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HOME / MOTORSPORTS / ADVAN FAN / Vol.67 News Index
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ADVAN A050A
「ADVAN A050」。
2007年、名作の誉れ高いADVAN A048の後継モデルとしてデビュー、全日本選手権を筆頭に地区戦やミドル戦、走行会といった幅広いジムカーナユーザーが、その高いポテンシャルを認めたタイヤ。

2008年にはG/2Sコンパウンドが登場、全日本デビュー戦となる同年シリーズ開幕戦では堂々のデビューウィンを飾ってパフォーマンスを遺憾なく発揮。
シリーズでもSA2クラスでチャンピオンを獲得して、高性能ぶりを結果でも実証した。

そして2009年・春。
進化を続けるADVANは新たに「ADVAN A050A」を開発、245/40ZR18サイズを全日本選手権開幕戦に投入した。

結果は前後に装着したランサーエボリューション勢がN4クラスやSA3クラスで表彰台を獲得。さらにフロントに装着するRX-7勢はSA2クラスでワン・ツー・フィニッシュを達成しA050Aデビューウィンを飾るなどの大活躍。

定評あるパフォーマンスを更に磨き上げたADVAN A050A、このコーナーではその実力について全日本選手権トップドライバーの口から語っていただくとともに、ADVAN開発エンジニアから開発の経緯と狙いについてご説明いたします。
HIROSHI OKANO
まずは改造範囲の狭いN4クラスにランサーエボリューション\で参戦する岡野博史選手。
A050Aデビュー戦となった2009年の全日本開幕戦では準優勝を獲得。インタビューではジムカーナ競技におけるタイヤ選びの重要性を語ってくれました。
岡野博史 選手
岡野博史 選手
=Hiroshi Okano=

N4クラス
三菱ランサーエボリューション
ADVAN リジット ランサー
 
−ADVAN A050Aで進化したポイントを教えてください。

岡野選手 :
「一番進化したのはフロントの接地性です。
従来のA050では特に4WD車両の場合、フロント荷重が大きいために舵を切り足した時のフィーリングなどに物足りなさを若干感じる部分がありました。
この点がA050Aでは大幅に改良されて、誰もがその違いを感じられるポイントであると思います。」


−その進化ですが、具体的にどんな効果を生んでいますか?

岡野選手 :
「ブレーキングして、ステアリングを切って行った時のフィーリングが、これまでとは別次元ですね。明らかにステアリングを切り足して行くときのフロントの反応が向上しており、車が若干オーバーステア傾向になっています。
旋回を終えての立ち上がり加速は、しっかりしたグリップでパワーを地面に伝えてくれます。そしてターンセクションではフロントを軸にして車が回りやすくなりました。
とにかく全てにおいて、自分が思った通りのラインをトレースして走らせることが出来ますね。」


−タイヤの進化に伴い、車のセッティングやドライビングスタイルを変える必要性は?

岡野選手 :
「フロントのレスポンスが向上し、かつアンダーステア傾向にあった車がニュートラルからオーバーステアの傾向へと転じる結果になるので、車がより"動く"ようになっていきます。
もちろんこれに応じてセッティングは若干変える必要があるでしょうし、フロントのグリップ向上に対してはドライバーも何らかの対応を求められる結果になりますね。


−ジムカーナ競技を戦う上でのタイヤの重要性とは?

岡野選手 :
「ジムカーナという競技は2本しかない本番走行でベストを尽くさなければなりません。
つまり練習でいくら速くてもダメで、本番で如何に自分の実力を出し切れるかが勝敗の分かれ目になります。
タイヤについては冷えた状態からのスタートで、どれだけ高いグリップを発揮してくれるか。その上で扱いやすさも重要なポイントとなってきます。
その点、ADVAN A050Aはジムカーナにおいて高い戦闘力を持っています。今回の全日本開幕戦では、昨日の公開練習で中間までのタイムが大きく向上して(注 : インタビューは決勝日の朝に実施)、手応えを感じています。
また、トレッド面積が広がってブロック剛性が向上、面圧も若干下がって負担が軽減されていますからライフサイクルも向上しているでしょう。この点はユーザーにとって嬉しいところですね。」
KIYOSHI TENMA
続いてSA3クラスにランサーエボリューション\で参戦するベテラン・天満清選手。
2009年開幕戦では3位表彰台を獲得、超激戦区でA050Aの存在感をアピール。インタビューでは地区戦やミドル戦の参加者にアドバイスをいただきました。
天満清 選手
天満 清 選手
=Kiyoshi Tenma=

SA3クラス
三菱ランサーエボリューション
ADVANレイズクスコランサー
 
−ADVAN A050とA050Aの違いを教えてください。

天満選手 :
「やはりグリップレベルの限界が高くなっていることが最大の違いでしょう。ADVAN A050Aではタイヤ幅を広く作っているので、A050に対して格段の進化を遂げているという印象です。
乗りやすさとタイムの出しやすさがバランス良く向上しています。
昨シーズンはA050で戦ってきましたが、その経験を踏まえてA050Aに乗ると、全体的なレベルが満遍なく向上しているという認識で間違っていないと思います。」


−今回の開幕戦を戦ってみての印象は?

