全国のサーキットで地方戦が開催されている参加型ツーリングカーレースと言えば、主役は改造範囲の限られたN1車両。
このN1車両による参加型耐久レースとして発足したのが、現在のスーパー耐久である。
今日では時代に合わせてN1規定をベースとしながらも、独自の規則を運用しており、エアロパーツや足回りなどアフターパーツマーケットとの連動性も重視されている。
また、N1規定では4シーターのベース車のみに参加が許されるが、スーパー耐久では"特認"という仕組みを活用して、2シーターリアルスポーツカーにまで参加の門戸を拡げた。この結果、バラエティ豊かな車種が長丁場を競い合うという耐久レースらしい見どころにあふれるシリーズとなっている。
近年は年間7戦のカレンダーであったが、2009年は1大会が新たに加わりシリーズとして全8戦になった。
その頂点は日本で唯一開催されている「十勝24時間」、さらに500kmや4時間という長丁場に加えて、比較的短い400km級のレースが復活することで、各車種がそれぞれの持ち味を充分に発揮する戦いの舞台が揃った。
2008年は「十勝24時間」で大会独自に設定されたECOクラスにバイオフューエル燃料を用いたフェアレディZが参戦、スーパー耐久ST-1クラス仕様をベースとしたマシンはノートラブルで24時間の過酷な戦いを完走して総合でも4位に食い込んだ。
【ADVAN TIRE INFORMATION】
スーパー耐久ではドライ路面用のスリックタイヤと、ウェット路面用の溝付きタイヤを、それぞれ一種類ずつ使用することが出来る。
サイズは基本的にベースとなる車両の新車装着サイズ(オプション設定を含む)となるが、一部の車種については特認措置によって新車装着とは異なるサイズの使用も認められている。
ただしあくまでもN1規定がベースとなるので、オーバーフェンダーの装着などは許されていない。ノーマルボディ形状のフェンダー内に納まるサイズであることが絶対条件だ。
耐久レースということでピット戦略も重要になるが、SUPER GTとは異なりセンターロックホイールの使用は許されていない。この点も4穴や5穴というノーマル車両と同じハブ&ホイールを使っているので、タイヤを交換するスタッフの速さも結果を大きく左右する要因になる。
タイヤについては、スーパー耐久シリーズはコンペティションな世界。ワンメイクコントロールタイヤ制度は導入されていないが、現状ではADVANで戦うチームがほぼ全てを占める。
長年に渡る国内外のツーリングカーレースシーンでの活躍、そして高い技術力から生み出されたADVANレーシングタイヤのポテンシャルが広く認められた結果であると言えるだろう。
また2008年は非石油系素材の使用比率を高めたエコ・レーシングタイヤを「十勝24時間」に実戦投入。バイオフューエル燃料を用いたマシンとのコラボレートで見事にノートラブルで完走を果たし、新時代のモータースポーツに向けたチャレンジがひとつ実を結んだ。