レギュレーション変更によって、今まではダンパーにしても、エアロパーツにしても、多少なりにチームのオリジナリティを出せていたのですが、今年からはそういった部分がレクサス全車共通ということになりました。
自由に変えられるのはサスペンションスプリング、タイヤ、ホイール、あとは車高。その部分において、昨年以上にイコールになったように思います。
またクルマが軽くなって、エンジンも変わったのですが、僕たちの予想ではストレートは遅くなるだろう、と。実際には先に行われた富士スピードウェイでのテストではニッサン勢が300km/hを超えているので、全体的にレベルアップしたように思います。
先に言ったようにイコールだからこそ、今まで以上にタイヤが重要になってきて、勝つためにタイヤの占める割合は、より明確になってくるかなとは思っています。ただ、今年もやると決めたのが12月末で、モノコックが来たのが3月なので、ヨコハマタイヤとしっかりテストが行えなかったことに、申し訳なく思っています。
富士でしかテストできていませんが、タイヤのパフォーマンスが向上しているのは僕らも認識していまして、それがタイムに比例しているのですけど……。他のメーカーさんも比例しているし、今の段階ではまだ見えていない部分もあるので、ゴールデンウィーク明けに行われるスポーツランドSUGOのテストでは、しっかり開発を進めていきたいと思っています。
クルマのレギュレーションも変わりましたが、僕らのチームはドライバーも変更しました。GT300の頃からヨコハマタイヤで勝ちたいという思いを持ってずっとやってきていて、GT500に上がってからも、それは一緒なのです。3年間で3回表彰台、ポールポジションが1回あるのですが、あと一歩のところで勝てなかったので、今年はかなり大きな決断をしました。
3回チャンピオンを獲っている脇阪寿一選手、僕が監督デビューの時に勝たせてくれた関口雄飛選手を起用しました。関口選手には速さをアピールできる機会を提供し、脇阪選手にはタイヤ開発に貢献してもらいます。実はこれ、彼からの申し出でもあるんですよ。
これだけの環境を与えてくれたヨコハマタイヤにはいくら感謝しても足りないし、またレクサスにも同様ですね。
今までは打倒ワークスを目標に掲げてきましたが、今年はいかにワークスになれるかに変更しました。勝つのももちろんですが、これからはレクサスの中で僕らが何番目にいるかも注目してほしいですね。