この週末、WTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)は初めてロシアでの開催が実現する。昨今はモータリゼーションの発達も著しいロシアは、富裕層が増えていることもあって日本や欧米の自動車メーカーが注目している市場のひとつ。さらにWTCCにマニュファクチャラー参戦しているラーダをはじめ、ロシア国内での自動車産業も活性化しているだけに、モータースポーツ熱も高まっているという状況にある。
国内選手権としてはRRC(ロシア・レーシング選手権)が展開されており、2013年は全8大会のカレンダー。このうちの第2大会は、WTCC・ロシア戦のサポートレースとなる。なお、このRCCもWTCC同様に、ヨコハマタイヤがワンメイクタイヤサプライヤーをつとめている。
さて、初のロシア戦の舞台となるのはモスクワ・レースウェイ。昨年7月にオープンしたばかりの最新鋭サーキットであり、3万人の観客収容能力を誇るロシアを代表する国際レーシングコースだ。
現地に入ったヨコハマタイヤのエンジニアによると、ロケーションは丘陵地帯ということでコースは全体にアップダウンがある。その中でもっとも高い場所がメインストレート付近だ。路面はフラットでウネリも無く、コーナーのカントも少なめということでタイヤへの攻撃性は低めと予想される。ただし、路面そのものは完成して一年に満たないという背景もあって表面は滑らかだが、目は粗く場所によって違いがあるという。
なにしろ初開催コースということで、勝負の行方を予想するのは難しい。ただ、長いストレートを有する点から見れば、これまでの戦いぶりからシボレー勢が得意としそうなイメージではある。
なお、ロシア戦を前に、2013年のカレンダーに一部変更が生じることが発表された。
当初、条件付きでカレンダーに載せられていたブラジル・クリティバ戦がキャンセルとなり、替わってアルゼンチンのアウトドルモ・テルマス・デ・リオ・オンドで開催される運びとなった。このサーキットは2014年に二輪のモトGP開催を予定しているアルゼンチンの新しい国際サーキットコース。
日程は8月4日(日)の決勝とされ、第15戦&第16戦が開催される。
発表によるとWTCCのプロモーターであるユーロスポーツ・イベント社は、アルゼンチン観光省との間で3年間の開催に関する契約を締結したとのことで、WTCCのレギュラー開催地にアルゼンチンが加わる運びとなった。