■SC2クラス : 福田貴一 選手
2014年の全日本ダートトライアルクラス区分変更により、今回のJAFカップオールスターダートトライアルが現行のクラス区分としては事実上最後の大会となるN2クラスとSC2クラス。いずれも、ブーン×4、ストーリア×4、さらに軽自動車といった小排気量のクルマが主力マシンとなっているクラスだ。
その両クラスで活躍していたのが、中部地区の福田貴一選手だ。
2012年はSC2クラスで全日本初優勝を挙げ、シリーズでも2位を獲得。2013年はSC2クラスの出場台数が少なく全戦で不成立となってしまったこともあり、N2クラス仕様のストーリア×4を駆り、第6戦では2位に入賞、シリーズでも5位に入っている。
その福田選手が、今回はSC2クラスで出場し2位に入賞する健闘をみせた。
「今年の全日本は、残念ながら全戦でSC2クラスが不成立になってしまったのですが、中部地区は意外と軽自動車の改造クラスのマシンが多いのです。そこで、中部の仲間を中心に最後くらいはなんとかクラスを成立させようと、ミラX4でSC2クラスに出場しました。今年で軽自動車のクラスがなくなってしまうのは残念ですけど、最後に走ることができて本当に良かったと思います」と福田選手。
1997年に全日本初出場以来、一貫してミラ×4やストーリア×4といった小排気量の4輪駆動車でダートラを戦ってきた福田選手は、「軽自動車には軽自動車の良さがあって、特にキビキビとした動きが好きです。ストーリア×4も実際には排気量が713ccなので軽自動車とは言えないのですが、軽自動車の親分のようなクルマなので、やっぱり好きなクルマのひとつですね'(笑)」と、強いこだわりを持つ。
今回の大会では、「ゴール手前の島回りの区間でシフトが入らず、アクセルもブレーキも踏まない空走区間が長くなってしまいました。そのタイムロスが大きく、残念ながら優勝は逃してしまいました」と、2位で終わった。
その福田選手だが、来シーズンは「中部地区では、来年もストーリアX4で勝負できるクラスがあるので、頑張って上位を狙おうと思っています。実は全日本も、FFのミラでSC1クラスに出場しようという計画を練っています。シビックやミラージュ相手にどこまで勝負できるか分かりませんが、ミラはサトリアネオ・サイズの海外ラリー用ADVAN
A053も履けるので、コースコンディションやレイアウトによっては上位に入賞できるチャンスもあるんじゃないか思うんです」と、あくまでも軽自動車で挑む予定だ。
「軽自動車で戦うダートトライアルの灯を消したくないんです」という福田選手の健闘に今後も期待したい。