天満選手 :
「ステアリングを多く切ったときのタイヤの"ヨレ"が全くありませんでした。
自分が思っている方向にしっかり車が動いてくれるので、結果としてはこれまで以上に"攻めた走り"を実践することが出来ましたね。」


−天満選手流の"タイヤの上手な使い方"を教えてください。

天満選手 :
「"タイヤの上手な使い方"ですか?むしろ、それは僕が聞きたいくらいですね(笑)。
"使い方"というと、その人その人で車の状態なども違うでしょうから、一概に語るのは難しいかもしれません。
ただ、僕自身の経験を振り返ってみると、メーカーや種類を問わずにタイヤ全般に対して言えることは、ドライビング中にタイヤが今どのような状態にあるのかを気にしながら走ることが大切だと思います。
タイヤに対する感性を研ぎ澄ませながら走っていると、状態が変化したときにも絶対に気がつくはず。
正直なところ、地区戦やジュニア戦を走っている人の中には、走りながらタイヤのことを気にしている人というのは少ないのではないでしょうか。
トラクションの伝わり方や、ステアリングレスポンスをもっと気にして走れば、タイヤの善し悪しも絶対に理解出来るはず。
その点、ADVAN A050Aは全体的な性能がしっかり向上しているので、"タイヤの仕事ぶり"に気をつけて走れば、その良さを実感することが出来るはずです。」
SHOJI MORISHIMA
A050AはRX-7(FD3S)のフロントタイヤとしても使われ、その走りに大きく貢献しています。
開幕戦では優勝を飾った昨年王者の森嶋選手を筆頭にADVANが表彰台を独占したSA2クラス。
A050Aについて森嶋選手にお聞きしました。
森嶋昭時 選手
森嶋昭時 選手
=Shoji Morishima=

SA2クラス
マツダRX-7
ADVANレイズPRS☆RX7
 
−まずADVAN A050Aについての率直な感想は?

森嶋選手 :
「とても懐の深いタイヤという印象ですね。
今回、プロファイルを変更して接地面積が拡がったA050Aですが、フロントタイヤとして使えるRX-7の場合ですと、ポンとフロントタイヤを交換して走ってみるだけで、従来のA050からの進化を感じられます。
具体的にはブレーキング時の安定性と、ステアリングを切り込んでいって横方向に無理な力をかけた時の踏ん張り具合。
こうした性能向上で思った通りのラインに車を持って行けるので、特にサイドターンの進入などフロントを逃がしやすい場面での効果が絶大ですね。」


−今まで以上に"攻められる"タイヤになったということですか?

森嶋選手 :
「そうですね、良い意味で『無理の効くタイヤ』になったと思います。
例えば今回の全日本開幕戦はトラブルで一本目を走れず、二本目だけで結果を出さなければなりませんでした。
こうなると開き直って攻めきっていくしかないのですが、正直なところかなり無理をして走りました。そうした状況で優勝という結果を出せたのは、走りに対してタイヤが応えてくれた結果であり、期せずしてADVAN A050Aの高性能を裏付ける結果にもなりましたね。」


−ジムカーナ競技をする上で、タイヤ選びのポイントとは?

森嶋選手 :
「まず重要なのは、本番で結果を出せるタイヤを選ぶということです。
練習のために多少長持ちすることに重点を置いたタイヤ選びというのも分かりますが、"モータースポーツ=競技"をする以上は、本番で勝てるタイヤを使って練習もしていった方が自分自身のレベルアップにつながります。
もうひとつ、僕が思うにジムカーナで結果を出すには自分自身の100%よりちょっと上の力を出そうすることが必要だと思います。よく100%を超えるとミスしてしまうと言われることもありますが、仮にミスしても良いタイヤであればカバーしてもらうことも不可能ではありません。
懐の深さ、限界領域でのコントロール性能が高いタイヤを選ぶということが重要になってくるのです。
例えばピークがとても高いタイヤがあったとします。しかし同時にピーク領域のコントロール性能までピーキーだとすると、タイムを出すことは非常に難しいでしょう。
その点、ADVAN A050AやA050は限界領域のコントロール性がとても高い。
ですから一発勝負のジムカーナではADVAN A050AやA050を装着して自分の力の100%ちょっとのところを狙って走り、結果としてしっかり100%の力を出し切るようにしていけば好成績につながっていくと思います。」


