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日程・レポート・結果表 カテゴリー&タイヤ解説 クラス区分 SUPER GT 2011
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Preview|次戦のプレビュー
1966(昭和41)年に第1回が開催され、トヨタ2000GTを駆る福沢幸雄選手/津々見友彦選手組が栄光のウィナーとなったところから歴史は始まった。
「インターナショナル・ポッカGTサマースペシャル」。
以前は“鈴鹿1000km”の呼び名で親しまれてきたこのレースは、今年で40回目という節目の大会を迎える。

元々はその名の通り1,000kmを走る長丁場だったが、2009年から700kmに短縮され、今年はさらに短い500kmで競われることになった。距離としてはちょうど半分になったわけだが、他のシリーズ戦とは異なり最大3人のドライバーを登録して戦える点は従来同様である。

前戦・SUGOを振り返ると、GT500クラスでは惜しくも表彰台にあと一歩届かなかったものの、「ADVAN KONDO GT-R」が4位でフィニッシュ。レースメディアではタイヤウォーズの激化が伝えられているが、ADVAN勢もしっかり好走を見せて優勝を狙えるポジションに陣取っている。
GT300クラスはADVAN勢がワン・ツー・フィニッシュで強さを見せた。特に今シーズンからGTに参戦を開始したアレキサンドレ・インペラトーリ選手は3戦目にして初優勝の表彰台に立った。マカオグランプリでの活躍などフォーミュラ・シーンでの走りが印象に残るインペラトーリ選手だが、SUPER GTでも期待に応える走りを見せてくれた。

昨年のこの大会では、GT300クラスでスバル・レガシィB4が初優勝を飾った。デビューから丸一年を経て熟成が進んだマシン、これを支えるADVANレーシングタイヤは初優勝に大きく貢献している。
山野哲也選手と佐々木孝太選手のコンビで戦ったレガシィB4は決勝を中段グループからスタート。じわじわと追い上げを図り、ライバルメーカーのタイヤを装着するマシンと終盤には一騎討ちの状態に。

勝負を決したのはADVANレーシングタイヤの大きな特徴である、優れたグリップ力の立ち上がりの速さ。
最後のピット作業を終えてコースに復帰したレガシィB4、その後方には1周前にピットアウトしていたライバル。しかしアウトラップからADVANレーシングタイヤががっちりと走りを支えるレガシィB4はハイペースで逃げきりに成功して、初優勝の栄冠を手中におさめた。

毎年、何らかのドラマが必ず生まれると言っても良い「インターナショナル・ポッカGTサマースペシャル」。恒例となっている真夏の祭典で、今年はどのようなドラマが演じられるのか、楽しみなレースウィークがいよいよ始まる。
 
COURSE GUIDE|コースガイド
COURSE GUIDE DRIVER
土屋 武士 選手 =Takeshi Tsuchiya=
今シーズンは「ZENT Porsche RSR」でGT300に参戦。
ドライバーとしてはもちろん、マシン造りやチームマネージメントの面でも、幅広く手腕を発揮している。
鈴鹿サーキットは“ドライバーズ・サーキット”であると表現出来るでしょう。
前半のS字コーナーはハイスピードコーナーの連続で、4速のままで右に左にと切り返して駆け抜けるのは、本当に優れたドライビングテクニックが要求されます。もちろん加えてマシンのセットアップなども、しっかり決まっていなければなりません。
それ以外にも、1コーナーや130R、デグナーの1つめやデグナーの1つめなど、ほとんどブレーキを踏まないで走るようなコーナーが多いのは特徴ですよね。

特にSUPER GTの500クラスやフォーミュラ・マシンでは、ダウンフォースを使ってコーナーに入っていくわけですが、これはとても勇気が必要とされます。ちょっと間違えると大クラッシュにつながりかねませんが、巧くクリアすれば大幅なタイムアップを実現できますから、攻め甲斐のあるコースですよね。
また、こうした高速コーナーに加えて、ヘアピンやシケインといった低速コーナーももちろんありますし、長いストレートもあって、サーキットにある全ての要素が含まれている、それが鈴鹿サーキットです。

ここで前戦の舞台となったスポーツランドSUGOと比べてみると、ともに高速コーナーの存在が特徴なのでダウンフォースを活かしてやる必要があります。しかし鈴鹿はストレートはSUGOよりも長いので、ダウンフォースというのは抵抗である訳ですから、そのさじ加減というか兼ね合いが難しいのです。マシンのセットアップ、エンジンの性能、こうしたハードウェア面の善し悪しがはっきり出るのも鈴鹿ならではですね。

僕もFJを戦っていた時代には、わざわざ鈴鹿にホームコースを移して1年間を戦いました。「鈴鹿で勝てなければ上に行けない」という思いから実践したのですが、やはりハイスピードな状況におけるマシンコントロールという、レーシングドライバーには絶対必要なテクニックを学び、磨けるのは鈴鹿が一番ではないかと思います。
初めて鈴鹿を走ったときのことを思い出すと、130Rが思ったよりも狭くて速かったですね。車載映像やゲームなどで見ていた感覚と現実は全く違っていました。スピード感がもの凄いんですよ。
鈴鹿のパッシングポイント、その代表はシケインの飛び込みですね。スプーンの立ち上がりから130Rをあわせていってのブレーキング勝負は、リスクも大きいんですけれど外せないポイントです。あとはストレートでスリップストリームを使っての1コーナーでのパッシングですが、これはマシンの性能もある程度求められます。

