2008年のイタリア、イモラ・サーキットにおいて、ジェームス・トンプソン選手の手でアコードがホンダ車としてWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)の初優勝を飾ってから4年7ヶ月。先週末のスロバキアリンクでは、シビックがガブリエレ・タルクィーニ選手の手によって優勝へと導かれ、さらにティアゴ・モンテイロ選手とノルベルト・ミケリス選手が続いて表彰台を独占するという快挙をなし遂げた。
日本のモータースポーツファンにとっては、世界選手権の表彰台で「君が代」が流される場面をテレビ中継で誇らしく見ていた方も多いことだろう。
そんな余韻も残る中、WTCCのカレンダーはシーズン唯一の二週連続開催というハードな局面を迎える。次なる戦いの場はハンガリーのハンガロリンク。スロバキアリンクからは南東におよそ200kmの移動距離ゆえに、昨年に続いての二週連続開催が実現される。
2011年に初めてWTCCが開催され、今年で3回目を数えるハンガロリンク。そろそろ継続参戦しているチームにとってはデータの蓄積も進んでいる頃合いゆえに、WTCCでは新興勢力となるホンダ勢との勝負の行方は、互いのマシンの完成度による部分も大きいと予想される。
第5戦で表彰台を独占、第6戦でもガブリエレ・タルクィーニ選手が3位表彰台を獲得したホンダ勢。タルクィーニ選手はシリーズポイントランキングでも3位から2位に浮上、このまま勢いに乗ってくるかが最大の注目点だ。その上でスロバキアリンクとハンガロリンク」のコースを比較すると、ともにコース幅やランオフの余裕は大きいサーキットながら、スロバキアリンクに対してハンガロリンクはアベレージスピードが大幅に低くテクニカルな要素が強い。
具体的に決勝のベストラップにおけるアベレージスピードを比較しても、前戦のスロバキアリンクが概ね160km/hに届かんとしているのに対して、昨年のハンガロリンクでのデータは130km/h台の中盤ほどに留まっている。すなわち、コーナー脱出の加速力が勝負を分けるひとつの鍵になると考えられ、マシンの進化が急速に進んでいるシビック勢の仕上がり具合が気になるところだ。