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WTCC 2013
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News Index
WTCC Round 5&6
開催日
2013年4月27日-28日
開催場所
スロバキアリンク
(スロバキア)
天 候
第1レース : 晴れ
第2レース : 晴れ
路 面
第1レース : ドライ
第2レース : ドライ
決勝周回数
第1レース : 10周
第2レース : 10周
(1周 = 5,922m)
>> Report (レポート)
>> Result (競技結果)
>> Detail (カテゴリー紹介)
アフリカ大陸に渡った前戦・モロッコを終えて、再び戦いの舞台をヨーロッパへと移したWTCC(FIA世界ツーリングカー選手権)。第3大会(第5戦&第6戦)は、スロバキアリンクで開催された。
2009年にオープンしたスロバキアリンクは全長5,922mというビッグスケールで、WTCCを開催する常設サーキットとしては最長のコース距離を有する。最新鋭の国際コースだけあってコース幅やランオフエリアの余裕も大きく、世界選手権の舞台にふさわしいサーキット。WTCCは昨年初めて開催され、今回で2回目となる。
今年のカレンダーも第3大会を数えるWTCCだが、今回からカンペンセイト(補正)・ウェイトが発動する。過去のタイムを基に一定の計算式により導き出された車種間の差を調整する規則だが、これによりシボレー・クルーズは+40kgを科せられた一方、ホンダ・シビックとセアト・レオンは±0kg、BMW・320TCとラーダ・グランタは-20kgとされている。
同じ4月最終週末での開催ということもあってか、昨年の大会と同じ21度という気温の中で始まったフリープラクティス。予選を前に2本のセッションが用意されているが、ここで速さを見せたのがモロッコで初ポールポジション獲得に成功しているホンダ・シビックだった。
ガブリエレ・タルクィーニ選手が2本のフリープラクティスをともにトップタイムで終えると、その速さは予選でも全く衰えることが無かった。Q2への進出権を賭けて競われるQ1では、タルクィーニ選手が2分10秒308でトップタイム、これにチームメイトのティアゴ・モンテイロ選手が2分10秒907で続いた。
Q1を勝ち抜いた12選手によるQ2でもシビックが速さを見せ、ここでのトップタイムもタルクィーニ選手で2分10秒773。モンテイロ選手が2分10秒877で2番手、さらにZengo Motorsportからシビックで参戦するノルベルト・ミケリス選手が2分10秒889の3番手で続いて、シビック勢が予選トップ3を独占。
4番手はシボレーのイヴァン・ミューラー選手、タイムは2分10秒941となったが、10秒台に入れてきたのはここまで。タルクィーニ選手はQ1よりもタイムダウンしているが、Q1でマークした2分10秒308は、昨年のQ2でBMWを駆ってミケリス選手がマークした予選ベストタイムの2分12秒990に対して、実に2秒682という大幅なタイムアップである。
今回、シビックはエギゾーストシステムを変更するなどの改良が加えられたが、その進化が早速タイムに反映された結果と言える。
一夜明けた4月28日、午前中のウォームアップ走行を経て、いよいよ決勝レースの時を迎える。
第1レース(第5戦)はスタート前の気温が23.3度、路面温度は42.2度。過ごしやすい陽気の下、ローリング方式でスタートする決勝レースはシビック勢がトップ3に立ってフォーメーションの隊列を率いるかたちで戦いの火蓋が切って落とされた。
注目のターン1、4番手スタートのミューラー選手が前にいるミケリス選手をプッシュするも、サイド・バイ・サイドに持ち込むことすら許されずにシビックがポジションを守った状態でクリア、そのままターン2以降へと向かう。