8月に行われる鈴鹿のSUPER GT、それは暑さとの戦いでもあります。
まずドライバーとしては、しっかり走りきれるのか不安になってしまう、それが真夏の鈴鹿。基本的なことですがこまめな水分補給は欠かせませんし、マシンについても“疲れないセットアップ”が重要です。さらにタイヤも酷使される状況なので、僕たちが走らせているポルシェの場合などは、特にリアタイヤを以下に安定させるセットアップを見つけられるかも求められます。

ウェットコンディションについて考えてみると、長丁場のレースでは天候の変化も含めて色々な想定を準備しておけるかが重要です。夏場はスコールのような雨が降る可能性もあるし、濡れていた路面があっと言う間に乾いてしまう可能性もある。いろいろな状況が想定されますが、チームクルー全員がいろいろな情報や状況をきちんと把握していて、その上で監督やエンジニアが迅速かつ適切な判断と指示を出せるか、というチームワークも試される一戦です。

今年は500kmと例年よりも短くなりましたが、やはり夏の鈴鹿で行われる長丁場の一戦というのは、他のレースとはちょっと違うものがありますよね。過酷なレースを戦い抜いて、みんなで得たゴールというのはより感慨深いものがありますし、それだけになんとしてもチェッカーを受けたいという思いがいつも以上に強いですね。
その上で500kmになったことで、戦略面は従来とは変わってくると思います。JAF-GT車両は燃費で有利な面があるので、FIA-GTとの関係では戦略の幅が変わってくる可能性もありますね。

最後に観戦ポイントですが、鈴鹿はオーロラビジョンも整っているし、実況放送も充実しているので、こうした情報が最も集まりやすいグランドスタンドがお薦めです。ショップやイベントの賑わいも充実していますし、遊園地などのアミューズメントもありますから、家族連れでも総合的に楽しめるのがいいですね。
鈴鹿というのはモータースポーツがしっかり文化として根付いているというイメージがあります。もちろんコースサイドの観戦スポットを巡ってみるのも楽しいですし、その時にはコースとの距離が近くて迫力あるシケインは外せませんね。
楽しみ方の幅が広いのも鈴鹿の特徴。ぜひ夏の休日を鈴鹿サーキットで思いっきり楽しんでいただきたいと思います。
 
ENGINEER'S PREVIEW|エンジニア・プレビュー
ADVAN TIRE ENGINEER
荒 川  淳 =Jun Arakawa=
横浜ゴム MST開発部 技術開発1グループ・リーダー

SUPER GTのタイヤ開発において、500クラス/300クラスの全体統括役をつとめる。
次の舞台となる鈴鹿サーキットは日本屈指のテクニカルコースであり、タイヤに対する負担も大きいという特徴があります。そこでタイヤ開発においては、耐久性を最大限に注視して進めています。ただし例年に比べて今年は500kmと距離が短く、「耐久レース」というよりも「スプリントレース×3スティント」という様相を呈してくる可能性も高いでしょう。戦いとしてはチームやドライバーに高いタイヤマネージメント力が求められることにもなるでしょうね。
今シーズンは全体的に走行距離が短くなっていますので、タイヤについては昨年と比べて、より高いコーナーリングフォースを得られるような構造に変更を施しています。

そんな中でGT500クラスでは、24号車「ADVAN KONDO GT-R」がセパン、SUGOと連続入賞してウェイトも重くなってきています。我々としてはウェイト自体を大きなハンデとは考えていないのですが、コースシビアリティの厳しい鈴鹿、しかも灼熱の中で安定したタイムを出して走りきれる耐久性の確保と、ピーク時のパフォーマンスを得ることを重視してタイヤ開発を行っています。
一方の19号車「WedsSport ADVAN SC430」についても、車両バランスにマッチするタイヤ構造のチューニングを鈴鹿で行ったテストでこなしており、全体的なパフォーマンスの向上が図られています。

激戦が続くGT300クラスはFIA-GTとJAF-GTマシンの競い合いも見どころのひとつですが、タイヤとしては両者に対する設計思想は同じで、1サイズ・1コンストラクションです。また、鈴鹿だからといって特別な仕様が存在する訳でもありませんが、先に行った鈴鹿テストでは新しいウェットタイヤの性能確認を行うことが出来ています。
時期的には真夏にありがちな強い雨も可能性としてはありえるでしょう。そんな中で、ウェットタイヤについてもドライ用のスリックタイヤと同様に耐久性が最も必要なレース、それが今回の鈴鹿ラウンドではないかと思います。

開幕から天候が安定しないケースが多いですが、ウェットタイヤの開発については「SUPER GTのようなツーリングカーと、F3のようなフォーミュラカーでは何か違いがあるのか?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃるようですね。
この点について解説すると、実はその違いというのは「企業秘密」なんです(笑)。ただ、ツーリングカーはフォーミュラカーよりも排水性(水の流れ方と逃がし方)についての考慮が必要と考えており、それが結果として現在のトレッドパターンを生み出すにいたっています。


■第5戦(鈴鹿)・使用タイヤサイズ
  [GT500] Fr) 330/710R18 Rr) 330/710R17
  [GT300] 280/710R18、280/650R18、280/680R18、330/710R18
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