Your browser does not currently have the Flash Player version 8 that is required to view this site.
Please click here to download the latest Flash Player version.
HOME / MOTORSPORTS / JRC 2013 / Round 9 News Index
  ひとつ前にもどる  
JRC Round 9
開催日
2013年10月25日-27日
開催場所
愛知県・新城市 近郊
天候/路面
Day1 : 雨→晴/ウェット
Day2 : 晴/ドライ
ターマック(舗装路面)
総走行距離
290.61km
SS総距離
78.54km (12SS)
得点係数
1.0
(舗装路 50km〜100km)
参加台数
47台 (オープンクラス含)
(ヨコハマタイヤ装着車 22台)
>> Report (レポート)  >> Result (競技結果)  >> Detail (カテゴリー紹介)
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
[Photo]
ラージサイズ画像表示
全日本ラリー選手権は、今年も愛知県の新城市でシリーズの最終戦が開催された。
このラリーウィークは、ふたつの台風が日本に接近した。特に台風27号は強い勢力を保ったままで東海地方を直撃する可能性もあったが、南よりの進路を通って陸地から遠いところを通過したため、懸念されていたほどの悪天候にはならなかった。それでも台風が通過する金曜日の午後から土曜日の午前中にかけては新城地方も雨に見舞われた。

雨の中での幕開けとなった2013年の新城ラリー。26日(土)の午前9時ちょうどに1号車がスタート、続いてゼッケン2をつける奴田原文雄選手/佐藤忠宜選手組もSS1へと向かっていった。チャンピオン争いは最終戦に持ち越されたが、奴田原選手組は2日間のデイポイントも含めた満点優勝が唯一の王座獲得条件となっている。

SS1「ほうらいせん一念不動 1」は9.18kmで、Day1では最長のステージ。前日、雨の中でレッキをした各選手からは、このSSは路面がとても滑りやすいという声が多く聞かれていた。それもアイスバーンのように全体的にツルツルと滑りやすいのではなく、ややネットリした感じで路面の場所によって滑り方が異なるともいうのである。
そんな難しい路面、しかもウェットといコンディションでステージベストを刻んできたのは、ADVAN A050を装着する柳澤宏至選手/中原祥雅選手組。2番手を5.2秒引き離して、幸先よくオープニングステージを制した。一方の奴田原選手組はタイムが伸び悩んでしまい、柳澤選手組から13.6秒遅れの7番手。ただ、チャンピオン争いのライバルである勝田範彦選手組も4番手に留まっており、こちらとのタイム差は3.9秒だ。

続くSS2「作手北 1」は、本宮山スカイラインを昨年までとは逆方向に北から南へと進んで頂上を目指すステージ。全長は6.96km、道幅の広いハイスピードステージだが、路面のセンターラインにはキャッツアイとも呼ばれる反射材つき道路鋲が埋め込まれており、不用意に乗り上げるとタイヤやリムを痛めてしまう恐れもある。
ここでは奴田原選手組が勝田選手組5.1秒引き離してポジションを逆転、クラス順位も3番手に回復する。そして、このステージでヨコハマタイヤ勢の最速タイムを記録したのは、オープンクラスで出場する新井大輝選手/石田裕一選手組。惜しくもベストには3.0秒届かなかったが、セカンドベスト獲得でターマックラリー参戦2回目とは思えない速さを見せた。

セクション1の最後は、新城総合公園内のギャラリーステージ。0.95kmと短いが、ここはショートステージを得意とする奴田原選手組がしっかりベストを奪った。

サービスをはさんでセクション2へとアイテナリーは進む。セクション1の3本をリピートするが、天候は回復傾向にあり雨はほぼ止んでいた。ただ、ウェット路面は変わらずのまま、さらに林道では雨水が路面に山肌から多く流れでている箇所も見られる。
そんな状況が波乱を呼んだ。先頭でスタートした勝田選手組がクラッシュ、マシンはフロントまわりを破損してステージの道を塞ぐかたちで止まったのだ。足回りも破損したため自走は不可、このために奴田原選手組以下の後続車両は車両排除まで通過できず、このステージはキャンセルとなってしまう。
このキャンセルは奴田原選手組の戦いを厳しいものにした。トップの柳澤選手組との差は11.2秒、まずはDay1のトップを奪って満点デイポイントを獲得しなければならない条件の王座争い、差を詰めるチャンスがひとつ無くなってしまったのだから。

作手北と県営新城公園、ふたつのステージを合わせた距離は7.91km。キロ1秒以上速く走ることが求められる中、両ステージでベストタイムを連発した奴田原選手組。しかし、残念ながらDay1は3番手となってしまった。

