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HOME / MOTORSPORTS / Japanese F3 2013 / Round 8 & 9 News Index
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Japanese F3 Round 8&9
開催日
2013年7月13日-14日
開催場所
富士スピードウェイ (静岡県)
天候/路面
第8戦 : 曇り/ドライ
第9戦 : 晴れ/ドライ
決勝周回数
第8戦 : 15周
第9戦 : 21周
(1Lap = 4.563km)
参加台数
13台
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激戦が続く全日本F3選手権、その第4ラウンドは富士スピードウェイが舞台。このレースウィーク直前に同じく富士スピードウェイを舞台に、昨年同様WEC(FIA世界耐久選手権)のサポートレースとして2戦の追加が決定。全15戦のシリーズに改められることがアナウンスされた。
残るは8戦となり、F3-Nクラスと合わせ、ランキングトップのドライバーが現時点で独走しているものの、まだまだ予断は許されない状況となった。

そのトップは中山雄一選手。予選こそ第7戦で2番手に甘んじ、連続ポールポジション獲得の記録が途絶えたものの、決勝レースではまた連勝を重ねることとなった。そして、F3-Nクラスでは高星明誠選手が予選、決勝ともに未だ開幕戦から土つかず。このふたりに誰が歯止めをかけるのか、より一層注目されることとなった。

練習走行が行われる金曜日、そして予選と第8戦決勝レースが行われる土曜日まで猛暑に見舞われることが天気予報で告げられているものの、第9戦決勝レースが行われる日曜日は天気が崩れるとも。コンディションの激変も予想される中、どのドライバーがヨコハマタイヤの供給するコントロールタイヤを的確に使っていくのかも注目された。

まさに夏色というに相応しい状態となっていた金曜日の練習走行は、2セッションともに野尻智紀選手がトップ。
「前回の岡山からいい流れになってきて、マシンがさらに良くなったという感じです。コンディションがどうか悪か分からないけど、明日からもそれほど不安はありません」と語っていた野尻選手。そのベストタイムは1分36秒746で、これが予選のターゲットタイムとなっていた。一方、F3-Nクラスではセッション1をナニン・インドラ・パユーング選手がトップだったものの、セッション2では高星明誠選手が逆転。クラストップで練習走行を終えることとなった。

予選が行われる土曜日は、眩しいぐらいだった青空がなりを潜め、上空にはうっすらと雲が。第8戦の予選スタート時には気温こそ28度ながら、路面温度は32度と幾分控えめ。金曜日には50度以上に達していたことを思えば、コンディションもかなり向上したこととなる。
最初のアタックラップで、いきなり1分35秒台に入れてトップに立った中山雄一選手は、次のラップにも短縮を果たし、ベストタイムを1分35秒472に。引き続き攻め続けたものの、さらなる短縮は果たせなかったとはいえ、中山選手を誰も上回れず、これで8戦連続のポールポジション獲得が決定。コンマ2秒遅れでチームメイトの勝田貴元選手が続き、3番手は千代勝正選手、そして4番手は野尻智紀選手が獲得する。
F3-Nクラスでは、ついに高星明誠選手の連続ポール記録が途絶える。初のトップはナニン・インドラ・パユーング選手で、1分37秒893をマーク。高星選手が2番手で、3番手は小河諒選手が獲得。

続けて行われた第9戦の予選では、野尻選手が1分35秒758をマークしてトップに立ったものの、その時プリウスコーナー脇でストップしていた車両があって、黄旗が出されていた。そのため、当該タイムが抹消されてしまったため、野尻選手は幻のポールに終わる。その結果、ポールを奪ったのはやはり中山選手。1分35秒874とタイムを落としはしたが、路面温度が若干ではあるが、高まっていたからまずまず妥当ではあるまいか。2番手はまたも勝田選手で、この並びはついに9戦連続に。野尻選手は3番手に、そして4番手は千代選手だった。
F3-Nクラスでは高星選手が37秒838で再びトップに返り咲き、インドラ・パユーング選手が2番手。そして小泉洋史選手が小河選手を抑えて3番手につけている。

第8戦決勝レースは、引き続きドライコンディションの中で行われた。気温は30度、路面温度は39度にまで上がり、やや条件は厳しくなっていた。そんな中、誰より鋭いクラッチミートを決めたのは勝田選手だったものの、1コーナーでの逆転は許されず。F3-Nクラスでも予選順位のまま、インドラ・パユーング選手、高星選手の順で続くが、その後ろでは小泉選手が小河選手をかわして3番手に浮上していた。

