−今回は工場を一般開放したわけですが、これはかなりの英断では?
野呂工場長 :
確かに自社イベントではないのに、工場を開放したというケースは過去にあまり無いかもしれませんね。
でも、どうして英断出来たのかというと……、端的に言えば構内の決められたところを走っていただくだけのことですから、私自身は特に英断だとは思っていないんですよ(笑)。
見学も自由にしましたが、これは地域と共存しているという意味でも、どんどん地元の方々に来ていただきたいと思いました。
モータースポーツに限った話ではありませんっが、例えば全日本ラリー選手権の新城ラリーをはじめとして、いろいろな地域のイベントに参加し、協力していくことは、イベントを自分たちも楽しめますし、地域との理解も深まっていきます。これは工場にとって、モチベーションを高めるという大きな効果がありますね。
−最後に、新城工場とモータースポーツの関わりを教えてください。
野呂工場長 :
新城ラリーへの協力などがありますが、工場としてはモータースポーツの競技専用タイヤを作っているわけではないので、関わりが薄いように見えるかもしれません。
しかし、横浜ゴムの中でハイ・パフォーマンス・タイヤと呼ばれるジャンルのタイヤを製造しているのは新城工場です。具体的にはADVAN
NEOVA AD08RやADVAN Sportなどですが、これらはモータースポーツやスポーツドライビングとの繋がりがとても強い商品。むしろ、限られた競技車両だけではなく、幅広いスポーツユーザーの車に装着されますから、モータースポーツに対しても底辺まで幅広く捉えているスタッフが多いかもしれません。
また、ハイ・パフォーマンス・タイヤの商品群はメディアに大きく、格好よく採り上げられることが多いので、製造に携わっているスタッフも常に高いモチベーションを持っていると言えるでしょう。
地域に根ざしたイベントから、広がりを見せていく自動車文化。この日、横浜ゴム・新城工場を走った参加者はもちろん、見学に訪れて憧れの名車たちを間近にした地域の方々、そしてイベントを自らも楽しみながら支えた工場スタッフの誰もにとって、忘れられない一日となったことは間違いない。
子供のころ、街にやって来たスーパーカーのイベントが自動車好きになったキッカケという方も多いだろう。そして、そんな誰もの記憶に、その日のことはまるで昨日のことのように鮮やかに刻まれているはずだ。
横浜ゴムは、さまざまなかたちで日本における自動車文化への貢献を、これからも続けていく。