世界的にレースシリーズとしての採用が増えているFIA GT3マシン・カテゴリーについてはADAC
GT-Mastersの項 [
>>参照] でも解説しているが、アジア地域でも国境をまたいだ地域シリーズとしてGT
ASIAが開催されている。
その源流は2009年に開催されたASCC(アジアン・スーパー・カー・チャレンジ)であり、2010年からFIA
GT3車両を中心としたレースとしてGT3 Asiaが発足した。さらに2011年には名称を現在のGT
ASIAへと改めて現在に至っている。
このシリーズを統括しているのが、1996年にアジア地域でのモータースポーツ産業拡大を目的として設立されたMAL(モータースポーツ・アジア・リミテッド)。競技の企画運営のみならず、メディアとのコラボレーションを含めたプロモーション要素も総合的にコーディネートして、GT
ASIAを始めとした多くのカテゴリーを統括、アジア地域全体での活性化を図るべく活動している。
GT ASIAもまた、ADAC GT-Mastersと同様のレースフォーマットとなっており、基本的に1大会2レース制を採用。1回の決勝レースは距離にして90〜140km、時間で最大60分間というもので、2人1組となってチェッカーを目指す。もちろんBOP(バランス・オブ・パフォーマンス)や、プロドライバーの参戦を制限する制度も、他のFIA
GT3カテゴリーと同様。いわゆるジェントルマン・ドライバーと、プロドライバーが切磋琢磨しあう形で、多彩なFIA
GT3マシンが鎬を削っている。
2013年は6大会/11戦のカレンダー。シリーズ前半の3大会/6戦は日本国内のサーキットを転戦、6月の岡山大会は全日本F3選手権、7月の富士大会は全日本選手権スーパーフォーミュラとの併催となっている。そして後半の3大会/5戦はセパン(マレーシア)、球海(中国)を転戦した後、最終戦は決勝1レース制度でマカオ・グランプリが舞台となる。この最終戦は「マカオGTカップ」としての開催で、チャレンジングなストリートコースでのスーパーカーによるバトルは多くのファンを魅了する。