1993年に発足したF4(フォーミュラ4)。"ミドル・フォーミュラ"と称されるこのカテゴリーは、ステップアップを目指す若手ドライバーからベテランアマチュアレーサーまで、参加者層の幅が広いという特徴がある。
世代を超えた戦いは、ドライバー同士の切磋琢磨によるスキルアップ効果が高く、かつ単なる運転技術だけでなくレースに必要な駆け引きやマシンのセットアップ能力、さらにルールやマナーといった戦う上で必要な基本的な部分までをも習得することが出来る。
シリーズは東日本と西日本でそれぞれ白熱、さらにシーズン終盤には日本一決定戦も開催。2009年はWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のサポートレースとして日本一決定戦が催され、大観衆がF4の熱いバトルを堪能した。
2010年、F4は更なる飛躍の年を迎えた。
詳しくは特集企画
「F4(Formula4) 新時代の幕開け」をご覧いただきたいが、規則が改訂されてエンジン排気量の上限が従来の1,850ccから2,000ccへと引き上げられた。さらにトランスミッションはシーケンシャルの使用が認められ、サバイバルセル(モノコック)に関してはカーボンファイバー素材が使えるようになる。
もちろん従来から参戦している車両も継続使用が可能であり、これによって新旧のマシンが混在して一層レースは白熱することが期待される。
F4というカテゴリーでは現実的な面でローコストであるという大きな特徴がある。この美点は規則が改訂されても基本理念としてしっかり受け継がれており、他のフォーミュラカテゴリーとは明確に"立ち位置"が異なっている。
またドライバーのみならず、マシンセットアップの領域が広いことからメンテナンスガレージやメカニックにとっても習得することが多いと言われるF4。
今年は昨年以上に魅力的な戦いが東西それぞれのシリーズで繰り広げられることになるだろう。
【ADVAN TIRE INFORMATION】
F4を長きに渡って足元から支えてきたのがADVANレーシングタイヤ。
これまでもワンメイクコントロールタイヤとして優れた性能が参加者から支持を集めてきたが、2010年シーズンからはさらに参加者の声に応える面を含めて改良を加えたタイヤを投入する。
スペック的にはフロントのサイズを従来の180から200に拡大。リアは従来通りの240で、数値的にはF3と同じサイズになった。
フロントのサイズアップは2,000ccエンジンが認められたことで、ハイパワー化への対応である。また、フロントキャンバーを大きく取れることでアンダーステア解消につながるメリットも見逃せない。
また参加者から要望が出ていたライフ性能の向上も図られている。
しかし、もちろんパフォーマンスについての妥協は一切ない。開発テストでも摩耗量の少なさ、多くの周回を重ねた時の安定性は確認されており、その上でラップタイムは従来と全く遜色ない結果を残している。