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Lotus Cup JAPANは、発足から7年目のシーズンを迎えている。ナンバー付きのElise-Sカップ・カーで発足して以降、2-ELEVENが加わり、さらに新型Eliseへと進化したカップ・カーの登場など、着実な歩みを続けているシリーズである。
特集企画の最終回は、このシリーズを支えてきているお二人に、改めてLotus Cup JAPANの魅力をお聞きした。
Lotus Cup JAPANは、日本におけるLotusの正規輸入総代理店であるエルシーアイ株式会社の中に、シリーズを統括するアソシエーション機能を有している。イギリスのメーカー本社と強い結びつきを持つことで、車両やレース運営について最新の情報やノウハウを参加者に還元できる体制が構築されているのだ。
そのアソシエーションで中心的な存在となるのが、エルシーアイ株式会社の谷田恵美さんだ。そしてもう一人、シリーズの技術的な面をサポートしているのが、Lotusの正規販売代理店であるウィザムカーズの篠原祐二さん。シリーズ運営を支えると同時に、長くエントラントとしても参戦を続けておりチャンピオンも獲得している。
まずは谷田さんに、改めてLotus Cup JAPANというシリーズのコンセプトについてお聞きしてみよう。

「2007年にナンバー付きのEliseによるワンメイクレースとして発足し、2009年には2-ELEVENが加わりました。2-ELEVENの初年度はナンバー無しでしたが、翌年からはナンバー付きに変更して現在に至っています。
Lotus Cup JAPAは、“ナンバー付き車両で、コストをそれほどかけずに楽しめるクラブマンレースを日本でも実現したい”というのがそもそものコンセプト。その主旨は発足から現在まで一貫しています」
篠原さんはLotus Cup JAPANに最初は参加者として、そして近年は運営側として携わっている。それだけに色々な視点からシリーズを見てきているわけだが、レースそのもののコンセプトは変わらない一方で、参加者には大きな変化もあるという。

「私は2010年まで参加者としてシリーズにフル参戦してきました。自分がレギュラー参戦していた当時と現在を比べてみると、全体的な参加者のレベルが大きく向上しているのです。
具体的な例を挙げると、黎明期はプロフェッショナルのゲストドライバーさんが、決勝は最後尾スタートなのに一般の参加者を全員抜いて優勝するとことも珍しくありませんでした。しかしシリーズが歴史を重ねるにつれて参加者のドライビングスキルが高まり、百戦錬磨のプロフェッショナルでも最後尾スタートではそう簡単に勝てなくなってきたのです」
Lotus Cup JAPANは発足初戦から現在まで、必ずSUPER GTなどを戦うプロフェッショナルがゲストドライバーとして参戦し、一般の参加者と同じ土俵で戦ってきた。これはシリーズの大きな特徴であり、参加者にメリットが大きいと篠原さんは語る。

「ゲストドライバーの方々は、本当に色々なことを教えてくれます。それは単にドライビングテクニックだけではなく、レースに対する心構えやルールとマナーについてなども含めてです。その中でドライビングについては、決勝を一緒に戦えることがとても勉強になります。1周まるまる真後ろについて走れたとか、抜かれてから3つくらいコーナーをついていけたとか、そういう経験の中でプロの走りを間近に見て技の凄さに感心しつつ、その技を“盗む”ことも出来ますから。
さらに走り終わったら、直接お話しをお聞きすることで復習も出来ます。車はイコールコンディションですから、教わったことを基に自分のドライビングをアジャストしやすいんです。どこが良くて、どこがダメなのかハッキリわかるので、上達の近道としてLotus Cup JAPANは最適なレースだと思いますよ。受験勉強の赤ペン添削みたいな感じですね(笑)」
谷田さんは、インポーターの立場としてもユーザーのドライビングスキル向上は歓迎しているという。

