さて、改めてSUPER GTとは、どんなレースなのか紹介しよう。
市販車をベースに大胆な改造を施したGTカーを用い、通常は300kmのレースをふたりのドライバーがシェアして戦う。最もシンプルな表現を採れば、こういう感じになる。ただし、全8戦のうち2戦は、500kmと1000kmで競われ、その際には3人目のドライバーを登録することができる。
レースウィークのスタートは土曜日で、午前中に2時間のフリー走行を行なった後、数時間のインターバルを経て、午後に予選を行い、決勝のグリッドを決定する。
その予選は現在、すべてノックアウト方式となっており、セッションはすべてクラスごと走行。15分間で計測されるQ1ではGT500は9番手以下が、GT300は14番手以下がその時点で順位を決定する。それぞれ8番手以上、13番手以上は続いて12分間で計測されるQ2への進出が許され、そこで最終的なグリッドを決定する。
ちなみにQ1とQ2には、同じドライバーが走ることは許されていない。エースドライバーを、確実に上位を狙うならQ1に、ポールポジションを狙っていくならQ2に投じるのがセオリーだが、コースやコンディションによって得手、不得手も分かれるため、その采配、判断も重要な鍵となる。
日曜日の午前中に30分間のフリー走行が行われ、ここで決勝レースに向けたセットアップが進められる。さらにスタート直前のスタート進行の開始時も8分間のウォームアップが設けられ、そこでは最終調整、タイヤのスクラブが行われる。
スタートを担当するのは、どちらのドライバーでも可。エースで序盤に勝負をかけるも、終盤に巻き返すも、それは自由だ。
レース中には1回のピットストップが義務づけられ(500km、1000kmレースを除き)、その間にドライバー交代を行わなければならない。
同時に給油も行われるが、タイヤ交換に関しては特に義務づけはないため、そこに作戦も講じる必要が。時に後輪だけ、片側だけ2本の交換、あるいは無交換としてロスタイムを最小限とし、それが勝敗を大きく左右することも多々あることで知られる。
300kmレースとはいえども、約2時間の戦いであるため、ファンにもスプリント以上の楽しみ方ができるのが、魅力のひとつである。できれば、広いサーキットのさまざまなポイントで観戦していただきたい。
グランドスタンドでストレートを全開で駆け抜けていく様子を、そしてスタートの迫力や緻密な作業を行うピットワークを堪能するも良いが、できればコーナーにも足を運ぶことをお薦めする。想像を超える旋回速度もさることながら、速度の異なるGT500とGT300が、どう抜き、どう抜かれるかも見てほしい。
そのあたりにうまさの違いを感じられるようになったら、もう観戦上級者への仲間入りだ。そのためにも今年はぜひ、一度でも多くサーキットを訪れていただきたい。ちなみに第2戦は静岡県の富士スピードウェイで、5月4日(日)に決勝レースが行われる。