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WTCC Round 7&8
開催日
2013年5月4日-5日
開催場所
ハンガロリンク (ハンガリー)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 12周
第2レース : 14周
(1周 = 4,382m)
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前戦・スロバキアからインターバルを置かず、二週連続開催というカレンダーで迎えたWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)のハンガリー戦。昨年初開催されたハンガロリンクが今年も舞台となり、大観衆が見守る中で今回も熱い戦いが演じられた。

ハンガロリンクはテクニカル要素の強いコースで、路面は全体的に粗くタイヤの摩耗にとっては厳しいコースのひとつ。今回は最終コーナーのみ路面改修が施されていたが、選手にとってはタイヤマネージメントにも気をつかうサーキットだ。
特に駆動方式の違いで注目すると、FF(前輪駆動)車はレース後半にかけてタイヤマネージメントの成否が走りに与える影響も小さくないため、対摩耗に優れるFR(後輪駆動)のBMWが後半で有利になるケースも充分にあり得る。

そんな中、フリープラクティスではFF勢がリザルトの主役となり、1回目はガブリエレ・タルクィーニ選手がトップタイム、2番手がティアゴ・モンテイロ選手となってホンダ・シビック勢が上位を占める。しかし、2回目ではイヴァン・ミューラー選手がトップ、トム・チルトン選手、ジェームス・ナッシュ選手と続いてシボレー・クルーズ勢が上位を独占した。

この傾向は予選になっても変わらず、Q1はタルクィーニ選手がトップでミューラー選手が0.097秒という僅差の2番手で続く。そして3番手にはセアト・レオンのロブ・ハフ選手が食い込んできた。
ちなみに前戦で初優勝を飾ったシビック、今回は補正ウェイトがプラス30kgとされている。ただ、Q2に入ってもポールポジションこそミューラー選手が奪ったものの、2番手のタルクィーニ選手との差は0.380秒に過ぎない。さらに3番手にノルベルト・ミケリス選手、4番手でモンテイロ選手が続き、シビックも遺憾なく高いパフォーマンスを見せる結果となった。

また、ミューラー選手のタイムは1分53秒426で、昨年自身が記録したタイムを1秒ほど上回っている。さらにQ2に進出した12台のうち、実に9番手までがこのタイムを上回り、ミューラー選手から1秒以内でひしめき合い、WTCCマシンの進化を実証する結果となった。

第7戦の決勝、スターティンググリッドに並んだマシンの中でも、特に注目を集めたのが地元のヒーロー、ノルベルト・ミケリス選手のシビックだ。グランドスタンドやコースサイドの観戦ポイントを埋めた大観衆からは、チアホーンや歓声が絶え間なく送られる。選手紹介でミケリス選手がコールされると、その興奮は絶頂に達し場内アナウンスの声もかき消されるほどの歓声があがった。

注目のスタート、イン側にミューラー選手、アウト側にミケリス選手が陣取った隊列がフォーメーションラップを終えてストレートに戻り、レッドシグナルが消灯して戦いの火蓋が切って落とされる。1コーナーへのアプローチ、位置関係はそのままにミューラー選手がインを制したが、アウト側からは8番手スタートのハフ選手が猛追、スリーワイドで1コーナーへと飛び込んでいき4番手のポジションにつける。

その後方では5番手スタートからポジションを下げてしまったBMWのトム・コロネル選手がターン2でモンテイロ選手と接触、さらに後続車両も玉突き状態となってしまいペペ・オリオラ選手はマシンに大きなダメージを受けて戦線離脱を余儀なくされてしまう。
この混乱、その場でストップすることは無かったものの、2周目に入った1コーナーではモンテイロ選手も接触のダメージによるトラブルが原因でターン出来ずにコースオフ、タイヤバリアに衝突してしまう。

こうした混乱を尻目にトップグループは周回を重ねていくが、スタートで順位を下げたコロネル選手が猛プッシュ。2周目にメルディ・ベナニ選手をかわして6番手を奪うと、前を行くシボレーのトム・チルトンの真後ろにつけて激しくプレッシャーをかけていく。最終コーナーを立ち上がるとチルトン選手のスリップストリームを奪いにいくが、そこはチルトン選手も簡単にはポジションを譲らず1コーナーではコロネル選手を抑えていく。
インフィールドでもマシンを左右に振ってチルトン選手を威嚇するコロネル選手。5周目の右直角に近いターン12でアウト側からコロネル選手がサイド・バイ・サイドに持ち込むと、続く左ヘアピン状のターン13ではイン側に立ち位置を変えて並んで進入。ここでコロネル選手がややアウトに膨らむが、既にマシンはチルトン選手の真横につけていたのでそのまま先行することに成功。さらにチルトン選手が接触を避けてアウトにふくらんだ隙を突いてベナニ選手もコロネル選手に続いて先行した。

FRのBMWを駆るコロネル選手の勢いは後半になっても留まることなく、今度はハフ選手に襲いかかる。8周目では最終コーナーでアウト側からサイド・バイ・サイドに持ち込もうとしたが、ここはディフェンディングチャンピオンの意地も見せてハフ選手がポジションをキープ。
10周目にはターン8で軽くテールを振ったハフ選手をコロネル選手が攻めて、サイド・バイ・サイドに持ち込むことに成功。しかしアウト側にいたコロネル選手が勢い余ってコースをやや外れてしまい、その間に同じくBMWを駆るベナニ選手にポジションを明け渡してしまう結果に。

