WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は初開催となったアルゼンチンのテルマス・デ・リオ・オンド戦を経て、昨年に続いて2回目の開催となるアメリカのソノマ・レースウェイへと舞台を移す。昨年はシボレー勢が強さを見せてイヴァン・ミューラー選手とロブ・ハフ選手が勝利を飾ったソノマだが、今年はどのような展開となるのだろうか。
さらに、今年のソノマは各タイトルが確定する可能性も高いことから、注目度は昨年以上となる。
まず選手権のドライバー部門はイヴァン・ミューラー選手が独走態勢を構築している。これまでの16戦で6勝を挙げて、ポイントは2位のミシェル・ニュケア選手を132点も引き離す312点としている。選手権の
ドライバー部門は優勝に各戦25点、予選2回目の結果により1位に5点が配分される。つまりアメリカ終了後、日本、中国、マカオと3大会を残すカレンダーであるが、165点差がアメリカの第2レース(第18戦)終了時点でつけば、ミューラー選手が4回目のWTCCチャンピオン確定ということになる。
次に選手権のマニュファクチャラー部門。こちらは今年、ホンダとラーダのみが登録しているという寂しい状況であるが、今年からフル参戦を開始しているホンダが661点をこれまでに獲得、ラーダに263点の大差をつけている。ホンダは開幕戦のイタリアでガブリエレ・タルクィーニ選手が3位の初表彰台を獲得すると、スロバキアの第5戦では待望の初優勝。この初優勝を含め、タルクィーニ選手とティアゴ・モンテイロ選手、そしてZengo
Motorsportから参戦するノルベルト・ミケリス選手が、合計10回の表彰台を獲得している。
こうした結果の積み重ねが大量リードにつながり、ソノマの結果によってその差が258点以上あれば、WTCCのマニュファクチャラータイトル獲得が現実のものとなる運びである。
これまでの流れで言えば、ミューラー選手とホンダの優位は不変、つまり日本ラウンドを前にしてアメリカの地で両者のタイトルは早々に確定する可能性も高そうだ。
ただ、ソノマのコースは昨年の実績から見るとバトルも頻発するレイアウトであり、それに伴っての小さな接触が場合によってはペナルティ対象となって番狂わせを生じさせることもあり得る。そうなるとタイトル争いが日本へ持ち越しとなる可能性も否定できず、いずれにしても注目の一戦となることは間違いない。