南米大陸はブラジル、そしてアフリカ大陸のモロッコと転戦してきたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)も、いよいよ主戦場となるヨーロッパラウンドに突入する。
その緒戦はイタリアのモンツァ。昨年は開催が見送られた名門コースが2年ぶりにWTCCのステージとして復活した。
日本のWTCCファンにとっては2008年の秋に、SUPER GTでもお馴染みの織戸学選手や青木孝行選手らがWTCC初参戦を果たしたことが記憶に新しいところだろう。
さてモロッコ戦をここで振り返ると、とにかく荒れた展開だったことが印象深い。特に第2レース(シリーズ第4戦)は周回のほとんどをセーフティカーランが占めるという異例の展開となった。
その第2レース、2回目のセーフティカーランの要因となったのが、BMWのアウグスト・ファルファス選手とシボレーのアラン・メニュ選手の接触アクシデント。
外側に押し出される形でウォールに激突したメニュ選手のマシンはやはりダメージが深刻なようで、来るモンツァでのイタリア戦にはシボレー・クルーズのテストカーを使っての参戦となることが明らかになった。
今季ここまでの4戦、早くも2勝を飾っているセアトのガブリエレ・タルクィーニ選手はシリーズランキング争いで単独トップに立っている。2番手はシボレーに今季から移籍したイヴァン・ミューラー選手、そして3番手もシボレーでロブ・ハフ選手。4番手が2台に参戦を絞ったBMWマニュファクチャラーの1台を駆るアンディ・プリオール選手である。
こうした結果を受けて、イタリア戦からはカンペンセイト(補正)ウェイト制度が展開される。過去2戦のラップタイムデータを基にバラストを車種ごとに搭載するシステムだが、イタリア戦については次のようになった。
ただしモンツァ戦の第2レース(第4戦)については前述の通り、レースラップのほとんどがセーフティカーランとなってしまったため、今回はラップタイム差の算出方法がやや変則的なものとなった。