こうしたバトルを尻目に、ミューラー選手とミケリス選手は淡々と周回を重ねてきた。特にミューラー選手は最後までミケリス選手にポジションを脅かされることなく、事実上の独走で今季3勝目を獲得。準優勝で続いたミケリス選手、チェッカーが振り下ろされた瞬間にはスタート以上の大歓声がサーキットを包み、今回も地元で期待に応える大活躍を見せた。
また、3位はタルクィーニ選手で3戦連続の表彰台を獲得。YOKOHAMAトロフィーはベナニ選手が総合5番手でフィニッシュ、今季初優勝を飾った。

AUTO GPの第2レースをはさんで、WTCCも第2レース(第8戦)がスタートを迎える。スターティンググリッドはQ2の上位10台をリバース配置する第2レースだが、第1レース終了後のパルクフェルメに関する規則違反によって、モンテイロ選手は7番グリッドにつくはずのところをペナルティによって20番グリッドに降格させられた。さらに、第1レースでのクラッシュを修復はしたものの、グリッドにつくことは時間的に間に合わず、ピットスタートとなった。

注目のスタートはスタンディング方式、これはやはりFR車のBMW勢が得意とするところゆえ、2番手スタートのメルディ・ベナニ選手がポールポジションに陣取っていたシボレーのアレックス・マクドワル選手をかわして1コーナーでトップを奪う。さらに3番手スタートのハフ選手もベナニ選手をパスして2番手につける。

しかし、ターン3では大きなアクシデントが発生してしまった。ミューラー選手とタルクィーニ選手が各車入り乱れる中で接触、アウト側のタルクィーニ選手は押し出されるようなかたちでコースを外れ、バリアに激しくヒット。一瞬マシンは宙を舞うと、エスケイプゾーンが狭い場所だったがゆえに反動でコースに戻り、そこに後ろから来たフランツ・エングストラー選手が避けきれずに衝突。

これによりセーフティカーが導入され、レースは5周目から再開される。今度はローリング状態で迎える再スタート、セーフティカーがピットに退出してホームストレート上でグリーンシグナルが点灯すると、2番手のハフ選手は前をいくマクドワル選手に対してアウト側にマシンを振って1コーナーへとアプローチ。進入までにサイド・バイ・サイドに持ち込むと、そのまま1コーナーを横並びでクリアして出口の先で前に出てトップを奪うことに成功。

第2レースは、この再スタートで勝負が決し、その後はハフ選手がディフェンディングチャンピオンの貫祿でトップをキープ。後方ではジェームス・ナッシュ選手やミューラー選手、コロネル選手らが激しいポジション争いを演じたが、トップのハフ選手は誰にもポジションを脅かされることなくマシンをチェッカーまで運び、セアト・レオンWTCCを駆って待望の初優勝を掴む結果となった。

また、2番手はベナニ選手、3番手はマクドワル選手、さらに4番手にもナッシュ選手が入り、YOKOHAMAトロフィー勢も上位を獲得する活躍ぶり。ベナニ選手が第1レースに続いて勝利をおさめた。
 
Driver's Voice
ガブリエレ・タルクィーニ 選手
 【今回の成績 : 第7戦 優勝 / 第8戦 5位】
車の仕上がりがとても良かったのですが、そのおかげでオープニングの1コーナーでトップを奪うことが出来ました。トップに立ってからはタイヤマネージメントにも気をつかって、常に最良のパフォーマンスを発揮させ続けながら走ることに集中しました。
中盤以降ではレースウィークを通じて速さを見せてきたノルベルト・ミケリス選手が、数周してから良いペースで追い上げてきましたがこれは想定通り。彼は私がタイヤを温存しながら周回しているうちに接近してきたので、マージンを稼ぐ走りに切り替えました。そして、最後の2周でもやはりプッシュする必要がありました。
ターン4では小さなミスをしてしまい、さらにミケリス選手はとても良い走りを見せたので、容易には勝たせてくれませんでしたね。
ロブ・ハフ 選手
 【今回の成績 : 第7戦 4位 / 第8戦 優勝】
昨年のマカオを勝ってチャンピオンを決めたときと同じくらい嬉しいです! WTCCに今季から参戦を開始したチームですが、素晴らしいマシンを造り上げてくれたみんなに感謝しなければなりません。
私は表彰台獲得や優勝という結果を得られるだけの競争力を、マシンが有していることを感じていました。セーフティカーがコースを離れたあと、前にいるメルディ・ベナニ選手を「追い越すのは今しかない」と思いましたね。
 
Technical Information
3年目の開催となるハンガロリンクだが、昨年と比べて最終コーナーのみ路面が新しくなっている。
コース全体としては基本はフラットなもののコーナー部部のアスファルトが荒れていて、1cmほどの大きさの石からなる粗い凹凸が見られる。その表面は磨かれてツルツルになっているが、凹凸部分にタイヤが食い込むとグリップする一方で表面のみではスリッピーという状況だ。これに対して最終コーナーはアスファルトが載っていてフラットな路面となっている。
車両の進化という要素が大きいので改修がどの程度タイムに影響したのかは判らないが、全体的にグリップが向上したことで最終コーナーの後半からストレートにかけての脱出では、各車ともに安定した挙動を見せていた。

全体としてはタイヤの摩耗に対して厳しいコースのひとつと言えるが、各選手はタイヤマネージメントにも気をつかいながら戦略を立てていたようだ。その中で第1レースで準優勝したミケリス選手は、地元と言うことで大観衆の声援に応えるべくスタートから激しいプッシュを展開。その結果としてタイヤに負担がかかりすぎた面は否めず、後半はやや厳しい状況になったようだ。それでも踏ん張って2番手のポジションをキープしたままチェッカーを受けた闘志には、観客からも惜しみない拍手や歓声が送られていた。
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