Day2は朝から好天に恵まれた。この日は「雁峰西 (14.27km)」、「作手北」、「県営新城公園」を、サービスをはさんで各2本ずつ走行するアイテナリーで競技は進む。
奴田原選手組は新城ラリーの名物ステージとも言える「雁峰西 1」をヨコハマタイヤ勢のトップであがり、「作手北 3」、「県営新城公園 3」ではステージベストをマーク。この時点で順位は2番手、トップの高山仁選手組との差は7.9秒。

最終のセクション4、「雁峰西 2」で奴田原選手組が一気にチャージ、高山選手組に7.4秒差をつけて一気に差を0.5秒へと詰める。そして「作手北 4」でADVAN A050も遺憾なくそのポテンシャルを発揮してステージベストを奪うと逆転に成功、最終の「県立新城公園 4」は大勢のギャラリーが見守る中で高山選手組を再び上回るタイムでウィニングラン、2008年以来5年ぶりとなる新城ラリー優勝を飾って今季4勝目を飾り、累計のシリーズポイントでは最多得点を獲得して一年の戦いを締めくくった。

JN3クラスは、昨年の新城を制している山口清司選手/島津雅彦選手組がDay1を終えて暫定順位ではトップで折り返した。しかしその後、SS4についての対応で主催者側のミスがあり、全車に同一タイムが与えられたことから正式結果では2番手に。
山口選手組にとっては仕切り直しとなったDay2、オープニングの「雁峰西 1」でステージベストを奪って、Day1トップの横尾芳則選手組を改めて逆転すると、次の「作手北 3」では再び横尾選手が逆転するという激しい攻防を演じる。
しかし、その接戦はSS10「雁峰西 2」で決着。ステージベストを奪った山口選手組は横尾選手組を19.9秒引き離して再逆転、そのままフィニッシュまでマシンを運んで新城ラリーを2年連続で制した。

JN2クラスはチャンピオンをRally Hokkaidoで決めている川名賢選手が、前戦に続いて小阪典嵩選手とのコンビで出場。新城をホームコースとする天野智之選手組には及ばなかったが、しっかりクラス2位を獲得してタフなラリーをフィニッシュ。

JN1クラスは、国沢光宏選手/木原雅彦選手組の日産リーフが初優勝。今年の第5戦・モントレーで全日本ラリーにお目見えした電気自動車は、参戦3回目にして日本のモータースポーツ史に残る結果を記録した。ウェット路面では低燃費タイヤ「BluEarth-A(ブルーアース・エース)」、ドライ路面ではADVAN A050を装着して、その走りを足元から支えての快挙である。

オープンクラスは、新井大輝選手組がSS2とSS12でセカンドベストを記録する好走。総合4番手相当のトータルタイムで、ラリーをフィニッシュした。
 
Driver's Voice
奴田原文雄 選手
 【今回の成績 : JN4クラス 優勝】
チャンピオンをかけての最終戦ということで、条件的には圧倒的に不利でしたが最後まで諦めずに頑張ろうという気持ちで臨んだ今年の新城ラリーでした。初日は雨、二日目は晴れとコンディションが変わりましたが、両日ともに前半セクションは気温が上がっていませんでした。その上に初日は雨、水の表面何かいろいろなものが混ざっているのか、とても滑りやすい状況でした。
最終的には5年ぶりの優勝となりましたが、勝田選手がリタイアして自分が勝ったというのは正直なところちょっと悔しいですね。もちろんヨコハマタイヤの生産拠点がある新城での勝利は嬉しいですし、ここでは何としても勝ちたかった。それを実現して一年を締めくくれたのは、とても良かったと思っています。
国沢光宏 選手
 【今回の成績 : JN1クラス 優勝】
基本的に今回は運が良かったですね。例えば雁峰のステージやリエゾンの距離がもっと長ければ、電池が持たなかった可能性が高いんです。これまでもギリギリでやってきていたので全開でアクセルを踏めたことがほとんどないのですが、今回は初めて踏めていけました。だから電気自動車の実力を、ようやく引き出すことが出来たかなと思っています。
タイヤは雨となったDay1のセクション1を「BluEarth-A」、路面が乾いてきたセクション2以降は「ADVAN A050」を使いました。エコタイヤというとウェット性能が悪いというイメージを持っている方もいらっしゃいますが、「BluEarth-A」はウェットグリップ性能も「a」ランク。先日、袖ヶ浦サーキットで行われたレースでも、ウェットの中を「BluEarth-A」で競技用スポーツラジアル装着車を2秒引き離して周りを驚かせたのですが、今回のラリーでもエコタイヤの高いポテンシャルを実証できたと思います。
新井大輝 選手
 【今回の成績 : オープンクラス 優勝】
セカンドベストを2回奪うことが出来ましたが、自分としてはどこか1本でもいいのでベストを獲るつもりで行っていたので悔しいですね。やはり全日本選手権は、そんなに甘くなかったですね(笑)。自分として総合のタイムで見るとトップからかなり離されてしまっているので、自分の課題がここだなという感じで、満足の結果ではないですね。
特に雁峰で極端に離されてしまって……。それまでは「やるぞ、いけるぞ」と思っていたのが、実際に雁峰を走り始めたら「やべぇ!!」となって。これが噂に聞く雁峰の恐ろしさかと、新城ラリーの本当の怖さがわかりましたね。
 
