ヨーロッパラウンドに入っているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、2つめの大会はベルギーでの開催となる。
この国でWTCCが戦われるのはシリーズが発足した2005年以来2回目のことになるが、その時のコースはスパ-フランコルシャンだった。対して今年のベルギー戦はゾルダー・サーキットが舞台。すなわち、WTCCは史上初開催となるサーキットでの戦いを迎えるのである。
過去、F1グランプリの舞台としてもその名を馳せた名門コースは、起伏に富んでいるという特徴がある。初開催ということでどのチームも過去のデータが無い状態だけに、ここはチームの総合力が試される一戦となる。
これは今季のWTCCにおいて、タイトル争いの行方を占う意味で重要なポイント。
何故なら、ここまで3大会/6戦を終えて、ポイント争いは各部門においてとても拮抗しているからである。
まずチャンピオンシップ争いを見ると、開幕戦と前回の第6戦を制しているシボレーのイヴァン・ミューラー選手が唯一得点を3桁に乗せて頭ひとつ抜き出ているものの、同様に2勝を挙げているセアトのガブリエレ・タルクィーニ選手との点差はまだ「24」に過ぎない。
さらにそこから2点離れた4番手には、こちらも2勝を飾っているBMWのアンディ・プリオール選手がつけている。
そう、つまりはここまでの6戦はこの3選手が勝利を2つずつ分け合っているかたちになっているのだ。
それゆえにマニュファクチャラータイトル争いも熾烈を極めており、トップのシボレーと2位のセアト・カスタマーズ・テクノロジーは16点差、3位のBMWとは35点差であり、これはまだまだ先が読めない点差の範囲である。
この中では悲願の初タイトルなるかが注目を集めるシボレーの戦いぶりが気になるところ。開幕戦でいきなり表彰台を独占して幸先よいスタートを切ったシボレー陣営、前戦(第6戦)でも1位と3位を獲得しているので、初開催となるゾルダーの地でこの勢いに更に弾みをつけることが出来るのだろうか。
しかし、好調であることは、逆に補正ウェイトが大きくなることにもつながる。事実、ベルギー戦ではシボレーとセアトのディーゼルエンジン車に最大値となる+40kgが課せられている。
そうなると+20kgと有利なBMWがどのような戦いぶりを見せるのか。特に今季ここまで未勝利でいま一つ波に乗れていないアウグスト・ファルファス選手の巻き返しにも期待したいところだ。