後方では5番手スタートのトム・チルトン選手(シボレー)と14番手からポジションをあげてきたフレディ・バース選手(BMW)が接触、チルトン選手はコース外に押し出される格好になってグラベルベッドの餌食になってしまう。チルトン選手、ウォームアップ走行で単独クラッシュを喫し、メカニック陣が懸命な作業で大きな損傷を受けたボディを修復していただけに、残念な展開となってしまった。
また、今シーズンはセアト・レオンを駆るディフェンディングチャンピオンのロブ・ハフ選手は、予選タイムこそ7番手だったが、予選後の車検で最低地上高違反を指摘され、10グリッド降格処分を科されて17番手からのスタートとなっていた。
スタート直後から猛追を見せるハフ選手は、3周目にはラーダのジェームス・トンプソン選手と激しくポジションを争うかたちに。サイド・バイ・サイドからハフ選手がマシンを先行させるも、トンプソン選手も離されることなく食らいついていき、僅差の状態で4周目に突入。そしてターン1で、ハフ選手が勢い余ったかまさかのコースオフ。この間にトンプソン選手は労せずしてポジションを回復することに成功した。
また、レース中盤からは5番手争いも激しさを増した。その主役はジェームス・ナッシュ選手(シボレー)と、トム・コロネル選手(BMW)。互いに一歩も譲らないテール・トゥ・ノーズが数周にわたって続けられたが、最後は8周目にコロネル選手がナッシュ選手のインを鮮やかにさしてかわすことで決着した。
こうしたポジション争いを尻目にレースの主導権を握り続けたのがシビック勢。4番手で追ったミューラー選手も3台を脅かす存在にはなり得ず、唯一上位陣での順位争いと言えるシーンは8周目に一寸コーナーで外に膨らんだモンテイロ選手のインをミケリス選手がさしにいった場面くらいか。
これもポジションを入れ替えるには至らず、ミケリス選手がヘッドライトを点灯してチェッカーまで追ったが、シビック勢の隊列はスタート時の順番のままにチェッカーを受けることに。
昨年の日本ラウンドでWTCCにデビューしたシビックは、タルクィーニ選手の手により参戦11回目にして悲願の優勝を飾り、さらにモンテイロ選手とミケリス選手が続いたことで表彰台を独占する強さを見せた。
またYOKOHAMAトロフィーはナッシュ選手が、アレックス・マクドワル選手(シボレー)をかわして、マラケシュの第2レース(第4戦)から連勝を飾った。
表彰台で流された「君が代」の余韻も覚めやらぬうちに、第2レース(第6戦)の決勝コースインが始まったスロバキアリンク。ホンダ初優勝のチェッカーから30分ほどで、次なる戦いが今度はスタンディングスタート方式で始まることとなる。
第2レースのスターティンググリッドは、ポールポジションに陣取るのがコロネル選手。2番手はペペ・オリオラ選手(セアト)で、スタンディングスタートを得意とするBMWのコロネル選手と、前戦・マラケシュの第2レースで総合優勝を飾って勢いに乗るオリオラ選手、いずれがターン1を制するかに注目が集まる。
全車がグリッドについて、一寸の静寂をはさんでレッドシグナルが消灯、一斉に高まるエギゾーストノートを残して各車がターン1へと向かっていく。
注目のトップ争いはコロネル選手がポジションを守ってターン1をクリア、オリオラ選手が2番手で続く。その2台に続いたのは4番手スタートのハフ選手と9番手スタートからジャンプアップしたモンテイロ選手。12番手スタートのミシェル・ニュケア選手(シボレー)はエンジンストールでスタートに失敗したが、これは幸いに大きな混乱を巻き起こすには至らなかった。
2周目、ターン1で7番手スタートからポジションを上げてきたミューラー選手と、4番手のモンテイロ選手が軽い接触。モンテイロ選手は姿勢を乱し、この間にミューラー選手やタルクィーニ選手が先行、モンテイロ選手は9番手にポジションをドロップしてしまった。
4番手を奪ったミューラー選手は、前を行くハフ選手に襲いかかる。昨年まではシボレーのチームメイトとしてチャンピオンを争った両者の攻防は、息詰まる展開を見せることになる。3周目に入ったターン1ではマシンを振って隙を伺うミューラー選手。対して今シーズンから駆るセアトで一歩も譲らないハフ選手。インフィールドに入ると、時にマシンをインにねじこむようにプレッシャーをかけていくミューラー選手だったが、4周目に入るストレートでハフ選手に並ぶと、そのまま1コーナーでインからパスすることに成功した。
