、チームにとっては足回りのセットアップなどでメカニカルグリップをどれだけ稼げるかも勝敗を左右する大きな要素になるでしょう。
その上で、周回を重ねてタイヤが摩耗してグリップダウンしてしまうと簡単にポジションも落としてしまうコースなので、グリップの持続性がタイヤにとっては重要だと考えています。
チームとしてはスティントの後半まで安定したラップタイムを刻める決勝セッティングを見いだすこと、ドライバーはタイヤマネージメント能力も高いものが要求されますね。

ところで長い歴史を有する富士ですが、2005年の大改修を境に現在の「新富士」と、それまでの「旧富士」では、タイヤ開発のポイントも変わってきています。
「旧富士」では優れた高速耐久性と、グリップ性能の持続性が開発のポイントでした。特に最終コーナーを如何にアクセルを踏み続けてストレートを立ち上がってこられるか、という点がレースにおいてはポジションアップの鍵になっていましたね。

しかし現在の「新富士」では、こうした要素に低速テクニカルセクションでのグリップ確保という新たな課題が加わっており、タイヤとしてはより総合的な性能を必要とされるコースに変化してきているという印象がありますね。


■第6戦(富士)・使用タイヤサイズ
  [GT500] Fr) 330/710R18 Rr) 330/710R17
  [GT300] 280/710R18、280/650R18、280/680R18、330/710R18
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