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Japanese F3 Round 10&11
開催日
2013年8月3日-4日
開催場所
ツインリンクもてぎ (栃木県)
天候/路面
第10戦 : 曇り/ドライ
第11戦 : 曇り/ドライ
決勝周回数
第10戦 : 14周
第11戦 : 20周
(1Lap = 4.801km)
参加台数
13台
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1年でもっとも暑いであろう、8月の上旬に全日本F3選手権の第5ラウンドが、ツインリンクもてぎで開催された。シリーズは残すところ6戦。しかしながら、早くもこのレースウィークに、ふたりのチャンピオンが生まれる可能性が出てきた。全日本F3選手権では中山雄一選手が、F3-Nクラスでは高星明誠選手がタイトルに王手。もちろん、2連勝が条件であるが、ここまでの彼らの勝率を考えれば、むしろ不可能とは言い難い。

舞台となるツインリンクもてぎでのF3は、今季2回目の開催。シーズン途中からの参戦となった小河諒以外はすでに1ラウンド、しかも3レース経験している。それほどコース攻略には手を焼かないだろうが、前回は5月とあってコンディションは大幅に異なるだけに、ドライビングやセッティングをどうアジャストしていくかが、順位を少なからず左右することだろう。
もちろん高温多湿な状況下で、ヨコハマタイヤが供給するコントロールタイヤの性能をどれだけ引き出せるかも、その要因の中に含まれる。

10分間のインターバルを経て行われた第11戦の公式予選。路面温度が上昇した上、序盤にコースオフ車両が生じたことから路面状態が悪化、中山選手も最初のアタックラップは46秒426に留まる。その後は細かく刻んで行ったが、45秒台への突入はならなかったものの、2戦連続ポールポジション獲得となる。
F3-Nクラスでは一時、インドラ・パユーング選手がトップにつけたが、やがて高星選手が逆転。しっかりタイムを刻み続けて、ラストアタックで49秒215をマークした。49秒303と、僅差でインドラ・パユーング選手が2番手で、小河選手が再び3番手に。


3日(土)に行われた第10戦の決勝レース。予選では中山雄一選手がセッションを通じてトップの座に君臨、1分45秒138でポールポジションを獲得している。
スタート進行が行われる頃、東コースの向こうに黒い雲を浮かべ、しかもやや冷たげな風まで吹いて、いつ雨が降ってもおかしくない状況となっていたものの、結論から言えば何とか天候は保たれた。ちなみに気温は30度、路面温度は43度と、予選と比べてもそう変わらず。
中山選手の王座決定を阻止できるのは、もはや予選2番手の野尻選手と6番手の勝田貴元選手のみ。何とかスタートで順位を上げたいところだが、逆に好スタートを切ったのは中山選手の方だった。1コーナーに先頭で飛び込んでいった中山選手は、早々に後続を引き離していく。一方、野尻選手は千代選手にもかわされて3番手に。勝田選手はジャンプアップならず4番手に。

そしてF3-Nクラスでは高星選手が好スタートを決め、その後ろでは小河選手がインドラ・パユーング選手を1コーナーでかわす。
ひとり逃げる高星選手に対し、2番手争いはその後も続き、早くも2周目の90度コーナーでインドラ・パユーング選手が勝負をかけるも、ブレーキングで姿勢を乱して小河選手に追突。スピン状態に陥った小河選手を小泉洋史選手は避けきれず、両者は接触。小泉選手のマシンがコース上に横たわったため、2周に渡ってセーフティカーがコースに入る。

これで1秒2ほどのリードを失った中山選手は、リ・スタートで千代選手、野尻選手にぴたりと合わされてしまうが、最終コーナーで千代選手がわずかながらもリヤを流してしまい、スリップストリームにつくことを許されず。再びトップで1コーナーに飛び込んでいった中山選手は、何事もなかったかのように次第に後続を引き離していく。
一方、F3-Nクラスではインドラ・パユーング選手が高星選手の背後に。リスタートで吉田基良選手をかわし、ベストタイムもマークして接近してきたのだ。だが、そのインドラ・パユーング選手にはドライビングスルーを命じる黒旗が。小河選手との接触に対するペナルティだ。10周目にピットロードに向かうと、高星選手は一気に楽になり、独走態勢へと持ち込んでいく。