しかしハフ選手は遅れることなく追従、続くターン2では逆にミューラー選手をインからパス。チャンピオン経験者同士のクリーンなバトルが観客を魅了する。
また、後方からはタルクィーニ選手がベテランらしい“いぶし銀”の走りで追い上げる。10番手スタートから2周目には5番手に浮上、トップ争いの一角を占めるポジションにつけた。
そして、上位陣で動きがあったのはレースが折り返した6周目。それまで2番手を守り続けていたオリオラ選手に後続が一気に襲いかかり、4ワイド状態となったターン2でハフ選手ら4台の先行を許してしまった。
9周目、ハフ選手とミューラー選手の接戦は、ターン1で決着を迎えた。ストレートで並んだ両者、アウト側からイン側にコーナー進入でクイックにラインを変えたミューラー選手が、ハフ選手に抗する隙を与えることなくインを奪って先行。さらにタルクィーニ選手も続いて3番手にポジションをあげた。
一方、ポールポジションからスタートしたコロネル選手は、終始安定したラップを刻んで一昨年の日本ラウンド以来となるウィニングチェッカー。BMWの優勝は昨年の日本ラウンド以来、今シーズン初優勝となる。2位はミューラー選手、3位はタルクィーニ選手で2戦連続の表彰台を獲得。
YOKOHAMAトロフィーはアレックス・マクドワル選手が第1レースの雪辱を果たして今シーズン2勝目を飾った。
【今回の成績 : 第5戦 優勝 / 第6戦 3位】
第1レースが終わった時、本当に感動しました。WTCCのシビックは(デビューして間もないので)まだ赤ちゃんのような存在ですが、私はこのマシンに敬意を表します。私はシビックにとって父親であり、またモンテイロ選手も昨年来のレースを通じて育ててきてくれました。
モンテイロ選手とミケリス選手には申し訳ないですが、私自身はシビックの父親にあたる存在だと思っています。マシンは素晴らしいドライバビリティを有し、タイヤ、ブレーキ、エンジンと素晴らしい性能を見せてくれます。
開幕2大会では速さもパワーもシボレーのレベルに届いていない面もありましたが、ここに来てシビックは大きく進化しました。まだまだこれからも、さらに強いマシンとするべく努力を続けていきます。
【今回の成績 : 第5戦 5位 / 第6戦 優勝】
マシンは本当に素晴らしい仕上がり具合でした。我々のチーム(ROAL Motorsport)は、昨年も激しい戦いを演じていました。2位は敗者である、という思いを抱いて戦う“イタリアン・スタイル”が我々の信条です。
今回は第1レースでナッシュ選手の後ろを走っていた時、チャンスがあることを見つけました。そして第2レースはスタートをしっかり決めることが必要であることも理解していました。スタートして最初の数周はオリオラ選手からポジションを守ることに専念しましたが、周回を重ねていくと彼のタイヤは厳しい状態になりつつあることがわかりました。そこで私はチャージして戦いを有利に進めることが出来たのです。
スロバキアリンクは比較的新しいサーキットなので、コース幅やエスケイプゾーンも広く、施設も充実している。レイアウト的にはハイスピードな部類に入るが、路面は比較的粗く骨材が多い。路面のグリップはそれほど高くない上に、今回のレースウィークは晴れてはいたが風が強く、インカットして生じた土埃が舞う状況であった。
また、タイヤの摩耗面については厳しいコースのひとつであり、路面の性質に加えてロングコーナーが多いことからイン側のタイヤを引きずって走ることによる摩耗が生じる。
しかし、そのような厳しいコースでもヨコハマタイヤのポテンシャルは遺憾なく発揮され、タイヤに関するトラブルが発生することは無かった。
今回はシビックの初優勝と表彰台独占が大きな話題のひとつだが、予選タイムで昨年より2.682秒という大幅なタイムアップは、マニュファクチャラーチームならではの進化のスピードを実感させる。一方で第2レースはBMWのトム・コロネル選手が久しぶりの優勝を飾ったが、この結果からも駆動方式を問わず優れたパフォーマンスを発揮するヨコハマタイヤのWTCCタイヤの高い完成度が実証されたと言えるだろう。