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SUPER GT Round 2
開催日
2011年5月1日(日)
開催場所
富士スピードウェイ (静岡県)
天 候
路 面
ウェット
決勝周回数
66周 (1周 = 4.563km)
※59周で赤旗終了
参加台数
36台
(ADVAN装着車 19台)
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東日本大震災の影響で開幕戦の岡山大会が順延され、事実上の2011年開幕戦として富士スピードウェイで行われた「FUJI GT 400km RACE」。
すっかり風物詩となった感のある、ゴールデンウィークの富士でのレースとしては珍しく、レースは激しい雨中の攻防となったが、GT500では「WedsSport ADVAN SC430」、GT300では「ZENT Porsche RSR」がそれぞれ3位表彰台を獲得するなどADVAN装着車が健闘を見せた。

未曾有の大災害の発生によって事前合同テストなどがキャンセルされ、各陣営にとってぶっつけ本番に近い状況で迎えた今大会は、金曜にテストディが設けられ、事実上の3日間開催に。
しかし、徐々に天候は悪化の一途を辿り、土曜の公式予選では強風が吹き付け、さらにスーパーラップでは路面温度が20度を割り込むなど、不安定なコンディションでのセッションが続いた。

そんな中、GT500では安田裕信選手がアタックを担当した「ADVAN KONDO GT-R」が、スーパーラップで1分33秒058の好タイムをマークし3番手に食い込む。「2周目に計測するスーパーラップで、ADVANタイヤの温まりの良さがアドバンテージとなった」と、KONDO RACINGの杉崎公俊チーフエンジニアが語ったように、ライバル陣営がタイヤのウォームアップに苦しみスピンやコースアウトを喫する中、温まりの良いADVANタイヤのパフォーマンスをいかんなく発揮、セクター2での印象的な速さを活かして見事予選セカンドロウを獲得した。

GT300でもADVAN装着車の「JLOC ランボルギーニ RG-3」がスーパーラップでトップタイムをたたき出すも、再車検で僅かに重量が足りず失格の憂き目に遭い、「PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ」の2番手がADVAN装着車の最上位となっている。

予報どおり雨に見舞われ、気温13度、路面温度14度と肌寒いウエットコンディションに転じた日曜の決勝。大会名称には「400km」とあるものの、ガソリン・電力不足などの社会状況を鑑みレース距離が短縮され、300km・66周での戦いとなった決勝は、午後2時のスタート直前雨脚が強まったことで、急遽セーフティカー先導によるレーススタートとなった。

5周終了時点でセーフティカーがコースを離れ、レースは6周目から本格的な戦いに突入。
全車が水煙の中で1コーナーになだれ込んでいくが、ここでもADVANタイヤの温まりの良さを活かし、ビヨン・ビルドハイム選手がドライブする「ADVAN KONDO GT-R」が3番手から一気にトップに躍り出てレース序盤をリードする。ところが、フロントウインドウ内側が曇り、視界不良に陥ったビルドハイム選手はペースダウンを余儀なくされ、12周目に無念の後退を強いられてしまう。

しかし、代わってトップに立ったマシンもアクシデントで脱落。
また、目まぐるしく変化する雨量の中、予選14番手から怒濤の追い上げを披露したのは片岡龍也選手がドライブする「WedsSport ADVAN SC430」。10周目に8番手、15周目に6番手と着実にポジションを上げると、44周目までピットインを引き延ばしつつ、さらにADVANタイヤの耐久性の高さを活かしタイヤ無交換という戦略でピットタイムを短縮。
さらに雨量が増え、難コンディションとなった後半スティントでも荒聖治選手が好走を見せた結果、コンディション不良から59周での赤旗によるレース終了という波乱の展開となった今季初戦で、見事3位表彰台を手にすることとなった。

一方、GT300では序盤、谷口信輝選手の「初音ミク グッドスマイル BMW」、山内英輝選手の「PACIFIC NAC イカ娘 フェラーリ」が2番手を争うところに、予選8番手から追い上げた都筑晶裕選手の「ZENT Porsche RSR」が割って入るなど、ADVAN装着車が激しい上位争いを展開する。

当初から無交換作戦を念頭に置いていた都筑選手は、雨脚の強まる中、ADVANの深溝レインタイヤを武器にハイペースで安定した周回を重ねていくが、その背後では同じくADVANユーザーである山野哲也選手の「R&D SPORT LEGACY B4」と嵯峨宏紀選手の「ハセプロ MA イワサキ apr カローラ」が熾烈な3番手争いを見せレースを盛り上げる。