結果、中山選手は千代選手に4秒の差をつけ、8勝目をマーク。この勝利によって、PETRONAS TEAM TOM'Sがチーム部門の、そして株式会社トムスがエンジンチューナー部門のタイトルを早々と獲得している。千代選手はこれが今季最上位で、3位の野尻選手は今季5回目の表彰台へ。
そしてF3-Nクラスでも高星選手が9勝目をマーク。2位のDRAGON選手、3位の湯澤選手ともに2回目の表彰台獲得となった。

4日(日)になっても天気は大きく変わらず。気温も31度、路面温度も38度ながら、今度はグランドスタンドの向こうに灰色の雲が浮かぶように。今度こそ……の不安を残しつつも、第11戦決勝レースのスタート進行が開始される。しかし、そのグリッドに小河選手のマシンはなく、ダメージが大きく修復できずということでリタイアしたため、12台が並ぶこととなった。

すでに45ポイントの差がついていることもあり、中山選手の王座決定を阻止するには、とにかく自分が勝つしかない、その上で相手の順位次第だった勝田選手。スタートで前に出ようという強い思いが裏目に出て、スタートに失敗して何と6番手に後退してしまう。
もちろん、トップで1コーナーに飛び込んだのは中山選手で、これに野尻選手が続くも、5番手から千代選手がぴたりと背後に。1コーナーでこそ逆転は許されなかったものの、3コーナーからスリップストリームを使って遅れず続き、5コーナーのブレーキ勝負を制して千代選手は前に出る。

だが、そのバトルが激しく繰り広げられる間に中山選手はより差を広げ、オープニングの1周だけで1秒9も千代選手を引き離していた。勢いに乗る千代選手は2周目こそ中山選手のペースを上回って差を詰めたものの、許されたのはその周だけだった。3周目以降は差を広げ続けた中山選手に対して、6周目あたりから雨が降り始めるが、「厳しくなるのは、みな一緒」と踏ん張り続けるうちに、その雨は上がってしまう。
その後もしっかりペースを刻み続けて、5秒3差で逃げ切った中山選手は今季9勝目をマークするとともに、残り4戦を待たずにチャンピオンを決定。表彰台の上では家族とともに最高の笑顔を見せていた。千代選手と野尻選手は2戦ともに2位、3位を獲得、揃ってランキング2位をも狙わんばかりの勢いを見せていた。

逆にF3-Nクラスの王座決定は、次回以降に持ち越された。何と高星選手がスタートを失敗、ほぼ最後尾にまで落ちてしまったのだ。代わってトップに立ったのは小泉選手。だが、ぴたりと食らいついたインドラ・パユーング選手は早くも勝負をかけて、90度コーナーでトップに躍り出る。
一方、高星選手はオープニングラップのうちに3番手に浮上、さらに3周目には小泉選手をかわして2番手に立つも、その間にタイヤを酷使し、もはやペースを上げようにも上げられない状況に。時にインドラ・パユーング選手のペースを上回りはしたが、そのまま差を詰め続けることはできず。
逃げ切ったインドラ・パユーング選手が2勝目をマークした。
 
