■SA1クラス : 中島孝恭 選手
昨年までFTOを駆りSC1クラスを戦っていた中島孝恭選手が、今年は心機一転、DC5インテグラでSA1クラスを戦っている。
1999年に全日本ダートトライアルにデビューして以来、2003年にスポット参戦した2戦以外は一貫して改造クラスを戦う中島選手は、なぜナンバー付き車両のクラスに移ったのだろうか。
「昨年のタカタラウンドで転倒してしまったのがきっかけです。実は、転倒したのが3回目。修理することも考えたんですが、FTOも2005年に初めて全日本に出場して以来、かなりの年月が経っていて、最近はFTO用のパーツを探しても古いクルマだけになかなか見つからない。そこで『少しでも新しいクルマに乗りたい』と思っていた頃、たまたまナンバー付きのDC5インテグラが見つかったんです」と中島選手。DC5インテグラは215/60R15サイズのADVAN A053を装着することも可能で、SC1クラス時代に海外ラリー仕様のADVAN A053を装着していた経験を持つ中島選手にとっては、それもクラスと参戦車両を変更するきっかけのひとつになったという。
「ADVAN A053は、ステアリングの切り足しが効くタイヤです。切り足しが効くと、失敗した時のリカバリーもラクですからね」という中島選手。今回もADVAN A053を装着し、表彰台まであと一歩の4位に入賞している。SA1クラスでももちろん優勝を狙うが、「それにはまだ時間が必要」ということだ。
「ナンバー付きのSA1クラスとナンバーなしのSC1クラスの一番の違いは、パワーよりも車重です。今までずっと車重が軽いSC1クラスで戦ってきていたので、車重が重いクルマのドライビングに手こずっている状態ですね。これをクリアしないと、優勝争いに加わるにはまだ遠いと思っています」と中島選手。しかし、SC1クラス時代には優勝の経験を持っているだけに、期待度も高い。SA1クラスのトップドライバーとして活躍する日も、そう遠くないところまで来ているのも事実だ。SA1クラスでの活躍にも期待したい。