普段のレースならば、スタート直後の順位のまま終始することが多いが、このレースはそうではなかった。中山選手の背後についていた勝田選手が最終コーナーで、まさに虚をつく形で逆転を果たすのだ。スリップスリームを使って中山選手はすぐに逆転を狙うも、横に並ぶに留まる。そして、コカ・コーラコーナーで完全に前に出た勝田選手は、そこから逃げの構えに。さらに2周目の1コーナーでは野尻選手が、千代選手をかわして3番手に浮上。千代選手はパドルシフトの不調もあって、3周目に清原章太選手、松下信治選手に相次いでかわされていた。

一方、F3-Nクラスではスタートでの逆転を高星選手は許されず、インドラ・パユーング選手に封じ込められる。それどころか差は徐々に広がっていく一方。逆にその後方では、小河選手を小泉選手がかわして3番手に浮上していた。小泉選手と小河選手のバトルは最後まで続いたが、順位の入れ替わりはなし。また、終盤になって高星選手がインドラ・パユーング選手との差を詰めたが、やはり逆転は許されなかった。その結果、インドラ・パユーング選手が初優勝。高星選手の開幕8連勝を阻止した。3位の小泉選手は、第2戦以来の表彰台へ。
そして勝田選手も、中山選手の連勝阻止に成功。第1戦以来となる勝利のみならず、ファステストラップも記録して貴重な11ポイントを獲得する。3位の野尻選手は3戦連続で表彰台に立つこととなった。

日曜日には崩れそう、との天気予報は完全に外れて、うっすらと雲は浮かんでいるものの、厳しい日差しが刺す中で第9戦決勝レースが行われた。気温は34度にまで、そして路面温度は49度にまで上昇。加えて第8戦より6周多い周回が、今年いちばんハードなレースになることを予感させた。
フロントローに並ぶ中山選手と勝田選手のスタートは、ほぼ同タイミング。それだけに勝田選手は中山選手に並ぶことも許されず。だが、1コーナーをクリアした後のコカ・コーラコーナーが勝負どころと定めていた勝田選手ながら、中山選手のけん制を受けて一歩引かざるを得ず。これで勝負はほぼ決したと言ってもいい。徐々に離されながらも、射程圏内にいられたのは中盤まで。そこからはペースが鈍り、一気に差を広げられてしまったからだ。難なく逃げ切った中山選手は、これで7勝目をマークする。

変動のなかったトップ争いに対し、3番手争いは超熾烈。その主役となったのが予選でエンジントラブルに見舞われ、最後尾スタートを強いられていた松下選手だった。スタートから間もなくF3-Nクラス勢をすべてかわして6番手に上がったばかりか、オープニングラップの13コーナーでは清原選手をもパス。4周目には千代選手を、そして12周目には野尻選手をもかわして3番手に浮上する。
また、12周目の1コーナーでは4番手返り咲きを狙った千代選手と野尻選手が接触。千代選手がコースアウトし、併せて清原選手が4番手に上がることに。ちなみに、このアクシデントは野尻選手の危険行為と判定され、後に30秒加算のペナルティが。

F3-Nクラスでもスタート直後のトップ入れ替わりはなく、高星選手がトップで1コーナーへ。それどころかインドラ・パユーング選手はスタートに出遅れ、小泉選手の先行も許していた。その影響もあり、1周だけで1秒4ものリードを得た高星選手は、第8戦の連勝ストップなど忘れさせるほど、いつもの逃げのパターンへ早々と持ち込んでいった。

しかし、2番手争いはこちらもまた熾烈。小泉選手の背後にはインドラ・パユーング選手だけでなく、小河選手、そして湯澤翔平選手も続いて縦一列。そんな中、4周目の最終コーナーでの小泉選手のミスに乗じ、続く5周目の1コーナーでインドラ・パユーング選手が逆転を試みるが失敗。さらにブレーキングを遅らせて、一気に2台パスを狙った小河選手とインドラ・パユーング選手が接触してしまう。これで小河選手がコースアウト、インドラ・パユーング選手は5番手へと後退する。だが、インドラ・パユーングの追い上げも凄まじく、わずか3周で3番手に返り咲いたばかりか、12周目には小泉選手に再接近。必死にガードを固め続けた小泉選手ながら、15周目の1コーナーでバランスを乱して万事休す。
2位でゴールしたインドラ・パユーング選手ながら、トップの高星選手はそれより26秒も先にフィニッシュ。8勝目をマークして、ポイントもついに38もの差を広げることとなった。
 