33周目、都筑選手からステアリングを引き継いだ土屋武士選手は、予定通りタイヤ無交換でピットアウト。不安定なコースコンディションとなり、多くのマシンがコースアウトやスピンを喫する中、56周目には2番手に再浮上を果たすも、直後にレースは赤旗終了に。
このためレースの正式結果は1周戻って55周終了時点となり、「ZENT Porsche RSR」は3位フィニッシュということとなった。
 
Driver's Voice
片岡龍也 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 3位】
ADVANはウェットタイヤに自信があるということでしたので、スタート前迷わずインターミディエイトから深溝に換えてスタートしました。事前テストもなくぶっつけ本番の状態で、ADVANの深溝レインタイヤでの走行経験もまったくなかったのですが、そのグリップと温まりの良さは既にセーフティカー先導中に感じ取れましたし、本格的にスタートしてからも3周ほどで周囲より明らかに自分のペースが速いと確信、不安無く攻めていくことができましたね。
チームとしてGT500デビュー初戦での3位表彰台獲得は非常にうれしいですが、個人的には今日の結果はADVANのウェットタイヤのパフォーマンスに助けられてのものであり、本来の自分たちの力はまだGT500で15番目だと捉えています。
実力を上げていくためにも、少しずつデータを蓄積し、ADVANとともにタイヤ開発を進めていきたいですね。
 
荒 聖治 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 3位】
限られた時間の中で今回の体制を作っていただいて、まずこの場に参加できているということにすごく感謝しています。
シェイクダウンではシステムチェックなどがメインで、テスト的なことは全然できていない状態で、今週も毎セッションが挑戦していくようなレースウィークだったんですが、そこでクルマの方向性も良い方向にいったことに加え、ADVANのウエットタイヤがすごく高いパフォーマンスを発揮してくれたことで、3位という結果が残せたと思います。
色々な意味で今後に向けての良い自信になり、手応えをつかむことができました。
  
安田裕信 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 7位】
予選では自分にとって初めてのアタッカーを務めるということでプレッシャーもあったのですが、それをプラスに変えられたということは、チームとADVANタイヤのお陰だと思います。
決勝ではウェットとなり、スタートしてビヨンがトップに立ったときには正直、勝てるのではないか、と思ったのですが・・・。僕のスティントでは前とのギャップを詰めるべく浅溝に賭けたのですが、ピットアウトしてから雨量が増えてしまいコース上に留まるのが精一杯という状況になってしまいました。
残念ですが、次戦の岡山でも今回のように予選トップ3を目指して、なおかつトップ3でレースが戦えるよう頑張ります。
 
ビヨン・ビルドハイム 選手
 【今回の成績 : GT500クラス 7位】
KONDO RACINGでの初戦だったけれど、今週末を通じてチームとマシン、そしてADVANタイヤの高いパフォーマンスを感じることができました。予選ではチームメイトが頑張ってくれて、決勝ではスタート直後にトップに立つという絶好のチャンスとなったのに、残念というしかないですね。
セーフティカーが明けてからわずか3周ほどでフロントガラスの内側が曇り始めてあっという間に視界を失い、ブレーキングポイントも見えずペースが上げられなくなってしまいました。ピットインして視界が確保されてからは、ADVANタイヤのパフォーマンスも良く、再びペースが上がっただけに本当に悔しいけれど、次の岡山で取り返したいですね。
 
土屋武士 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
もう1周赤旗が出るのが遅かったら2位だったんですけれど、まぁルールですからね。すごく判断は良かったと思うし、結果に関してもまったく悔いはないです。
昨日の(スーパーラップでの)ミスもあるし、都筑選手の頑張りもあるしで、すごくプレッシャーを掛けられて、それが集中力にもなりました。ミスを恐れずガンガンいけたので、最後に雨が強くなった時も、無交換作戦で厳しかったんですが、これはチャンスだと思いました。
最初に履いていたタイヤは深溝のミディアム。他がたぶんミディアムハードぐらいだったんじゃないかと思います。
次の岡山は、今年2年目のクルマとチームになって、総合力的にはすごくレベルアップはしていると思うし、自分たちがベストを尽くせる準備はきちんとしてきているので、自分たちのレースをするだけです。
 
都筑晶裕 選手
 【今回の成績 : GT300クラス 3位】
自分でもエキサイティングなレースだったと思いますし、楽しかったですよ。
最初から無交換でいこうと思っていたので、タイヤをセーブしていました。トップのマシンが途中まで見えていたからプッシュしたかったけど、飛び出してしまったらダメなんで、気持ちは抑えていました。
表彰台はやっぱり気持ち良かったですし、次は真ん中にいきたいって思いました。充分その手応えは感じましたね!
 
