第8戦終了後トップのライバル選手とのポイント差は8。最終戦は地元の本庄開催ということで、逆転でのチャンピオン獲得に期待がかかっていたSA1クラスの斉藤邦夫選手。
自他共に期待が高まれば高まるほどプレッシャーは大きくなる。
そんな中、1本目ライバル選手に2秒近くの大差をつける快走。そのまま逃げ切って優勝を飾る。
チャンピオン獲得おめでとうございます!
「開幕戦から2,1,1位といい滑り出しだったんですが途中でポイントを伸ばすことができなかった。ここで逆転されて、後半戦で盛り返せた。
結果オーライですけど、中盤戦はかなり厳しかったですね。」
今シーズン一番印象に残っているのは、どのイベントですか?
「第6戦の浅間台をノーポイントで終わった。そんな状況の中、次の鈴鹿で勝てたのは大きかったですね。これで何とかなるかなと。
今回の最終戦は地元の本庄。このサーキットができる前から知っている場所で、ここで勝たないわけには行かないという状況が逆にプレッシャーになって運転のリズムを崩してしまったかもしれません。
結果的にはタイムを出せた、そういう意味でホッとしています。」
ADVANジムカーナミーティングでも、参加者からの質問に的確に答える斉藤選手。
自身どういったコンパウンドの使い分けをしていたのだろうか?
「ADVAN A050はジムカーナ用にG/SとG/2Sコンパウンドが設定されています。雨が降ったらG/2Sがライバルメーカーに対しても圧倒的に優位を保っています。それと開幕戦や最終戦など路温の低い時期にも強さを発揮してくれます。
逆に暑い時期やハイスピードのサーキット的なコースには、G/Sのしっかりとした手応えが生かせます。
路面の状態とコース設定などを加えて選択すれば、どんな状況でもパフォーマンスを発揮できると思いますよ。」
全日本の会場では様々な場所で斉藤の姿を見かける。コースの状況を逐一把握する一方、ベテランドライバーとして各クラスの選手の走りもチェック。ADVANの選手が優勝すると、祝福に駆けつける姿が印象的だった。
7クラスでチャンピオン獲得という偉業を斉藤選手はどう分析しているのだろう?
「昨年までもそうだったんですけど、内容的には良かったのにあと一歩という状況が多かった。今シーズンは開幕戦でA050Aという商品が追加され、序盤戦からそれがうまく機能したのが大きかったかな?
後半戦に入ればセッティングも、ドライバーも慣れて煮詰まって行きますからね。必然的に厳しい戦いが続くことになる。序盤戦でポイントを稼げた、ということはシリーズを戦ってゆく上で非常に重要なんですよ。」
経験に裏打ちされたアドバイス。ベテランと若手の連携がうまくゆけば、これほど強いものはない。
来シーズンも斉藤選手の活躍に期待しよう。