Driver's Voice
勝田貴元 選手
 【今回の成績 : 第8戦 優勝 / 第9戦 2位】
ようやく第1戦以来の勝利を飾ることができました。前回の岡山からドライバーもクルマもいい流れをつかんできて、今回の富士はデータもあるし、チームのホームコースでもあるので、いいところを見せたい、巻き返しのきっかけとしたいと思っていたんです。
第8戦はスタートにミスはなかったんですが、中山選手もミスなく、ちょっと追いつくぐらいだったのですが、行くなら次の周の1コーナー、あるいは最終コーナーしかないと。そこで少し無理矢理でしたが、最終コーナーで飛び込んで行って、中山選手も車幅を開けてくれたので、コカ・コーラコーナーでは完全に前に出ることができました。
ただ、第9戦は中山選手に隙がなくて抜けず、着いていって後半勝負と思いましたが、タイヤマネージメントをしっかりしたつもりではあったのに、ペースを上げられなくなって最後には離されてしまったのが残念です。
中山雄一 選手
 【今回の成績 : 第8戦 2位 / 第9戦 優勝】
第8戦はスタートを少しミスしたのですが、けん制し続けていたから抜かれずに済ました。ところが、最終コーナーのターンインでいきなり勝田選手が出てきて、避けてしまったのでポジションを落としてしまったんです。スリップストリームを使ってすぐ抜き返そうと思ったんですが、横まで並ぶのがやっとでした。
後ろを走るのが不利なのは分かっていましたし、富士のレースではこういう特有の展開があるというのを、改めて学習することができましたので、それをしっかり第9戦で実践しました。いろんな意味で再確認やクリアできたという意味で、大きな収穫も得られましたし、しっかりタイヤマネージメントともできたので、最後は大差をつけて勝つことができました。
そろそろタイトルも気になるところですが、それより絶えず100%の力を出し切れることの方を意識したいと思います。
ナニン・インドラ・パユーング 選手
 【今回の成績 : 第8戦 7位(F3-Nクラス優勝) / 第9戦 7位(F3-Nクラス 2位)】
今回初めて予選、決勝とも1番になれて、本当に嬉しいです。金曜日のテストから調子は良くて、それもしっかりエンジニアやメカニックとコミュニケーションが取れていたからだと思います。
富士はたくさん走ったコースでもあるので、この結果はすごく嬉しいのですが、最後の方でタイムが落ちてしまったのだけは残念です。だけど高星選手とは同じペースで走り続けられたことで、自分の自信も上がりました。ただ、第9戦はスタートを失敗してしまって……。特に経験豊富な小泉選手を抜くのに苦労しました。
高星明誠 選手
 【今回の成績 : 第8戦 8位(F3-Nクラス 2位) / 第9戦 5位(F3-Nクラス 優勝)】
第8戦は予選こそナニン選手に0.1秒負けて、その後のアジャストで第9戦はトップになれたんですけれど……。
スタートには自信があったんで、前に出れば押さえられると思ったのですが、1コーナーでアウトから被せられて。前半タイヤをセーブしていたから、中盤からプッシュもしたんですが、詰めるだけで終わってしまいましたね。
第9戦はスタートも良かったし、ナニンは遅れていたようで、早い段階から差も広がっていて。途中からはセーブしても差は広がり続けていたので、最高のセットにしてくれたチームの皆さんに感謝しています。
 
TOPICS
タイ出身のナニン・インドラ・パユーング選手が、第8戦のF3-Nクラスで初優勝を飾った。

彼がレースを始めたのは「テレビでレースを見るのが好きだったのと、レーシングゲームも好きだったからです。それでゲームみたいなクルマを運転したいから、お父さんにお願いしたら、タイのトヨタにジュニアレーシングスクールがありました」というのがきっかけ。

それで8歳からカートレースを始めるも、最初の2年は表彰台に立てずじまい。それでも努力を重ねることで、10歳で国内選手権のチャンピオンを獲得する。
そして12歳からは日本のレースに活動の舞台を移し、月に2〜3回は来日するような生活を続け、しかも16歳から1年間、留学していた経験もあるという。
そして17歳となった一昨年にFTRS(フォーミュラ・トヨタ・レーシング・スクール)を受講してスカラシップを獲得。昨年からFCJを、今年も引き続き、さらにF3-Nクラスにも挑んでいるのはご存知のとおり。

では、何故日本でのレース活動を決めたかというと、彼が幼少の頃、タイではレースがそれほど盛んではなく、特にフォーミュラはほとんど行われていなかったというのがひとつ。
もうひとつは「日本の生活が好きで、レースがなくても住みたいぐらいなんです。今はタイの大学に通っているので、レースごとに来日していますが、卒業したらたぶんまた日本に住みますね(笑)。ヨーロッパでのレースも考えましたが、向こうに住まないとできませんけれど、日本ならレース終わってすぐ帰れますから。月曜日、学校ありますからね(笑)。やっぱり日本の方がいいんです」とインドラ・パユーング選手。

ちなみに日本で最初にF3のレースを見た時は「自分がポディウムのいちばん上に立つなんて思えなかった」と正直に語り、だからこそ「2年間頑張ってきて、こうして勝てて本当に嬉しかったです。これからもいろんな勉強をし続けていきたいと思っています」というのは、間違いなく本音のはず。これからの成長を、見守り続けていきたい。
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