ドライバーの視点からは、SUGOはとてもチャレンジングなコースであると言えます。
特に後半セクション、セクター2のSPコーナーや最終コーナーというのは、とてつもなくハイスピードなコーナーです。ランオフエリアも比較的狭いので、このハイスピードコーナーに勇気を持って飛び込んでいかなくてはなりません。そしてチャレンジングな走りは、確実にタイムに反映されて恩恵を受けられます。もちろんリスクも大きくて、ちょっとしたミスが大きなクラッシュにつながってしまう可能性もある。これがSUGOの大きな特徴ですね。
コースの全長は約3.7kmで、距離だけで見ると岡山国際サーキットとほとんど一緒です。しかし岡山は低速コーナーが主体。
SUGOも前半には低速コーナーがありますが、後半は4速や5速で駆け抜けるコーナーが続き、こうした高速コーナーは世界的に見ても少数派になりつつありますから、ドライバーが持っている闘争本能をかき立てられるサーキットという印象です。
そんなSUGOですが、パッシングポイントとして挙げられるのは、まず1コーナー。ただしSUPER
GTはGT500とGT300が混走していることもあって、セクター1のシケインあたりでもGT500の車両が絡むと、パッシングのチャンスが生まれてきます。
コース幅が比較的狭く、入り組んだレイアウトであることも影響が大きくて、全体的に他のコースよりもパッシングのチャンスがレース中に生まれやすいという特徴があります。これはイコール、接触もしやすいということ。いろいろな波乱が起こりやすいコース、それがSUGOだと言えるでしょう。
このようなコースですから、特にベテランの巧さがレース運びで光る部分もあります。
一例としては、コース上のどこにいても、ポジショニングを意識して走ることが求められる点。例えばSPコーナーや最終コーナーがそうですが、どこでGT500に抜かれるかということを計って走っています。もちろんGT500のドライバーもそこは計算しながら走っていますから、いわゆる“阿吽の呼吸”を巧く使って抜かれる時のロスを最小限に抑えられると、戦略的にも大きなメリットになってくるのです。
もうひとつポイントになるのは最終コーナー。ここは、どこでアクセルをオンにするのかが重要で、このポイントが遅れてはいけないので、最も意識するポイントです。
それから、ここで気をつけなければならないのはタイヤカス。高速コーナーの外側には多くのタイヤカスが落ちているのですが、これに乗ってしまうのでロスがとても大きい。相手に隙を見せてしまうことにもなるので、最終コーナーは本当に頭を使いながら走ることが必要ですね。