Turning Point
GT500デビュー戦の「WedsSport ADVAN SC430」がいきなりの表彰台に。

赤旗終了となるほどの激しい雨の中、GT500デビューレースながらいきなり3位表彰台を勝ち獲った「WedsSport ADVAN SC430」。このマシンを走らせるLEXUS TEAM WedsSport BANDOHは、今季GT500に新規参戦ということで、マシンも事前テストはおろか4月20日にシェイクダウンしたばかりという状況でのレースウィークだった。

「僕自身ドライバーとしてGT500に久々の復帰ですし、GT500でのADVANタイヤの経験もないので、荒選手のアドバイスをもらいながら、チームとともに毎セッションマシンとタイヤについて勉強している状況」と片岡龍也選手が語ったように、データも充分では無い中、予選では14番手に。
しかし、その一方で「他のレクサス勢とのタイム差が1秒ほどと、事前に想定していたほど差は大きくない。
「今後SC430にマッチしたADVANタイヤの開発をさらに進めていけば、チャンスは充分あるのではないかという手応えも感じています」と片岡選手はレース前に自信を口にした。

その数時間後、片岡選手と荒選手は周囲の予想を覆し、3位表彰台に立ってみせる快挙。
チームを率いる坂東正敬監督は「予選終了後は、やはり(GT500という)ハイレベルな凄いところに来たな、と実感しました。ADVANタイヤとSC430との組み合わせという部分のデータ不足も含め、今後の課題も多いのは事実ですから、今日は頑張ってくれたドライバーふたりはもちろん、いいマシンを用意してくれたTRD、そして高いパフォーマンスを発揮してくれたADVANタイヤありきの表彰台だったと思います」と喜びを語った。

次戦以降も「WedsSport ADVAN SC430」の更なる成長と飛躍に注目が集まることだろう。
 
Engineer's Voice
荒川 淳
レースウィークの天候が事前の予想より悪かったために、持ち込んだタイヤの設定温度に比べて全体的に寒いコンディションでの週末となりました。
しかしながら、予選では安田裕信選手の頑張りもあり、「ADVAN KONDO GT-R」が2列目グリッドを獲得しました。特にセクター2での速さが際立っていたと思いますが、他社製タイヤのユーザーがスピンを喫するなど、タイヤのウォームアップに苦しむ中、我々ADVANの温まりの良さがアドバンテージとなったと思います。

今回がGT500デビュー戦となる「WedsSport ADVAN SC430」は、レースウィーク直前にシェイクダウンしたばかりということもあって、クルマとタイヤとのマッチングや開発がこれから始まる発展途上の状態です。
惜しくもスーパーラップ進出はかないませんでしたが、現段階で「WedsSport ADVAN SC430」が履いているのは、この2シーズンほどGT-Rで開発して来たADVANのGT500用スタンダードタイヤ的位置づけのもの。今回の状況から、GT-Rで続けて来た開発の方向性がSC430においても間違いなかったことが確認できました。その点で、今後も充分パフォーマンスを向上することが可能だと感じられました。

ウエットとなった決勝ではコンディションの見極めが難しかったのですが、最終的に「ADVAN KONDO GT-R」、「WedsSport ADVAN SC430」ともにスタートタイヤは同じ深溝をチョイスしました。
「ADVAN KONDO GT-R」のビヨン・ビルドハイム選手が序盤トップに立ち、パフォーマンスも非常に良かっただけに視界不良というトラブルは惜しかったですが、その分「WedsSport ADVAN SC430」の片岡龍也選手と荒聖治選手が良い走りをしてくれたと思います。ピットのタイミングで前のマシンとのタイム差が十数秒あったのですが、それまでのタイムの推移などを見て充分最後まで無交換で行けるという確信がありましたので、チームにも推奨しました。
結果的にトップ2台も無交換でしたので、無交換作戦によって大きく差を詰めることはできませんでしたが、チームとドライバーは見事に期待に応えてくれました。

GT300については「ZENT Porsche RSR」の都筑晶裕選手と土屋武士選手が好レースを展開し3位表彰台を獲得してくれて良かったと思います赤旗が出なければ2位は確実でしたが、タイヤとしても充分なパフォーマンスが発揮できていたのではないでしょうか。

次戦岡山に向けては、我々は3月上旬にテストが出来ていますので、その状況を踏まえてさらに精度の高いタイヤを投入できると思います。
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