−全日本戦ではADVANユーザー同士の横の結束も固いようですが。

森嶋選手 :
「そうですね、ジムカーナ特有なのかもしれませんが、ADVANユーザーの横のつながりは強いですね。
自分自身との戦いであるジムカーナでは、ライバル選手と走行中に駆け引きすることがありません。だから例えば空気圧についての情報などをADVANユーザー同士で共有して、お互いに上位を獲得していこうという思いでやっています。
こうして選手が全体的にレベルアップを図ることで、ADVANユーザー全体の結果も良いものにしていこう、と。
また自分自身が気づかない走りの欠点を仲間に指摘してもらって新たな発見があったり、とても有益な情報をADVANとともに戦い仲間から得ることも少なくありません。
こうした積み重ねは結果的に自分にとっても大きなプラスにつながっていますし、今回の開幕戦で表彰台をADVANユーザーが独占するという結果にもつながったのではないかと思います。」
ADVAN ENGINEER
ご紹介したように全日本トップドライバーからも高い支持を集めたADVAN A050A。全日本デビュー戦でも好成績を残し、その実力を実証しました。
このコーナーでは最後に、開発を担当した横浜ゴムの三戸エンジニアから、その狙いなどをご紹介します。
三戸有資エンジニア
三戸有資
=Yusuke Mito=

横浜ゴム株式会社
モータースポーツ部
技術開発2グループ
 
−ADVAN A050Aを開発するに至った背景とは?

三戸エンジニア :
「ADVAN A050をリリースしてから、さらなる進化に向けてのリサーチや開発を進めてきました。
2008年はコンパウンドの改良が主となり、G/2Sなどをデビューさせました。それと同時に2008年の春すぎころから次なる進化への取り組みを進めてきており、それが今回のA050Aで形になりました。」



−具体的にどのような進化を遂げたのでしょう?

三戸エンジニア :
「タイヤの幅を拡げてワイドトレッド化を図りました。試作品で試してみたら良いデータを得られたので、構造のチューニングを含めてテストを繰り返した結果がA050Aという商品化に結びつきました。
従来のA050も高い評価をユーザーの皆さんからいただいてきましたが、コーナーリング時のグリップやブレーキング時の安定感をより高めてほしい、という声が寄せられていました。
そこでこうしたご要望に対して接地面積、特に接地幅を増やすことで、路面とタイヤのコンタクトエリアを拡大してゴムが活躍する場を増やしました。
仮に路面とタイヤが接着しているものだとしたら、両者の"接着しろ"を増やして剥がれにくくしたということです。」


−A050Aに履き替えて、性能向上は容易に実感出来ますか?

三戸エンジニア :
「そうですね、接地面積が増加したことにより、タイヤからのインフォメーションが高まって安心感が増していることをまずは感じ取って頂けるのではないでしょうか。
その上で実際にいくつかのコーナーを曲がってみれば、ADVAN A050Aの高いポテンシャルをより実感していただけると思います。特にコーナーへの進入スピードが圧倒的に高められますので、それに応じた運転スタイルを求められるかもしれません。
速度域が上がり、走りの次元が全体的にワンランクアップします。
ですから、最初はブレーキングやステアリング操作に気をつかって、高い速度に応じた運転を実践してタイムアップを図ってほしいですね。


−最後に開発エンジニアとして一言お願いします。

三戸エンジニア :
「まずはデビュー戦で、ほぼ望んでいた通りの結果を出すことが出来て安心しています。
ADVAN A050Aは今回の結果でもその進化により高い性能が実証されましたので、既に従来品のA050と比較してどうこうという領域には無いと思っています。
これからも全日本選手権をはじめ、多くのジムカーナ競技会でユーザーの皆さんが活躍されることを期待しています。」
ADVANジムカーナミーティング
全日本開幕戦で高いパフォーマンスを見せた
ADVAN A050A、そしてA050。
これらの試乗も出来るADVANジムカーナミーティングを
今期は6回開催致しますので、奮ってご参加ください。
ADVAN A050開発ストーリー
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