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WTCC 2013
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News Index
WTCC Round 9&10
開催日
2013年5月18日-19日
開催場所
ザルツブルグリンク
(オーストリア)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 12周
第2レース : 12周
(1周 = 4,241m)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
>> Detail (カテゴリー紹介)
ヨーロッパの各サーキットを転戦するシーズン中盤戦に入っているWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。二週連続となるスロバキアからハンガリーへの転戦を経て、一週のインターバルをはさんでオーストリアのザルツブルグリンクを舞台に第9戦&第10戦が開催された。
昨年初開催されたザルツブルグリンクは、コース図を一見すると独特のひょろ長いレイアウトが特徴的だが、比較的単純なコースと映るかもしれない。しかし実際はアップダウンがあり、両端部のコーナーにはバンクがつけられていることもあり、高速からのアプローチではブレーキングしながらのターンを強いられる。特に最終のS字手前はバンク角がきつい上に、コーナーが奥へいくほどきつくなっているレイアウト。
メインストレートの反対側も緩いRながら連続コーナーとなっているため、常にハイスピードで右に左にとステアリングを切る形となるため、タイヤへのシビアリティが高いことではWTCC開催コースの中でもトップクラスのサーキットだ。
昨年は初開催ということもあり、激しいバトルの末にタイヤを壊してしまう事例が、特にFF(前輪駆動)車勢で見られる結果に。これが勝敗を大きく左右する要因ともなったため、二年目の開催となる今回は各チームともにタイヤマネージメントを重視する戦いぶりとなった。
補正ウェイトが採用されているWTCC、今回はシボレー・クルーズとホンダ・シビックに+40kgが科せられている。セアト・レオンは+20kg、BMW320TCは±0kg、そしてラーダ・グランタが-20kgという内容だ。先のタイヤに対するシビアリティの面から見ても、有利と目されたのはタイヤへの負担が小さいFR(後輪駆動)のBMW。シボレーやホンダとの40kgのウェイト差もあって注目されたが、フリープラクティスが始まってみると速さを見せたのはシボレーだった。
フリープラクティスは2回ともにイヴァン・ミューラー選手(シボレー)がトップタイムをマーク。2回目こそ2番手にロブ・ハフ選手(セアト)が食い込んだものの、リザルトの上位はシボレー勢が占める結果となった。
この勢いは予選になっても変わらず。
Q1ではトム・チルトン選手がトップタイム、以下4番手までをシボレーが独占する。続いてQ1の上位12台によりQ2、こちらはミューラー選手が1分25秒756をマーク、自身がマークした昨年の予選トップタイムを約1.6秒上回る速さを見せた。2番手にはチームメイトのトム・チルトン選手が続き、3番手こそハフ選手が意地を見せて食い込んだが、4番手はアレックス・マクドワル選手、5番手がミシェル・ニュケア選手とシボレー勢が上位を占める。
しかし、予選終了後に大きな波乱が起こった。大会審査委員会はなんと14人の選手に対してグリッド降格のペナルティを科したのだ。そのうちQ2に進出した選手については、コース上でスリップストリームを使うなどのためにスロー走行を行った駆け引きをスポーツマンシップに反する行為と捉えたのが理由。
これにより、予選トップのミューラー選手らは後方グリッドから第1レース(第9戦)スタートを迎えることとなり、ポールポジションはニュケア選手、セカンドグリッドにはジェームス・ナッシュ選手とYOKOHAMAトロフィー登録のシボレー勢がつくこととなった。
薄曇りの中で迎えた第1レース。気温26度/路面温度33度というコンディションは、昨年よりも涼しい中でのスタートとなった。
注目のローリングスタート、2番手のナッシュ選手がやや巧く決めて、1コーナー進入でニュケア選手に並びかける。しかしニュケア選手はしっかりインをキープ、ツーワイドに持ち込まれることなくトップで1コーナーをクリア。
オープニングラップから後方グリッドからのスタートとなった上位陣が、前方から中段グリッドにいた選手たちに容赦なく襲いかかる猛追を見せる。ミューラー選手は13番手からのスタートとなっていたが、3周を終えた時点では6位にまでポジションを上げてきた。
一方でトップのニュケア選手には、ナッシュ選手がピタリと真後ろにつけてパッシングの機会を伺っていた。さらに3番手スタートのメルディ・ベナニ選手(BMW)もポジションをキープ、3台がトップグループを形成してレースは中盤に入っていく。
5周目には12番手スタートのマクドワル選手と5番手スタートのフレディ・バース選手(BMW)が激しい攻防戦を展開。軽い接触を伴いながらサイド・バイ・サイドに持ち込んだマクドワル選手がバース選手の前に出たが、この様子を虎視眈々と後ろで見ていたのがミューラー選手だった。
そのミューラー選手は6周目のターン2で、一瞬開いたラインに飛び込んで一気にバース選手のみならずマクドワル選手もパス。これでポジションは4番手にまで上がり、表彰台が射程圏内に入ってきた。
