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56th. MACAU F3
2009年で56回目の開催を数える、東洋一の歴史と伝統を誇るモータースポーツイベント、マカオグランプリ。
メインレースとしては世界最高峰のツーリングカーレース・WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)、そして世界中のF3を戦ってきた猛者たちが集う「F3世界一決定戦」の異名も持つインターナショナルF3レースの二つがある。
 
中でもF3は、将来のF1ドライバーにとって登竜門と言われる一戦で、初めて開催された1983年以降多くのF1パイロットたちの名を勝者に見ることが出来る。
 
そして、1983年から27年連続でワンメイクコントロールタイヤを供給し続けてきたのが横浜ゴム。今やADVANの存在を抜きにマカオグランプリを語ることは出来ないと言っても過言ではないだろう。
 
そして、WTCCやF3のみならず、2009年のマカオもバイクも含めた多くのサポートレースで賑わった。その中で特に注目を集めたのが「マカオ・ロードスポーツ・チャレンジ」。
ファインチューニングレベルのレーシングマシンが競いあうカテゴリーだが、最新のR35型・GT-Rを筆頭に、バラエティ豊かな車種が繰り広げるバトルが人気の的。

このコーナーではF3を戦うドライバーの横顔と、マカオ・ロードスポーツ・チャレンジで大いに注目を集めたR35型・GT-Rをご紹介しよう。
 
【関連ウェブサイト >> 第56回 マカオグランプリ Formula3 レポート
 
F3 Driver
マーカス・エリクソン 選手 =Marcus ERICSSON=
 【PROFILE】
 
1990年・スウェーデン生まれ。
7歳の時に自宅の近くにあったゴーカート場で初めてのドライブ。このゴーカート場の持ち主がスウェーデンでツーリングカーレーサーとして名を馳せているフレドリック・エクブロム選手で、マーカス選手の父親に本格的なカートをさせるよう薦めたのがキッカケでモータースポーツの世界へ。
カートレースを経て、4輪レースに転向。2007年にフォーミュラBMWでシリーズチャンピオンを獲得すると、翌2008年からイギリスF3選手権にステップアップを果たして同年はシリーズ5位。
2009年はイギリスに加え、全日本F3選手権にもTom'sから参戦。イギリスF3選手権は参戦した2戦をともに制した。そして全日本選手権は5勝をあげてシリーズチャンピオンに輝いた。

 【クオリファイ(予選)レース終了後コメント】
 
クオリファイレースでは2位を獲得できて、良いレースが出来ました。まず完璧なスタートを決めてリードできたので、その点は満足しています。
 
その後、すぐにセーフティカーが出てしまいました。リ・スタートで何とかリードを守ろうとして、それなりに良いスタートを切れましたが、ジャン・カール・ベルネイ選手はストレートが物凄く速くて、巧くスリップストリームを使われて抜かれてしまいました。
そんな訳で私はリードを守りきれずにそのままフィニッシュとなりましたが、気分的には少しも落ち込んでいません。明日のファイナルレースでも上位を争えるはずですから。十分な手応えを感じています。
 
マカオはハイスピードな海側区間と、テクニカルな山側区間がありますが、これらはどちらかを重視するというのではなく、ともに重要です。ただ、レースでは間違いなくストレートの伸びが重要になってきます。
今日はフォルクスワーゲンのエンジンを積んだマシンがとても速かったのですが、ファイナルレースに向けて私たちも負けないように色々なトライをしてみます。

またタイヤについては、レースウィークを通じてADVANにとても良い印象を持っています。性能が安定していて、フィーリングも良いので、安心して限界まで攻めることが出来ます。
 
マカオは次のレースに向けて作戦を立てるのが非常に難しい。何しろレース中にいろいろなことが起きますからね。いつでも状況に応じて柔軟に対応していく必要があります。
ですから、ファイナルレースに向けての私の戦略は・・・、とにかく勝ちにいくことですね!(笑)
【今回の成績  予選レース : 2位 / 決勝レース : 4位】