Driver's Voice
中山雄一 選手
 【今回の成績 : 第10戦 優勝 / 第11戦 優勝】
もてぎ大会では2戦ともポールを獲れて良かったです。スーパーフォーミュラが走った後だったせいか、練習とはコンディションが異なっていて難しい状況だったのですが、しっかり走りをアジャストできました。
スタートも2戦とも良く、いずれも1コーナーに先頭で入っていくことができ、そのまま離していけて。第10戦ではセーフティカーも入りましたが、無難にこなしていつもの走りができましたし、第11戦では途中で雨も降りましたが、コンディションにも変化はなかったので、そのまま走れました。
チャンピオンを決める週末でしたが、あんまりそのことには意識せず、最後までプッシュして、なおかつ集中して走り続けました。
高星明誠 選手
 【今回の成績 : 第10戦 8位(F3-Nクラス優勝) / 第11戦 8位(F3-Nクラス 2位)】
今回は金曜日の練習走行があまり良くなくて、チームとミーティングを重ねた結果、セッティングを変えようということになり、予選では2回ともトップだったんですが、最初のレースではセーフティカーが戻った後にナニンに追いつかれてしまって……。そのナニンにペナルティが出て、自分にとってはラッキーでしたが、次に課題を残してしまいました。
次のレースで何とかチャンピオンを決めようと、気負わずにいたつもりでしたがスタートを久々に失敗。必死にナニンを追いかけたのですが、最後まで追いつかずじまい。次のSUGOはデータをしっかり見直して、今度こそ何とかしたいと思います。
ナニン・インドラ・パユーング 選手
 【今回の成績 : 第11戦 7位(F3-Nクラス4位) / 第11戦 7位(F3-Nクラス 優勝)】
第11戦では2回目の優勝を飾れて、すごく嬉しいです。いつもよりいいスタートが切れたつもりでしたが、小泉選手が右からスッとパスしていったんですが、遅れず続いていき、90度コーナーで抜き返すことができました。小泉選手は1台分、ラインを明けてくれてクリーンな走りをしてくれましたね。
岡山や富士ではタイヤの使い方がうまくいかなかったので、今回は1周目からそのことを頭に入れて、長い20周を上手には知れたと思います。次のSUGOは走ったことがないんですけど、自分のベストを尽くして、またいいバトルをしたいです。
 
TOPICS
中山雄一選手が8月の上旬にして、早くも全日本F3選手権のドライバーズタイトルを掌中にした。
開幕戦こそチームメイトの勝田貴元選手に敗れはしたが、第2戦からは6連勝。第8戦も勝田選手に敗れたものの、第9戦からは再び何事もなかったかのように勝ち続け、SUGOと富士の4戦を待たずしての戴冠となった。

今年はエンジン規定が変更され、新エンジンで挑んでいたPETRONAS TEAM TOM'Sだが、量産エンジンをベースとしていることで、オリジナルエンジンのライバルに比べ、分が悪いのでは……と当初は思われていたものの、実際にはテストがほとんどトラブルなく順調に進んでいき、結果的に開幕の段階で絶対的なマージンを得ることに。
併せてシャシーとのバランスも突き詰められていき、勝田選手がリタイアした第6戦以外は、今回のもてぎ大会まですべてワンツーフィニッシュを達成していた。

パッケージにも恵まれた中山選手だったが、同じ条件で戦う勝田選手を上回ったのは、F3におけるキャリアの違いもさることながら、精神力の強さがあったからかもしれない。
逆に勝田選手は今回、2戦とも表彰台に上がれなかったのは「精神力の弱さが出てしまいました」と、そのあたりを認めてもいる。逆に中山選手は、少なくても外から見る限りにおいて、プレッシャーに屈するようなレースは一度もなかった。

「本当に嬉しいです、とはいえ、最初からチャンピオンを目指していたし、勝手当たり前とまで言われていたので、ホッとしているのが本当のところです。これで2009年の筑波・Super-FJ、2010年のFCJ(フォーミュラ・チャレンジ・ジャパン)以来、三つ目のタイトルになりますが、チャンピオン獲った年はいつも「獲って当たり前」と言われていたので(笑)、その頃と同じ心境であり、僕にとって重みは変わりません。FCJも夏場のもてぎで決めているので、そういえば同じような流れでしたね」と中山選手。

残るSUGO、富士のレースは新チャンピオンとして、まさに凱旋レースとなるが、そのことにも特に意識はないという。「やることは一緒ですから、全レースでベストを尽くします」と。この調子なら15戦13勝という高勝率も、決して夢ではなさそうだ。
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