上位のポジション争いがヒートアップしてきた終盤、10周目にアクシデントが発生。チャールズ・カ・キン選手とフランツ・エングストラー選手のともにBMWが接触、ここにダリル・オーヤン選手のBMWもかわしきれずに突っ込み、3台はマシンを大きく損傷してリタイアとなってしまった。
このアクシデントはコース上を車両が大きく塞ぐものでもなかったため、セーフティカーは導入されずにセクター3の当該区間のみイエローコーションで対応される。つまり、セクター3は追い越し禁止区間となったわけで、上位争いに対しての影響も気になるところ。
しかし11周目、ミューラー選手は鮮やかにベナニ選手をかわして、遂に3番手にまでポジションを回復。トップ争いもナッシュ選手が執拗にニュケア選手に対してマシンを左右に振ってプレッシャーをかけたが、ニュケア選手は動揺することなくマシンを最後まで運んで第3戦・モロッコ以来となる通算2勝目を飾った。2位にはナッシュ選手が入り、これにより総合成績でYOKOHAMAトロフィー勢がワン・ツー・フィニッシュを演じる結果となった。
短いインターバルをはさんで迎えた第2レース(第10戦)。残念ながら第1レースのアクシデントでマシンを損傷した4台が不出走となった。
リバース配置によるスターティンググリッドは、ポールポジションが第1レースで準優勝を飾ったナッシュ選手。2番手グリッドはホンダ・シビックのノルベルト・ミケリス選手、3番手はセアトのペペ・オリオラ選手となり、これに4番手でティアゴ・モンテイロ選手、5番手でガブリエレ・タルクィーニ選手とワークスのシビック勢が続く。
レッドシグナル消灯でのスタンティグスタート、ややフライング気味に一瞬早く動き出したのはミケリス選手。ナッシュ選手の前に出たが、すぐにポジションを入れ替えて再びナッシュ選手がレースリーダーとなる。
そして、第1レースに続いて後方から猛追撃を演じたのがミューラー選手。今回は10番手からのスタートだったが、ハフ選手やタルクィーニ選手といった面々も難なくかわして、5周目には4番手にまでポジションをあげてきた。
さらに8周目にはアウトから一気にモンテイロ選手をパス、これで再び表彰台圏内のポジションを獲得する。
トップ争いはナッシュ選手がミケリス選手の追撃をブロック、逆にミケリス選手は終盤に入ってミューラー選手から激しくプレッシャーをかけられる展開に。
11周目にはミューラー選手がアウトからミケリス選手をかわして2番手を奪取、さらにナッシュ選手にも襲いかかっていくがナッシュ選手も必死の守りでポジションを譲ることなく嬉しいWTCC初優勝のウィニングチェッカーを受けることに成功。
第1レースに続いてYOKOHAMAトロフィー登録選手が総合優勝を飾るという結果で、ザルツブルグ戦の幕は閉じた。
【今回の成績 : 第9戦 優勝(YOKOHAMAトロフィー 優勝)/ 第10戦 5位(YOKOHAMAトロフィー 2位)】
今回は完璧なレースで、素晴らしい結果を残すことが出来ました。ナッシュ選手は常に真後ろでスリップストリームを奪おうとしていて、ターン9では私のバンパーに接触もしてきましたが私は彼をしっかりブロックすることが出来ました。
そしてザルツブルグリンクは路面がシビアなので、タイヤのマネージメントにも気をつかいました。その結果、私にとって2回目となる優勝を飾ることが出来ましたが、それは私自身とチームにとって素晴らしい結果となりました。
今シーズン、YOKOHAMAトロフィー争いはナッシュ選手との間で熾烈なものとなりそうです。一方の選手権争いでも常にポイントを獲得して上位に食い込んで行きたいと思っています。もっとも、ミューラー選手やタルクィーニ選手に勝つことは困難ですが、我々は挑戦を続けていきます。
【今回の成績 : 第9戦 2位(YOKOHAMAトロフィー 2位)/ 第10戦 優勝(YOKOHAMAトロフィー 優勝)】
最後には、しっかりと優勝を飾ることが出来ました!
ミケリス選手は簡単に独走することを許してくれず、ミケリス選手との差に加えてタイヤマネージメントにも気をつかう展開になりました。終盤に数周ではミューラー選手が急接近してきたのですが、タイヤにやや大きな負担をかけたためにいくつかのミスもしてしまいました。しかし、最後までミューラー選手に対しても差を守りきることが叶いました。
私は常に高い理想を目指しており、マシンもそれに応えてくれるものであることを知っています。しかし私自身はマシンのポテンシャルをフルに活かしきれているとは言えず、まだまだ真剣にスキルアップをする必要があります。
今日の勝利では、私にとってさらに前進するために必要なことを見いだせました。そして、私自身は勝つために必要なことを実践していけると考えています。
WTCCでは屈指の高いタイヤシビリアティとなるザルツブルグリンク。昨年の結果を踏まえ、各チームともタイヤマネージメントにはいつも以上に配慮して戦いに臨むレースとなった。ヨコハマタイヤからも全てのチームに対して、空気圧や足回りのセットアップに関するインフォメーションを流して対応。FF勢、中でも主力チームはフリープラクティスから走行後のタイヤをヨコハマタイヤのサービスガレージに持ち込み、状況分析を行っていた。
結果的に今年は、予選でのペナルティもあって猛追を展開した選手も多く、昨年以上に激しいバトルが繰り広げられた。しかし、そんな中でタイヤに関するトラブルは2レースともに皆無。重量が増加したり1600ccターボエンジンの採用でトルクアップがなされた最新のWTCCマシンに対しても、ヨコハマタイヤが供給するレーシングタイヤの優れたパフォーマンスが好バトルを最後までしっかりと足元から支えた。