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[vol.1] WTCCの魅力を再検証! [vol.2] 谷口選手&新井選手に聞く [vol.3] 世界の走りを支えるADVAN
[vol.4] 2011年のWTCCと有力選手 [vol.5] 鈴鹿の見どころ、私のお薦め [vol.6] 現地から最新情報をお届け!
10月21日(金)、鈴鹿の空に4回目の日本上陸を果たしたWTCCのエグゾーストノートが響いた。

鈴鹿サーキット・東コースを舞台とした「FIA WTCC Race of JAPAN」は14時ちょうどから30分間のテスト・セッションが行われ、各車は曇り/ドライというコンディションの下で走行を行った。

計測の結果はシボレーのアラン・メニュ選手が53秒608でトップタイムをマーク。これにボルボのロバート・ダールグレン選手が53秒722で続いて2番手、3番手にはシボレーのロブ・ハフ選手が53秒861でつけている。

以下、4番手がセアトのティアゴ・モンテイロ選手で54秒177、5番手がシボレーのイヴァン・ミューラー選手で54秒200、6番手はBMWのトム・コロネル選手で54秒409という結果になった。
今シーズン、日本人初のWTCCレギュラー参戦を果たしている谷口行規選手。金曜日のテストセッションでは、55秒067のベストタイムで総合16番手のポジションにつけた。

そんな谷口選手に、ホームコースである鈴鹿・東をWTCCマシンで走った第一印象をお聞きした。

「意外と、べらぼうに速かったですね(笑)。
S字なんかもほとんど全開で行けちゃうんじゃないかと思っていたのですが、実際にはしっかりブレーキングしていかないとダメでした」

金曜のテストセッション、そこでは30分の限られた時間でどのようなテーマを持って走っていたのだろう。

「テスト走行については、タイヤに厳しいと予想されるコースなので、対策のために新たなパーツをつけて走行していました。凄くオーバーステアの傾向になるのですが、同時に不安定にもなってしまって、これはちょっと失敗でした。
シボレーの中で僕の車だけが装着して走ったのですが、このパーツは簡単に元に戻したり交換が出来ないんです。なので、別のことでアンダーステア気味に振って行ってオーバーステアを消して、最終的にはアンダーステアだけれども不安定という不思議な状態になってしまいました(笑)」

タイヤマネージメントが勝負の鍵になると予想されている、鈴鹿・東コースでのWTCC。その点について谷口選手は次のように語る。

「決勝ではやはりタイヤのマネージントが重要になりますね。恐らくは左フロントが先に摩耗していくでしょうが、僕が思っていた感じの減り方なのでシミュレーションも難しくないと思います」

チームメイトのダリル・オーヤン選手は、テストセッションで54秒615をマークして総合9番手、YOKOHAMAトロフィー勢のトップタイムとなった。

「オーヤン選手には木曜日のコースウォークなどの機会に、それぞれのコーナーの特徴や走り方をアドバイスしました。テスト走行ではYOKOHAMAトロフィーのトップタイムを出しましたが、僕が教えた通りに走った結果でしょうね(笑)。

最後に谷口選手は、日本ラウンドのポイントを語った。

「明日の予選、そして決勝に向けてですが、まずはウェットのセットをしっかり出せるかどうかが最初の鍵になるでしょうね」
今回のWTCC日本ラウンドでは、その戦いぶりに世界中から注目が集まっている新井敏弘選手。世界的なラリードライバーがスプリントレースの世界最高峰をどのように戦うのかは興味を惹くところだが、テスト・セッションを終えた新井選手に改めてマシンのインプレッションをお聞きした。

「イギリスで事前にテストをして乗っていますが、仕様は基本的にその時と同じだと思います。走ったコースがイギリスよりも鈴鹿の方が滑りやすい感じなので、走っていてレースをやりながらも、同時にラリーもやっているような感じでした」

30分のテスト・セッションでは総合8番手となる54秒479をマークした新井選手。

「テスト・セッションはマシンに慣れることがテーマでした。ラップを重ねる毎にいろいろなトライをして挙動を確認したり、いくつかのライン取りを試してみたりしましたが、その手応えについては正直なところ『まだ、良くわからない』という感じでしょうか(笑)」

明日の予選は残念ながら雨の確率が高い鈴鹿。先に行われた参戦発表の記者会見では、WTCCの決勝は『雪が降れば有利だな』と語って会場を和ませた新井選手だが、雨ということでラリードライバーならではのドライビングテクニックが活かせるのではないだろうか。

「いや、上位陣はみんな百錬錬磨のメンバーですから、多少滑りやすいコンディションになったとしても、大きなメリットはないように感じています」

マシンそのものはラリーでいえばN車両よりもWRカーに近いという新井選手。初のスプリントレースへの挑戦に向けて、改めて意気込みを語ってもらった。

「どのぐらい攻めていけるか、まずは第1レースを他車とぶつからないようにしっかり完走していきたいと思います。その上で第2レースでは行けるところまで攻めてみようと思っていますので、特に第2レースに注目してください」
日本ではこれまでに岡山国際サーキットを舞台に3年連続で開催されてきたWTCC。今年は戦いの舞台が鈴鹿サーキット・東コースに移ることについて、タイヤエンジニアはテスト・セッションの結果を受けてどのようなことを確認したのだろうか。
横浜ゴム・MST開発部の丹羽正和は、30分のテスト・セッションを終えた直後に次のように語った。

「シボレーのピットでテストの時間はチェックをしていたのですが、やはりFF(前輪駆動)車両についてはフロントタイヤへの負担が、予想した通りにやや大きいようです。
S字などの駆け上がりはタイヤへの負担が大きいポイントですが、車のセットアップをオーバーステア傾向に持っていくと1コーナーから2コーナーにかけての部分でテールハッピーになってしまうので、この辺りはバランスのとり方が難しいところでしょう」

シボレーについていえば今回は新井敏弘選手を含めて4台が参戦しているが、マシンのセットアップはそれぞれ異なるのだろうか。

「見ている限り、ベースのセットアップは共通のようです。その上でドライバーのドライビングスタイルに応じて味付けを変えている、という感じですね」

テスト・セッションの計測結果を見て、ふたつの注目ポイントを語った丹羽エンジニア。

「ボルボが速かったですよね。車が1,600ccターボエンジンに換装したあたりから、どんどん速くなっているのが改めて実証されましたね。
あとは新井敏弘選手が速かった。世界的なラリードライバーがスプリントレースでどんな走りを見せてくれるのか、ここもやはり目を離せないポイントでしょう」

WTCC初開催となる鈴鹿については、他の開催コースと比べてタイヤエンジニアの目線から見てどのような特徴があるのだろうか。

「鈴鹿はWTCC開催コースの中でも少々特異な感じで、今年の他の開催地に比べてタイヤにとっては厳しいコース。登りながら加速する区間が多いことで、タイヤがとても仕事をすることになるのです。逆にモンツァなどは高い縁石を乗り越えたりすることで大きな入力がタイヤに加わることで厳しいコースなのです」

明日の予選日は残念ながら雨の予報となっており、決勝が行われる日曜日についてもやや不安定な天候が予想されるレースウィーク。

「明日以降、予選の雨は避けられないでしょうが、決勝は私の力で晴れさせますよ(笑)。
決勝は仮にウェットになったとしてもやはりタイヤマネージメントは勝負をわける大きな鍵になるでしょうね」
 
 
[UPDATE : 21.Oct.2011]
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