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Historic Car Meetingの世界 自動車文化を支えるヨコハマタイヤ
文化としての自動車。
世界有数の自動車生産国である日本、モータリゼーションも熟成の域にあるが、自動車文化という点では欧米に比べて根付いていないと指摘されることも多い。
しかし、文化というものは無理に作り上げるのではなく、自然に根付いてこそのものでもある。そういった中で自動車の主要部品のひとつであるタイヤを製造しているメーカーとして、どんなことが出来るのか。
ヨコハマタイヤの生産拠点のひとつである新城工場では、ひとつの取り組みとして「ヒストリックカーミーティング」の開催を支援した。
横浜ゴム・新城工場。日本が東京オリンピック開催を控えて高度経済成長の真っ只中にあった1964(昭和39)年6月に操業を開始、乗用車や小型トラック用のタイヤを生産する拠点のひとつである。

メーカーの工場といえば業種を問わず、近年は工場見学が大きなブームとなっている。もちろん横浜ゴム・新城工場でも工場見学の受け入れを一定の範囲で行っているが、工場には多くの機密事項も存在しているので、誰もが気軽にいつでも構内に入れる、というものではない。

しかし、そんな工場の構内を往年の名車たちが駆け抜けた。

2013年5月11日(土)、生憎の雨模様となってしまったものの「ヒストリックカーミーティング in TOYOHASHI」のコースに組み込まれた新城工場に、続々と往年の名車たちが集結。構内を貫く通路がコースの一部とされ、いくつかのチェックポイントが設けられた。各車は1台ずつ合図に従ってスタート、直線上にいくつか設けられたチェックポイントを通過する時刻の正確さを競い合う。

ちょうど走行はお昼休みの時間帯にもかかっていたことから、工場スタッフも多くが休憩時間を利用して走行の模様を見学。
また、この「ヒストリックカーミーティング」開催中は工場が一般にも開放され、近隣からは親子連れなどが多数足を運んでイベントの模様を見学した。

工場では来場された観客の皆さんに、記念品をプレゼントするなど受け入れ態勢を整えていた。建屋内には休憩所を設けたほか、食堂スペースを開放して温かいコーヒーなどをサービス。生憎の雨模様となってしまった当日ではあったが、多くの市民の皆さん、そして工場スタッフが“自動車文化”に触れた一日となった。
自社イベントではない催しで工場を一般に開放するというのは、業種を問わず珍しいケースであると言える。今回の「ヒストリックカーミーティング」開催において協力態勢を整えた中心人物が、横浜ゴム新城工場の工場長・野呂政樹(右写真)である。


−工場として協力に至った経緯を教えてください。

野呂工場長 :
元々は、「ヒストリックカーミーティング」にボランティア的な立場で関わってきた弊社の社員から、「こんなイベントがあるので、工場も何か協力できないか」という話があったんです。自分なりにイベントの内容を見て、これは何か協力できることがあるだろうと思い、主催者の方々との話し合いに入りました。

私自身、モータースポーツや自動車愛好家の底辺を広げたい、タイヤメーカーとしては自動車文化の普及・発展に貢献していかなければ、最後はタイヤも売れなくなってしまうのではないか、という思いがあります。
また、その一方では従業員についても、自動車文化と触れ合う機会が減ってしまっているのではないかという危惧も感じていました。昨今、若者の車離れなどと言われていますが、良く見てみると自動車と触れ合う機会が減ってしまっているようにも思えるのです。そこで、文化としての自動車に触れるチャンスを作っていく絶好の機会だと思いましたし、元から自動車好きの社員も大勢いますので、そういった人たちにとっても良い勉強になるのではないかと思って、協力することにしました。


−多くの工場スタッフの皆さんが、イベントのお手伝いをしていたようですが、これは業務命令?

野呂工場長 :
確かにイベントの受け入れは工場長である私の判断なので、もしかしたら半分くらいは業務命令だと思っている人がいるかもしれません。ただ、最初に主旨として、このイベントがわざわざ新城工場に来ていただけることになったので、みんなでしっかりお迎えしようという思いをスタッフで共有しました。その上で、短い時間ですが地域の方々にも楽しんでいただける
内容にしていこうと。
こういう思いがスタッフ全体に伝わって、最初のキッカケは業務っぽく始まったのですが、いざ準備などで動き出してみるとスタッフの一人一人が自らも楽しんで携わってきました。

これは、もしかすると新城工場の特色なのかもしれません。
例えば地域の清掃活動をすることがあるのですが、一般的にこういう活動では「今回は○×人を出します」というように動員をかけることも多いのですが、新城工場の場合は「こういう活動があります」と情報を出すだけで、参加希望者が大勢集まるんですよ。
地域に根ざした活動をしたいという思いが強いのが新城工場。地域性として新城市の中でも大きな工場のひとつですから、地域の中で横浜ゴムの存在は小さくないですし、そこで働く従業員にも誇りが自覚が根付いているのではないかと思います。
−今回は工場を一般開放したわけですが、これはかなりの英断では?

野呂工場長 :
確かに自社イベントではないのに、工場を開放したというケースは過去にあまり無いかもしれませんね。
でも、どうして英断出来たのかというと……、端的に言えば構内の決められたところを走っていただくだけのことですから、私自身は特に英断だとは思っていないんですよ(笑)。
見学も自由にしましたが、これは地域と共存しているという意味でも、どんどん地元の方々に来ていただきたいと思いました。

モータースポーツに限った話ではありませんっが、例えば全日本ラリー選手権の新城ラリーをはじめとして、いろいろな地域のイベントに参加し、協力していくことは、イベントを自分たちも楽しめますし、地域との理解も深まっていきます。これは工場にとって、モチベーションを高めるという大きな効果がありますね。


−最後に、新城工場とモータースポーツの関わりを教えてください。

野呂工場長 :
新城ラリーへの協力などがありますが、工場としてはモータースポーツの競技専用タイヤを作っているわけではないので、関わりが薄いように見えるかもしれません。
しかし、横浜ゴムの中でハイ・パフォーマンス・タイヤと呼ばれるジャンルのタイヤを製造しているのは新城工場です。具体的にはADVAN NEOVA AD08RやADVAN Sportなどですが、これらはモータースポーツやスポーツドライビングとの繋がりがとても強い商品。むしろ、限られた競技車両だけではなく、幅広いスポーツユーザーの車に装着されますから、モータースポーツに対しても底辺まで幅広く捉えているスタッフが多いかもしれません。
また、ハイ・パフォーマンス・タイヤの商品群はメディアに大きく、格好よく採り上げられることが多いので、製造に携わっているスタッフも常に高いモチベーションを持っていると言えるでしょう。



地域に根ざしたイベントから、広がりを見せていく自動車文化。この日、横浜ゴム・新城工場を走った参加者はもちろん、見学に訪れて憧れの名車たちを間近にした地域の方々、そしてイベントを自らも楽しみながら支えた工場スタッフの誰もにとって、忘れられない一日となったことは間違いない。



子供のころ、街にやって来たスーパーカーのイベントが自動車好きになったキッカケという方も多いだろう。そして、そんな誰もの記憶に、その日のことはまるで昨日のことのように鮮やかに刻まれているはずだ。
横浜ゴムは、さまざまなかたちで日本における自動車文化への貢献を、これからも続けていく。
[UPDATE : 24.May.2013]
       
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