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JGC Round 6
開催日
2013年8月11日
開催場所
ツインリンクもてぎ
北ショートコース (栃木県)
天 候
晴れ
路 面
ドライ
参加台数
159台
(ヨコハマタイヤ装着車 63台)
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毎年、夏のもてぎは暑さとの戦いと言われるが、今年も気温35度を超える猛暑のなか、全日本ジムカーナ選手権第6戦がツインリンクもてぎ北ショートコースで開催された。

このコースは基本的にカートコースだが、これまではコース中盤かゴール直前にパイロンターンが設置されていることが多かった。
ところが、今年のコースレイアウトはスタート直後に180度ターンが設けられて、しかもパイロンターンはそれのみという例年とは異なるコース設定となっていた。さらに毎年、暑さのため第1ヒートの結果で勝負が決まることが多いが、なんと今年はその第1ヒートでパイロンタッチしてしまう選手が続出した。

「ショートカットや、シケインのイン側とアウト側にパイロンが置かれていたのですが、ライン上に置かれていたので、非常にきつい設定だったと思います」と、PN4クラスでタイトル争いを繰り広げている岡野博史選手。岡野選手はパイロンキングと異名を取るほどのパイロンワークの名手だが、その岡野選手が「きつい」と言うほどの攻略が難しいコースレイアウトとなっていた。

しかし、そんな難コースで真っ先に今年のチャンピオンを決めたのが、その岡野選手だ。
岡野選手は、2011年にPN3クラスでチャンピオンを獲得しており、今年はぜひともチャンピオンを奪回したいところ。
そんな岡野選手を後押しするように今年はシーズン開幕と同時にADVAN NEOVA AD08Rがデビューし、ここまで毎戦2位に大差をつける破竹の開幕5連勝を飾っている。

「でも最近ではライバルたちも速くなってきています。決して気は抜けません」と岡野選手。第1ヒートはその言葉どおり、シリーズランキング2位につけている、同じヨコハマタイヤユーザーの角岡隆志選手がそれまでのベストタイムを1秒以上塗り替える好タイムをマークしてくる。しかし、ラストゼッケンの岡野選手はさらに角岡選手に0.5秒のタイム差をつけ見事優勝した。「この大会は毎年1本目のタイムで勝負が決まることが多いので、その1本目をしっかり走り切ることだけを考えました」と、その言葉どおり第1ヒートのタイムで今季6連勝。見事に満点チャンピオンを決めた。

競技が進むとさらにヨコハマタイヤユーザーがチャンピオンを決める瞬間がやってきた。N3クラスの若杉将司選手だ。
若杉選手も開幕4連勝を達成し、前戦仙台ラウンドではマシンのトラブルにより3位に終わったものの、今回勝てば文句なしのチャンピオンが決定する。ところが、第1ヒートで若杉選手はまさかのパイロンタッチを犯してしまう。

「自分ではパイロンタッチをしていないと思っていたのですが、やはり攻めすぎたのかもしれませんね。ただ、1本目でタイムが出るということは確認できたので、2本目はしっかり修正して走ることができました」と第2ヒートでは確実にベストタイムをマークし、第1ヒートトップの飯塚信男選手を逆転。見事、タイトルを決めた。
またN3クラスは2位に入った飯塚信男選手をはじめ、4位までをヨコハマタイヤ装着車が独占。さらに6、7位にもヨコハマタイヤ装着車が入賞し、その優位性を証明することとなった。

続くSA1クラスでも、チャンピオンが確定した。
ここまで2勝を挙げている斉藤邦夫選手が、ここでタイトルを決められるかはランキング2位の選手の成績次第という条件付きだったが、斉藤選手は第1ヒートからベストタイムをマークし、しっかりと勝ってタイトルを決めた。斉藤選手にとっては通算8度目、3年連続となるチャンピオンだ。
「チャンピオンを連続で獲得するのは簡単なように見えて、実は難しい。それだけに喜びもひとしおですね」と、シーズン前に掲げたタイトル獲得という公約をしっかりと果たすことになった。

そして、岡野選手同様ここまで開幕5連勝を達成しているSA2クラスのポイントリーダー柴田優作選手の登場だ。もちろん今回勝てば今シーズン負けなしの6連勝で満点チャンピオンが決定する。
「今回の戦いは完璧でした。特に1本目が勝負どころになると思っていたので、いつも以上に集中してタイムを出すことを心がけました」と第1ヒートから2位以下に2秒近い大差をつけ圧勝した。

「コースレイアウトが例年の外周だけならエキシージはやや不利なのですが、今回はテクニカルなショートカットが設定されていたので、その点では優位に戦うことができたと思います。それに今回はADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着したのですが、僕はタイヤに絶対の信頼を置いています。そういう精神的な余裕も有利に働いたのだと思います」と通算5度目のタイトルを決定。N3クラス時代から数えれば5年連続のタイトル獲得となった。

そのほか、N1クラスでは昨年チャンピオンの平田裕三選手が嬉しい今季初優勝を遂げ、N2クラスでも箕輪雄介選手が今季3勝目をマークし、シリーズリーダーに躍り出た。
SA3クラスではシリーズリーダー天満清選手が同じく今季3勝目を挙げ、ランキング2位とのポイント差をさらに広げることに成功。そしてDクラスでは小林キュウテン選手の意志を受け継いだ小川謙輔選手が優勝。シリーズリーダーの座をしっかりと守り、さらにポイントを重ねた。