井口 卓人 選手 =TAKUTO Iguchi=
 【PROFILE】
 
1988年・福岡県出身。
中学1年生からレーシングカートを始め、熊本の中九州カートウェイをホームコースとして活躍。地元のシリーズチャンピオンを2004年に獲得し、翌2005年には全日本選手権のFAクラスでタイトルに輝く。
同年、FTRS(フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール)を受講、カートでの戦績が認められてスカラシップを獲得。
2006年と2007年はフォーミュラ・トヨタとFCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)の両シリーズに参戦、2007年にはフォーミュラ・トヨタでシリーズ3位。
2008年からは全日本F3選手権にステップアップ、同時にSUPER GTにも参戦を開始。
全日本F3選手権は2008年にシリーズ3位、2009年はシリーズ2位に輝いた。

 【クオリファイ(予選)レース終了後コメント】
 
初めてのマカオですが、木曜からクラッシュすることなく徐々に順位を上げてきました。予選レースも8番手で終えられて、決勝レースに向けて表彰台を狙える悪くない位置につけられたと思います。

ADVANを使うのは今回が初めて。印象としては凄くグリップが高いと感じています。さらに、ハイグリップな割りには周回を重ねた時のグリップダウンを感じることがないので、一発のタイムを出せると同時にレースラップでも安定して走ることが出来るので、とても乗りやすいですね。

予選レースでは山側のテクニカル区間を重視したマシンセットアップでした。パフォーマンスはとても高かったのですが、決勝レースに向けては若干海側のハイスピード区間寄りに振ったセッティングをトライしてみるつもりです。レース前のウォームアップ走行でチェックして、どちらが正しいのかを見極めたいですね。

チームメイトのマーカス選手が予選レースは2位でしたが、全日本F3選手権を一緒に戦ってきて彼が速いドライバーであることは十分に理解しています。だから結果そのものに驚くことは無いですし、彼が2位を獲得したことに対して自分が焦ることもありません。無理に攻めてクラッシュのリスクを負うよりも、しっかり自分のベストを尽くすことが大切です。
マシンが速さを持っていることはマーカス選手が証明してくれているので、僕は自分自身を信じて決勝レースを戦っていくだけです。
【今回の成績  予選レース : 8位 / 決勝レース : 6位】



国本 雄資 選手 =YUJI Kunimoto=
 【PROFILE】
 
1990年・東京都出身。
2000年からレーシングカートをはじめ、全日本カートジュニア選手権を経て2003年から全日本カート選手権のICAクラスに参戦。2005年にシリーズ3位を獲得すると、翌2006年にはFTRS(フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール)を受講。
2007年には17歳でJAFから限定A級ライセンスを発給され、FCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)へのレギュラー参戦と、フォーミュラ・トヨタへのスポット参戦を果たす。
そして2008年、FCJで年間8勝を飾ってシリーズチャンピオンに輝く。また同年のマカオグランプリ・フォーミュラBMWに参戦して5位を獲得。
2009年は全日本F3選手権にステップアップしてシリーズ3位。またSUPER GTへの参戦もスタートさせた。
昨年のマカオF3を制した国本京佑選手は実兄。

 【クオリファイ(予選)レース終了後コメント】
 
予選レースはスタート前にハンドブレーキのトラブルがあって、満点のスタートダッシュとはいきませんでした。
しかしマンダリンオリエンタルベントあたりからはスリップストリームも巧く使えて、クラッシュが多いと聞いていたリスボアコーナーのブレーキ勝負は無理をしない戦略が当たりました。
リスボアでは他車のクラッシュがありましたが、巻き込まれることなくポジションを上げることが出来ました。
セーフティカー導入後のリ・スタートでも良い感じで先行車についていけましたが、最終コーナーで若干リアの挙動がナーバスだったため、追い抜くまでは至りませんでした。それでも終盤のクラッシュも影響されることなく、しっかりポジションを上げてフィニッシュ出来たので良かったです。
 
ADVANを装着してレースを戦うのは今回が初めて。今年のマカオは例年より寒くグリップが厳しいのではないかと聞いていましたが、実際に走ってみるとタイムは去年よりも全然良いですし、グリップ感も高いですね。

去年は兄(国本京佑選手)が優勝しているので、少しのプレッシャーがあるのは事実。でも、そのプレッシャーをバネにして決勝レースではもっとプッシュしたいと思います。
兄からは「絶対にクラッシュはしないように」とアドバイスを受けていますが、ここまではそのアドバイスをしっかり守ってきています。
【今回の成績  予選レース : 12位 / 決勝レース : 9位】

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