「Lotusを購入したけれど、どう遊んでいいのか、どうすればスポーツドライビングを楽しめるのか解らない、という方が、実は意外と多かったんですね。

そこでインポーターとしてこういう場を設けて、Lotusを安全に楽しむということをサーキットで知っていただくことが、Lotusの本当の面白さを見つけていただく近道なんだと実感しています」
レースを通じて高められるドライビングスキル。しかし、競争であるレースは、時として参加者同士が過度なライバル意識を抱き合い、ギスギスした空気が漂ってしまうこともある。
しかし、少なくともLotus Cup JAPANに関しては、その心配は無用だと篠原さんが強く訴える。


「もうひとつ初年度から変わらないことに、雰囲気の良さがあります。もちろん参加するからにはみんな勝ちたいんですけれど、それ以上に楽しくレースをしたいという思いが強いんですね。自分自身が上達して勝つようになると、それを自慢するのではなく、みんなで分かち合いたくなるんですよ(笑)」
シリーズ発足当初からドライバーとして参戦を続けてきた、篠原さんが感じている“雰囲気の良さ”。これは、例えば7年間で大きな多重クラッシュがほとんど発生していないことでも明らかであるし、なによりもLotus Cup JAPANのパドックを一度でも訪れてみればすぐに実感出来る。予選でも決勝でも、とにかく走り終えた参加者同士が、ゲストドライバーや運営スタッフも交えて、談笑している風景がいつも見られるのだから。
この“雰囲気の良さ”は、谷田さんも強く感じているという。


「Lotus Cup JAPANに参加されている皆さんは、本当に雰囲気がいいですよね。自分の走り方や技量を、お互いに包み隠すことなく教えあっていることも当たり前の風景ですし。そして新しい参加者の方が来ると、輪の中に迎え入れてどんどん色々なことを教えていくんです。
だから、私が無理に仕切らなくても、参加者同士がとても仲良くされていて、お互いに切磋琢磨されているんですよ」」
この雰囲気の良さこそ、ジェントルマンレースという言葉で表現するのが相応しいもの。紳士の国・イギリス生まれのLotusでレースをする人は、やはり万国共通で紳士ということなのだろう。
その上で篠原さんが、魅力の秘密を語る。


「イコールコンディションで、ドライバーの技量が試されるからこそ、みんな真剣にレースに取り組んでいます。その背景には、Lotusだからという理由が大きい。Lotusというクルマの素性の良さ、気軽にレーシングスーツやヘルメットなどを愛車に積んでサーキットに出掛け、本格スポーツカーでレースを出来るという環境が、なによりの魅力ですよね」
お二人のお話しを突き詰めていくと、Lotus Cup JAPANの最大の魅力とは“Lotusのレースであること”と言えるかもしれない。Lotusは単に優れたスポーツカーとしてだけではなく、イギリスで熟成されているモータースポーツ文化も一緒に日本へと輸入されているのだ。
そんなLotus Cup JAPANだが、2013年はスーパーチャージャーエンジンを搭載した新しいEliseカップ・カーが投入される。最後にこのニューマシンを含めたLotusという車の魅力について、谷田さんに解説していただこう。

「現状の日本におけるLotus Eliseのラインナップは、排気量1,600ccの自然吸気エンジンか、1,800ccのスーパーチャージャーか、ということになっています。両者を比べたとき、速さやパフォーマンスという点では、新しいカップ・カーにも搭載される1,800ccスーパーチャージャーエンジンの方が圧倒的なのは明らかです。
しかし、初めてLotusに乗るという方や、まずは街乗りから楽しんでみたい、という方には、1,600ccでEliseの本質を知っていただくのもお薦めです。そして1,600ccモデルのEliseを味わい尽くした後に、1,800ccスーパーチャージャーに乗り換えていただくと、更に楽しいLotusライフを過ごしていただけるのではないでしょうか。
Lotusも着実な進化を続けていて、最新モデルの完成度はとても高いですし、乗りやすさや速さも抜群です。無理なく速く・楽しく乗れるのが、Eliseの大きな魅力ですね」
[UPDATE : 9Aug.2013]
         
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