TOPICS
「新城ラリー」は2007年から全日本選手権に昇格した大会だが、地方選手権として開催されていた時代を含めると今年で10周年。国が進める「地域再生計画」の認定第1号を受け、自治体と民間が協力して地域起こしの象徴的なイベントとして規模を拡大してきた。

今年は愛知県がこれまで以上に支援を強め、開催拠点も県営新城総合公園に移された。
公園内の園内道路がSS(スペシャルステージ)に設定され、陸上競技場には特設のデモランコースも設けられた。サービスパーク、デモラン、各種イベントや出展を公園内で楽しめるレイアウトとなり、気軽に観戦出来るロケーションであることから、多くの家族連れも会場に足を運んでいた。

愛知県の大村秀章知事、新城市の穂積亮次市長、自らも「モリゾウ」として併催のTRDラリーチャレンジに参戦したトヨタ自動車の豊田章男社長が、新城ラリーを更に今後も発展させるべく協力していくと語っていた。
また、新城市には横浜ゴムも生産拠点を構えており、新城ラリーにもさまざまなバックアップを行っている。今回も会場内にはブースを出展、車両展示やグッズ販売、商品展示などを行って、来場した観客のみなさんに楽しんでいただいた。
 
AREA GUIDE
愛知県の東端に位置する新城市は、春は桜、秋は紅葉と美しい自然が魅力の町である。

中でも市の北部に有る鳳来寺山は、紅葉の名所として全国的に知られている。703年に利修仙人によって開かれ、源頼朝が再興し、三代将軍・家光により東照宮が建築されたという由緒ある古刹で、天気が良ければ三河湾までを望む眺望の良いロケーションだ。

ここで11月1日から12月1日までの一ヶ月間、「鳳来寺山もみじまつり」が開催される。鮮やかに色づいた木々の美しさを楽しめるのはもちろん、期間中は多彩なイベントも用意される。
例えば11月2日と16日には、「鳳来寺山表参道万灯」が行われる。これは竹筒に入れた千本のろうそくを灯して、紅葉に包まれた表参道一体を柔らかな光でライトアップするというもの。

このほかにも期間中はいろいろな見どころがあるので、詳しくは新城市のウェブサイトを参照してお出かけいただきたい。

LINK >> 新城市ウェブサイト(鳳来寺山もみじまつり)
 
TECHNICAL INFORMATION
初日の前半は雨/ウェット、後半からコンディションは徐々に回復して、二日目は晴れ/ドライとなった今年の新城ラリー。
このラリーといえば苔むした滑りやすい独特の林道路面が特徴的であり、その象徴とも言えるのが雁峰林道だ。金曜日のレッキは雨の中で行われたが、雁峰と一念不動の両ステージについては、レッキのスピードレンジで慎重なドライビングを求めるスリッピーな路面であったと多くの選手が口をそろえた。

実際に競技が始まると、上位陣を含めてリタイアやアクシデントが続出。サバイバルな展開となったが、その中でヨコハマタイヤ勢は総合上位を常にキープして安定した戦いを見せた。Day2のトップ争いでは奴田原選手組が高山選手組を雁峰林道の2本目で7.4秒引き離して、トータルタイムの差を一気に詰めたことが勝因のひとつ。
タイヤの使い方や戦略面もあわせて、ヨコハマタイヤの優れたパフォーマンスを遺憾なく発揮した結果であると言えるだろう。

また、全47のうち15台がリタイアするというサバイバルな展開となったが、リタイア車両のうちヨコハマタイヤ装着車は3台のみ。一方でJN4、JN3、JN1の3クラスを制している結果から、多彩な路面状況へのヨコハマタイヤの対応領域の幅広さが改めて実証された。
ひとつ前にもどる