■マルク・バッセン 選手 (ALL-INKL.COM Munnich Motorsport)
2013年のWTCCは新規参戦も多いが、最も注目を集めているチームがMunnich Motorsport(ミュニッヒ・モータースポーツ)。2006年にレネ・ミュニッヒ選手が興したチームであり、自らが経営するウェブホスティングサービスやドメイン管理を行う企業の名を冠して活動を拡大してきた。
2012年にはFIA GT1選手権でチャンピオンを獲得。しかし、その一方ではチームオーナーでもあるミュニッヒ選手自身が、鈴鹿サーキットで開催されたWTCC日本ラウンドにSpecial
Tuning Racingから参戦していた。
そして2013年、新たな戦いの場としてWTCCを選んだチームは、3台体制での参戦を決定。1台はミュニッヒ選手自身がドライブ、もう1台には昨年のチャンピオンであるロブ・ハフ選手が乗ることで話題を集めている。そして、残る1台を駆る選手もビッグネームだ。
そのドライバーこそが、FIA GT1チャンピオン経験者であるマルク・バッセン選手。1978年12月生まれのドイツ人で、レーシングカートからモータースポーツ歴をスタートさせている。その後、ポルシェ・カレラカップやルノー・スポーツ・クリオトロフィーなどで実績を重ねてレーシングドライバーとしての頭角を表した。
2007年にはデイトナ24時間レースのGTクラスで優勝を飾るとともに、ニュルブルクリンク24時間レースのGT3クラスでも3位表彰台を獲得。2009年にもデイトナやニュルブルクリンクの24時間レースで好成績をおさめ、2010年からはFIA
GT1選手権にステップアップして3シーズンを戦ってきた。
2013年はWTCCの開幕を前に、デイトナ24時間レースでアウディ R8 LMSを駆り、ワン・ツー・フィニッシュに貢献。満を持してのWTCC初戦となったモンツァでも好走を披露、第2戦では表彰台まであと一歩と迫る4位でフィニッシュした。
トップドライバーの移籍や新興勢力の進出など、チャンピオン争いの行方を占うのが難しい2013年のWTCC。そんな中で主役の一人となりそうなのがマルク・バッセン選手であることは、間違いなさそうである。