今回はヨコハマタイヤ装着車が13クラス中8クラスを制する大活躍を見せ、さらにそのうち4クラスでタイトルを決めるという、ヨコハマタイヤの高い性能を大いにアピールする結果となった。
 
Driver's Voice
岡野博史 選手
 【今回の成績 : PN4クラス 優勝 (シリーズチャンピオン決定)】
今年はADVAN NEOVA AD08Rがデビューしましたし、絶対にタイトルを獲るという意気込みでシーズンに入りました。もちろんタイヤの性能が高かったことがタイトル獲得の最大の要因ですが、とりあえず嬉しいというよりホッとしているという気持ちの方が強いですね。
平田裕三 選手
 【今回の成績 : N1クラス 優勝】
ようやく今年初優勝できました。今回は調子も良くて自信はあったのですが、第1ヒートではスタート直後のターンでサイドブレーキを戻せず、大きくスライドしまい、かなりタイムロスをしてしまったのですが、何が何でも今回は勝つぞという意気込みで最後まで諦めずに走り切ったのが良かったのだと思います。
箕輪雄介 選手
 【今回の成績 : N2クラス 優勝】
今回は第1ヒートが勝負だと思っていたので、最初から気合を入れました。多少のミスはありましたが、自分では完成度の高い走りができたと思っています。タイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを4輪に装着しましたが、この暑い状況でもしっかりゴールまでグリップしてくれたのが勝因だと思っています。
若杉将司 選手
 【今回の成績 : N3クラス 優勝 (シリーズチャンピオン決定)】
今回は多少セッティングが合わずに苦労しました。タイム的にも僅差でしたので不安もありましたが、今回装着したADVAN A050のG/Sコンパウンドが今回のような高温路面でも抜群にグリップしてくれて、思い切り攻め切ることができました。
斉藤邦夫 選手
 【今回の成績 : SA1クラス 優勝 (シリーズチャンピオン決定)】
今シーズンは決して順調ではありませんでしたが、今回は非常に調子が良く、順調な試合運びができたと思っています。特にタイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを使用しましたが、この暑さのなかでもしっかりグリップしてくれ、ライバルに比べて圧倒的なマージンがあったのも好調の要因のひとつだったと思っています。
柴田優作 選手
 【今回の成績 : SA2クラス 優勝 (シリーズチャンピオン決定)】
今シーズンは辛い時もありましたが、なんとかタイトルを獲得できて嬉しく思っています。特にタイヤに関しては信頼性が高く思い切り走れましたし、助けられた部分も多かったと思います。また、マシンをしっかり面倒をみてくれたメカニックやスタッフに感謝したいと思います。
天満清 選手
 【今回の成績 : SA3クラス 優勝】
毎戦、このクラスは何が起こるか分からず、まったく気が抜けない状態でスタートしました。ただ、タイヤはADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着したのですが、路面とのマッチングは最高に良かったと思います。なんとかシリーズトップは守ったので、このままタイトルを狙いたいと思います。
小川謙輔 選手
 【今回の成績 : Dクラス 優勝】
今年は全日本初挑戦ということで、どのコースも初めてでしたが、このもてぎ北ショートだけは関東の地区戦で走ったことがあるので、その意味では多少ゆとりをもって挑むことができたと思います。今回は第1ヒートのタイムで優勝できました。スタート時の路面温度も60℃オーバーとなり、かなり高かったのですが、タイヤマネージメントもうまくいき、しっかりとパフォーマンスを発揮してくれたのも勝因だと思います。
 
FEATURED DRIVER
■SA1クラス : 合田尚司 選手

福岡県出身で、現在はホンダ・シビックのステアリングを握り、福島県から全日本戦のSA1クラスに参戦しているのが合田尚司選手だ。

「兄がジムカーナをやっていて面白そうだと思い、自分もジムカーナを始めました」と語る合田選手は、ジムカーナ歴は10年ほどだが、一時は東京に住んでいたこともあり、兄の所有する三菱ランサーでつくばビギナーシリーズなどに出場。
その後、福島県に移住し、ホンダ・シビックを手に入れて東北ジムカーナ選手権などに出場して腕を磨いてきた。

「ジムカーナは毎戦コースが違いますし、同じコースレイアウトであっても毎回違う走りが要求されます。クルマの動きをイメージして自分で挙動を作り出さなければいけませんし、走りや路面を分析する能力と、それを実行できるテクニックも必要でしょう。そこに他の人が絡んでくるので何があるか分からない。それが面白いですし難しいところでもありますよね」と、ジムカーナの魅力を語ってくれた合田選手。

今回のもてぎラウンドでは嬉しい2位入賞も果たした。さらなる飛躍が期待されるドライバーのひとりだ。
 
TECHNICAL INFORMATION
今回は猛暑となり、路面温度も決勝日朝から40℃を超えるというコンディションの中での戦いとなった。
路面温度を考慮すると、ほとんどのドライバーはADVAN A050のG/Sコンパウンドを装着したが、路面温度、気温ともに今年一番の高温だったにもかかわらず、タイヤはしっかりとその温度に対応してくれた。8クラスを制したという事実がそれを証明している。
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